街フォトの撮り方~商店街編~ カメラマンが教える! いいね! がつくスマホの撮影テク #19

写真・文:田代わこ — 2017.2.21
スマホカメラの撮影テクをプロカメラマンに教わるこの講座、今回から“街フォト”シリーズがスタート! 数回にわたり、さまざまな街の撮り方を学んでいきます。1回目のテーマは商店街。教えてくださるのは、テレビにも登場され、大活躍中の人気カメラマン、佐藤朗先生です!

【カメラマンが教える! いいね! がつくスマホの撮影テク】vol.19

商店街の撮り方、ポイントは6つ!

佐藤先生から教わった商店街の撮り方ポイントは全部で6つ。カメラ素人の私、ライター・田代が撮った写真とともにご紹介します。

絵になる構図を探す!

いいね!がつく写真を撮りたいなら、まずは絵になる構図を探す必要があるそうです。通りすがりに見つけた商店街を漫然と撮っただけでは、人に伝わる写真にはなりません。

夜景 (800×637)

試しに、神楽坂商店街で撮ってみます。とりあえず、見たままの景色を撮影すると、上のような写真になってしまいました。そこで、絵になる構図を探し、少し離れた場所に移動。

IMG_6139

同じ商店街でも、街灯の縦線を意識して撮ると、ちょっと幾何学的で雰囲気のある写真になりました。

街灯 (800×571)

また、街灯やおしゃれな店先などにクローズアップして撮ると、街の風情が感じられる写真になるとのこと。なお、店先などを撮る場合には、店員さんにひと声かけると関係も良くなり、良い写真が撮れるそうです。

パネトーネ (800×611)

この写真は、神楽坂にあるイタリアの輸入食材を扱うお店『ドルチェ ヴィータ 』で撮らせていただきました。ちなみに、私は毎週こちらのお店でイタリア産のチーズを買っています!

光の使い方は重要!

基本的に、光の方向は順光でも逆光でもどちらでもOKとのこと。それぞれが与えるニュアンスが違うので、どう見せたいかで使い分けるとよいそうです。

IMG_6156 (800×575)

こちらは、神楽坂商店街を画面右上方向からの光で撮りました。順光の場合はすべてを明るく写せるので、日がさんさんと照った爽やかで爽快な印象になるそうです。

IMG_6136 (800×600)

一方こちらは、上野の商店街。この写真のように逆光で撮ると、建物をふくめ風景全体が立体的になり光の演出でドラマチックに見えたり、懐かしさを助長させたりもするそうです。

時間帯をいろいろ変えてもOK

商店街の表情は、時間帯や曜日によっても変わってきます。日曜の朝、誰もいない静かな雰囲気を撮ってみたり、にぎやかな夕暮れ時の様子を撮ってみたりしてもよいそうです。

時間帯 (800×319)

試しに、神楽坂商店街で時間帯を変えて撮影してみました。左から、人が少ない静かな朝、車や人の動きが活発な昼、買い物客の多い夕方の写真です。雰囲気の違いを感じていただけるでしょうか。

また、佐藤先生によると、撮影には日没の時間帯がオススメとのこと。夜の真っ暗な空とは違い、空に表情がつくので、商店街と一緒に撮ると風情も出てくるそうです。

日没 (800×441)

 
ということで、日没タイムに撮影したのが上の写真です。空の色が刻々と変わっていくので、確かにほかの時間帯よりも雰囲気のある写真が撮れました。

天気による撮り方の注意点

本連載の#3「光を操る編」で、室内で撮る際「曇りのときは光が柔らかくなるので撮影に適している」と教わりました。ということは、風景の場合も曇りの日がいいのでしょうか? 答えはNO。曇りの日は光にメリハリがなくなるので、あまりおもしろい写真は撮れないとのこと。ただ、雨の日は、色とりどりの傘が出てくることもあり、いい写真が撮れる場合もあるそうです。

IMG_6034 (800×600)

テーマを決めて撮ってみる

商店街という大きなテーマだけでなく、さらにもうひとつテーマを追加してみると、より楽しい写真が撮れるそうです。今回、佐藤先生から「商店街の赤いものを撮る」というテーマをいただいたので、神楽坂商店街で赤いものを集めてみました。

IMG_5203 (800×638)

この写真は、産直野菜を扱うお店『神楽坂野菜計画』の店先で撮らせていただきました。いつも新鮮な野菜や果物が並んでいるアットホームな雰囲気のお店です。

IMG_6035 (800×597)

こちらは、「神楽坂の毘沙門さま」として知られる善國寺。神楽坂商店街のなかにあります。

FullSizeRender (800×621)

神楽坂の老舗、『鳥茶屋』の入り口前で撮影。昔この近辺で働いていたときに、こちらのお店をよく宴会で利用しました。オススメは名物の「うどんすき」です!

画像処理のコツ

商店街の写真も、インスタグラムで画像処理すると、雰囲気がよくなります。試しに、次の写真を加工してみます。

IMG_6136 (800×600)

基本的に、どのフィルターを使ってもよいそうですが、佐藤先生オススメのフィルターは、Amaro、Ginza、Brooklyn。これらを使うと、少しコントラストがなくなったり、色ががらりと変わったりして、味が出てくるそうです。

IMG_6165 (800×600)

Brooklynのフィルターを使ってみました。さらに、編集画面で「明るさ」や「彩度」などを調整すると、より雰囲気のある仕上がりになると思います。
 

商店街の撮影テク、終了!

街フォトシリーズの商店街編、いかがでしたか? いつも見慣れた商店街でも、いざ撮影するとなると、難しいですよね。時間帯や曜日、天気によっても表情が違うので、本気で撮りたい場合には、何度も商店街に通う必要も出てきます。今回、撮影のために1カ月近く神楽坂商店街に通いましたが、お店の人と話をしながら写真を撮らせてもらう、というのも撮影の醍醐味だと思いました。ぜひ、お気に入りの商店街を撮りに行ってみてくださいね!

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プロフィール

佐藤 朗(さとう あきら)
フリーランスフォトグラファー。日本大学芸術学部卒業。有名雑誌や書籍、Web媒体などで活躍。また、料理写真専門のカメラ教室フェリカスピコを主宰、毎月各地で開かれる教室は常に満席となる人気ぶり。著書に『もっとおいしく撮れる!お料理写真10のコツ』(青春出版社)。
Facebook Instagram:@felica_spico

田代 わこ(たしろ わこ)
ライター&エディター。出版社勤務を経て、フリーランスのライター・エディターに。主にエンタメ系コンテンツ記事を執筆。趣味は美術鑑賞
と絵を描くこと。ananwebでは「女子的アートナビ」を連載中です!


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