閉所&高所恐怖症なのに! ある洞窟探検家の「洞窟ばか」ぶり…

2017.5.3
これまでに30か国以上、1000以上の洞窟に入ったという、世界屈指の洞窟探検家・吉田勝次さん。初めての著書『洞窟ばか』が話題だ。
本

地球最後の未知なる世界“洞窟”に魅せられた男の、仰天の探検記。

本書は、山登りさえしたことのなかった吉田さんが、洞窟探検のプロになるまでの紆余曲折や、華麗にして危険きわまりないこれまでの洞窟探検秘話を、笑いと驚きと感動とを詰め込んでまとめたもの。

洞窟探検なんて、怖くないの? どこが面白いの? 前のめりで聞きたくなる。なのに、吉田さん曰く、「本当は、高所恐怖症だし、閉所恐怖症。洞窟が好きというのとはちょっと違うんですよ(笑)」 …あまりに謎すぎるのだけれど、吉田さんの夢とも信念ともいえる思いを知れば、納得。

「宇宙や深海を除いて、現代は、アマゾンの秘境だろうとチベットの山奥だろうと、地上ならばほとんど、グーグルアースで見られます。だから、身一つで行ける最後の人類未踏の地はもう洞窟しかない。だからこそ、『誰も行ったことがない未知の景色をこの目で見てみたい』という気持ちをかき立てられるんです」

本書を読めばよくわかるが、洞窟探検を始めたばかりのころは、失敗続き。それでも情熱とモチベーションを維持できたのはなぜなのか。

「28歳のときに味わった最初の洞窟での感動がものすごくて、虜になったせいですね。ギャンブルは、『どうせ負ける』と思ってはやらないでしょう? 自分だけは当たると信じてる。それと似ています。やり続ければ、『いつかまたあんな思いができる』とずっと夢見てるんです」

かつては、見込みのなさそうな場所を探していた自分を、反省もする。「洞窟の入り口探しは、見渡す限りの山肌からA4サイズの紙を見つけるようなもの。小さくて見過ごしがちなのですが、いまでは経験値が上がって、地図上の地形からだいぶ見分けられるようになってきました」この春には、本書でも紹介されているラオスの新洞調査に再びトライ。成果はいずれ発表されるだろう。

「負けず嫌いで、凝りだすと、突き詰めるまであきらめない。最近、熱を入れてるのは洞窟写真ですね。とっておきの写真が撮れたり、さらに奥に進めたり、何かお土産を持って地上に生還できた瞬間が、実はいちばん感動的だったりするんです」

よしだ・かつじ 1966年、大阪府生まれ。アルバイト生活を経て、26歳で建設会社を設立。その傍ら、洞窟探検や洞窟調査に傾倒し、チームを率いる。TBS『情熱大陸』に出演決定!

『すきあらば、前人未踏の洞窟体験 洞窟ばか』これまで吉田さんが潜った世界各地の洞窟のオールカラー口絵は見応え十分。吉田さんの写真を、本の小口に印刷した凝ったデザインにも注目。扶桑社 1400円

※『anan』2017年5月3・10日号より。写真・水野昭子 インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)


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