古典芸能 若手女形ホープ・中村梅枝が「コクーン歌舞伎」に初出演。中村時蔵さんの長男!

2018.5.3
若手女形で一番の注目株・中村梅枝さんに、『切られの与三(よさ)』についてお話を伺いました。
舞台

古風な芸と品のある佇まいで、いま若手女形で一番の注目株。

古典の演目に現代的なセンスを加え、歌舞伎に馴染みのない人からも支持を得ているコクーン歌舞伎。この舞台に、いま若手女形のホープと称される中村梅枝さんが初お目見え。

「昨年、(中村)七之助の兄さんと舞台をご一緒した時に声を掛けていただいたのですが、正直、“僕でいいの?”と思いました。生のコクーン歌舞伎を拝見したことがなかったし、昔から古典にしか興味がなく、それしかやってきてないですし…」

そう言われて、だからこそ七之助さんは梅枝さんに白羽の矢を立てたのでは、とふと思う。

「自分に何が求められているのかはわかりませんが(笑)、ひと月の稽古だけではものにできないような作品ですから、昔の舞台映像などを観て先輩方の芝居を勉強しておき、臨もうと思っています」

上演される演目は、切れぬ縁に結ばれた与三郎とお富の運命的な恋を描く『切られの与三』。

「この作品に限らず古典歌舞伎が題材にしているのは、普遍的な愛だったり、人間の根本的なもの。時代は違えど共感できる箇所も多いはずです。これを機に少しでも古典に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」

あくまで基盤は古典にあるよう。

「歌舞伎も演劇ですから、共演者と役を作っていく工程や感情の込め方には、なんら変わりはないんですね。ただそこに、歌舞伎独特の肉体表現や演出などの表現方法が加わるんです。芝居により、時にその割合が半々になったり7対3になったりはしますけど。それに、継承されてきた型というのは、単なる決まり事ではなく意味がある。なぜここで一歩足を出すのか、なぜこういうセリフ回しをするのか…いろんな役を演じるうち、朧げながらですけれどそれがわかってきたところです。何百年もかけて築いた揺るがない土台があるからこそ、型通りに芝居するだけでなく、自分の感じたことや、経験から培った自分の解釈を加えたりという新しい挑戦もできる。だからこそ古典は大事だし面白いんです」

舞台

2014年に演じた「源氏店」のお富。写真提供:松竹

渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾『切られの与三(よさ)』 海辺で、すれ違いざまに、互いに一目惚れをした与三郎(七之助)とお富(梅枝)。しかし、お富は地元を仕切る親分の妾。やがてふたりの情事は露見し、与三郎は斬られるが…。5月9日(水)~31日(木) 渋谷・Bunkamura シアターコクーン 作/瀬川如皐「与話情浮名横櫛」より 補綴/木ノ下裕一 演出・美術/串田和美 出演/中村七之助、中村梅枝、中村萬太郎、笹野高史、片岡亀蔵、中村扇雀ほか 1等1万3500円~3等4000円ほか*税込み チケットホン松竹TEL:0570・000・489

なかむら・ばいし 1987年11月22日生まれ。中村時蔵さんの長男で、古風で落ち着いた佇まいを持つ女形として注目される。

※『anan』2018年5月2・9日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)


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