“マインドフルネス・ヨガ”は心と体にイイ! 基本「子犬の休息」って?
一日の終わりにヨガのポーズで心身をリフレッシュ。
ゆったり呼吸をしながら行うヨガは、ストレッチ効果があるだけでなく、メンタルケアにもぴったり。なかでも瞑想とヨガの指導者・吉田昌生さんが提唱するマインドフルネス・ヨガは、心身のバランスを整える効果的なメソッドだ。
「マインドフルネスは瞑想によって、今この瞬間にいる自分を自覚するトレーニングです。ただ座って呼吸に意識を向けるといえば簡単に聞こえますが、むしろ、いろんな感情や思考が湧いてきてネガティブになる人も。そこでヨガのポーズを取り入れることにより、体が伸びているという感覚に集中でき、ありのままの自分を自覚し受け入れられるように」
自律神経の調整にもなるので、夜寝る前に行えば体の緊張が緩んで心地よい眠りが得られ、日中の集中力までアップ。ここではふとんの上でできる、呼吸を楽にするヨガをご紹介。眠れない夜に、ぜひ試してみて。
マインドフルネス・ヨガ3つの心得
自分の体に“気づく”こと。
マインドフルネスの基本は、日頃から自分がどんな呼吸や姿勢をしているのか気づくことから。呼吸の感覚を捉えようとするよりもヨガのポーズで体を伸ばしたときの感覚の方が自覚しやすい。「最初は体の痛みを押さえ込もうとしたり、自分は体が硬いとジャッジしてしまうかもしれません。ですが、伸びているという感覚に身をゆだねると呼吸も自然と深くなり、呼吸を通して自分の体と心の状態に気づくことができます」
“DO”と“BE”を意識。
マインドフルネス・ヨガの特徴は、通常のストレッチより長い時間をかけて、じっくり体を伸ばすこと。「ポーズの前半は、体を伸ばしていくいわば“DO”のモード。ちょっと痛いけど気持ちいいポイントを探って体を伸ばしましょう。ポーズの後半は何もしないでただ伸びている感覚と向き合う“BE”のモードに切りかえ、今ここにいる自分の体と心をありのまま観察する。2～3分間その状態をキープすることが重要です」
完璧を目指さない。
ポーズの形にこだわり、急いで結果を出そうとすると心は不安定になり体を痛めることも。マインドフルネス・ヨガでは正しく完璧にやろうとせず、心身ともに楽にできる範囲で行うことを重視する。「私もストレッチが苦手で、最初はすごく体に痛みがありました。そんなときは自分の愚痴を聞くような感覚で“痛いよね”といたわってあげる。そうしながら自分にとってちょうどいいポイントを見つけていくことが大切です」
呼吸を楽にする。
ゆっくりと胸を開くイメージでポーズにチャレンジ。このとき、鼻から吸って鼻から吐くことを心がけて。まずは、ゆったりとした呼吸で、副交感神経を活性化させよう。
子犬の休息【2～3分キープ】
肩まわりを伸ばし、腕のコリに体重を乗せる。
長時間のデスクワークやストレスで、肩や腕は知らず知らずガチガチに。そこで、自分の体重を使って肩甲骨や腕の緊張を緩めるポーズ。全身の力を抜いて重力に体をゆだねれば、呼吸が楽になっていきます。
【やり方】
- うつ伏せになり、体を横切るように右腕を体の下に敷く。その上にうつ伏せに横たわる。脚は自然に伸ばす。
- 左腕は、肘を曲げて手枕にするか、前方にまっすぐ伸ばす。
- 力を抜いて重力にゆだね、2～3分キープしながら呼吸。
- 終わったら反対側も同様に行う。
POINT
- このポーズで伸びているのは体の下に伸ばした腕と肩まわり。腕の角度を変えることで伸びる場所の調節を。
- さらに右腕を深く胸の下に差しこんで。余裕があれば、左手を伸ばしおでこを床につけてもOK。
クォータードッグ【1～2分キープ】
胸を開き、背中を緩めて深く呼吸する。
犬が伸びをしているようなイメージで背中を反らし、肩や胸、腰まわりを気持ちよく伸ばす。手を前に伸ばした方の脇腹もしっかりストレッチされるので、より呼吸が楽になる。首の後ろに力を入れすぎないよう注意。
【やり方】
- 四つん這いになり、右腕を前方に伸ばしながら、上半身を床に近づける。
- 左腕を曲げておでこをのせ、さらに胸を床に近づける。このとき、ひざの角度が90度になるとさらに◎。
- 胸が開き、背中が緩むのを感じ、1～2分キープしながら呼吸。
- 反対側も同様に行う。
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よしだ・まさお マインドフルネス瞑想協会代表理事。世界38か国以上を巡り、さまざまな瞑想やヨガを実践。近著に『ねるヨガ』（フォレスト出版）。オンラインサロンでも情報を発信中。
※『anan』2020年2月26日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・白男川清美 ヘア＆メイク・高松由佳 モデル・松木育未 取材、文・石飛カノ 撮影協力・AWABEES
（by anan編集部）
