実は驚くべき力が!? 腸活にも欠かせない、“寒天”のスゴさの秘密

2022.7.29
みつ豆などでおなじみの、寒天。地味な印象のある食べ物だけれど、実は腸をキレイにする驚くべき力が…!

不要物を絡めて排出。毎日の寒天習慣で快腸に。

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「テングサなどの海藻を煮出し、精製・乾燥して作られる寒天は、ほぼ食物繊維でできている食品。しかも、寒天の食物繊維は他のものとは性質が違うんです」とは、内科医の杤久保修さん。

「構造が非常に細かく、水分をたくさん取り込んでゲル状に固まるという特徴があります。しかも、体温では溶けないので塊のまま腸に届く。これが腸壁を刺激して便通を促し、同時に不要物や毒素を吸着して、体外に排出するのを助けてくれるのです」

まさに腸活にぴったりの食材、活用しない手はない。

「粉寒天なら1日2g以上摂るのがおすすめ。定番の角切り寒天の状態にして200gが目安です。料理に使えば摂取量をさらに増やせていいですね。加熱して、ある程度水分を含ませることが調理の大事なポイントです」

「汁物のとろみづけに使ったり、ジュレ状にしてサラダにかけたりといろいろ使えます。ご飯に炊き込むだけでもおいしいですよ」(料理家・田村つぼみさん)

寒天のココがすごい!

1、メッシュ状の食物繊維が水分を含んで腸を刺激。

寒天の食物繊維は他に比べて非常に細かいのが特徴。「メッシュのような構造で、これが水分をしっかりキープ。寒天1gで100gの水分を保つ力があります。腸を整えるには、不溶性と水溶性の両方の食物繊維を摂る必要がありますが、不溶性でありながら水分を吸う性質の寒天の食物繊維は水溶性にも近く、両方の良いところ取りをした食品といえます」(杤久保さん)

2、無味無臭でローカロリー、どんな料理にも使える。

海藻の抽出液を何度も凍結・乾燥させて作られる寒天は、基本的に無味無臭。料理の味わいを邪魔しないので、いろいろな使い方ができる。「しかもノンカロリー。料理のかさ増しなどに使えばダイエット効果も」(杤久保さん)

3、形状がいろいろあり好みに応じて選べる。

一般に手に入る寒天は主に、粉寒天と棒寒天、糸寒天の3種類。整腸効果は変わらないので、使い勝手で選んで。

粉:現在最も多く出回っているのがこちらのタイプ。水で戻す必要がなく、煮溶かしやすいのが特徴。値段も手頃で使いやすい。

棒:昔ながらの製法で作られた寒天。水で戻し、絞ってから使う。粉よりもコシあり。粘り気のある食感が好みの場合はこちらを。

糸:棒寒天を細い糸状に加工したもの。煮溶かすほか、お湯で戻して麺のようにも使える。コリコリとした食感が美味!

基本の寒天の作り方

1、鍋に水を500ml入れ、粉寒天4gを加える。
2、中火にかけてへらで混ぜ、沸騰したらふつふつと煮立つくらいの火加減にしてさらにかき混ぜる。
3、1~2分煮たら火を止め、バットや保存容器などに流し入れる。粗熱が取れて固まり始めたら冷蔵庫へ。しっかり固まったらさいの目に切る。

寒天は80°C以上で煮ることで、しっかりと固まる。細かく切ったレモンと水、砂糖を電子レンジでチンしたレモンシロップのほか、黒蜜&きなこ、めんつゆ&酢と青のりでところてん風、など好みの食べ方で。

杤久保(とちくぼ)修さん 内科医、横浜市立大学名誉・特任教授。メタボリックシンドロームの予防に役立つとして、食前に寒天を食べるダイエット法を早くから提唱。

田村つぼみさん 料理家、栄養士。広告や雑誌でメニュー開発を幅広く手がける。著書に『最速3分! レンチンで楽々! コンテナパスタ』(東京書店)ほか。

※『anan』2022年8月3日号より。写真・津留崎徹花 料理作製、スタイリング・田村つぼみ 取材、文・新田草子

(by anan編集部)