ラテマネー、サブスク代を見直すべき? プロが教える、お金を増やす“3つのタスク”

2022.4.21
毎日の生活費、結婚や住宅購入などライフイベントの資金、そして老後の備え…。人生にどれだけお金が必要か把握できている? 今や、将来に備えたマネー設計はマスト。まずは、家計管理のノウハウと、自分の未来に安心できるお金の増やし方を学ぼう!

将来の自分のために、今からしっかりとお金の管理を。

人生に必要なお金をきちんと把握できている人はあまり多くない。特に若い世代は今を生きるのに精一杯、余った分を貯金に回すぐらいで、将来を見据えて投資する余裕もないはず。だが、「今からお金を“見える化”して賢く増やしていかないと、このままでは将来、貯蓄が底をつく可能性も!」と、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんは警鐘を鳴らす。

「お金のことを考えるのは難しそうと思うかもしれませんが、実は考えるべきことは、“入ってくるもの・出ていくもの・残すもの”の3つだけ。入ってくるものは収入で、出ていくものは支出のこと。しかし日頃からお金の出入りをあやふやにしていると、将来に備えた貯蓄もできません。収入を増やし、支出は減らす。そして“残すお金”に働いてもらう、3つのタスクを実行することが大切です」

そのためには、使う目的や時期に合わせてサイフを分けるのが手。

「使う、貯める、増やす、守るの4つのサイフを作ると、お金を俯瞰的に捉えられるようになり、何のために、いつまでにいくらのお金が必要なのかが一目瞭然に。そうするとお金を管理しやすくなり、将来のために“残すお金”を大きく育てられるようになります」

お金を増やす“3つのタスク”とは?

将来に備えたお金を増やすためにやるべきことは、収入を増やす、支出を減らす、お金に働いてもらうの3つ。まず大前提は、毎月の収支が赤字にならないこと。その上で、残ったお金を使って将来に備える家計作りを!

タスク1、収入を増やす

社内制度や資格手当を利用して、今の会社で昇給する手を模索する。

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年収の高い会社への転職や、副業で稼ぐことを考えがちだが、いきなりはかなりハードルが高い。会社員ならば、まずは今の職場でできる収入の増やし方を考えよう。

「自分の強みを生かしてフリーランスに転身する人も増えていますが、未来のお金を増やすという点では、厚生年金に加入して働くと大きなメリットがあります。年収が増えれば社会保険料の負担も上がりますが、その分将来受け取れる年金も増えます。だからまずは、会社の資格手当や昇給制度などを確認して、スキルアップすることから考えてみて。いついかなる時も自分のキャリアプランを意識しながら働くことで、積極的に行動できるようになり、それが収入を増やすことに直結していきます」

【収入を増やす方法】
・昇給する条件を理解する
・スキルアップ、資格を取る
・キャリアプランを考える
・副業

タスク2、支出を減らす

日々の無駄遣いを一刀両断! 節約に励んで、生活費を見直す。

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節約をすることで支出を抑えるのは、とても賢明な方法。

「“残すもの”にお金をしっかりと回せていれば、無理に節約する必要はありません。しかし無駄遣いだと思わずに何気なく使っているものが、結構な出費に繋がっている場合が。それがいわゆる“ラテマネー”です。カフェラテなどのコーヒー代だけでなく、コンビニで買うお菓子代なども含まれます。それ以外にも見直すべき支出は、収入に見合ってない住居費や、何の役にも立っていない習い事、加入したまま放置しているサブスク代など。また、通信費もキャリアやプランを定期的に見直すのが効果的です。好きなことや価値があると思えるものだけに、お金を払う習慣をつけましょう」

【支出を見直すポイント】
・住居費
・習い事、サブスク
・“ラテマネー”など嗜好品
・通信費

タスク3、お金に働いてもらう

低金利時代だからシフトチェンジ。貯蓄でなく投資で、資産形成を!

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かつては働いて貯金すればお金を増やせたが、社会情勢の変化により収入も増えにくくなった今は、お金に働いてもらうことが必要。

「昔は賃金上昇率も金利も高く、預金しておくだけでお金がどんどん増えました。しかし今は超低金利。預金ではお金は増えません。お金に働いてもらう、すなわち、投資などでお金に金利を稼いでもらうことが必要です。人生100年時代になり寿命が延びたことで、長い老後の資金作りもしないといけない。日本の年金制度はしっかりしていますが、年金だけで生活ができるかというと、それは難しい。多くの人が貯蓄を取り崩していくことになります。なのでその不足分は、自分でお金を増やして補填していく必要があります」

【経済のトライアングルを理解しよう】

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個人が預けた預金を銀行が企業に貸し付けて、企業がさらに高い金利(物価)でモノを売ることで経済は回っている。今は預金金利がほぼゼロに近いため常に物価上昇率が預金金利を上回り、預金だけではお金が増えにくくなった。そこで投資を経済トライアングルに加えて、お金が増える新しい流れを作ることが必要に。

山中伸枝さん ファイナンシャルプランナー、FP相談ねっと代表、公的保険アドバイザー協会理事。『書けばわかる! 節約・預金だけではもったいない わたしにピッタリなお金の増やし方』(翔泳社)など、著書多数。

※『anan』2022年4月27日号より。イラスト・熊木まりこ 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)