知らなきゃ恥ずかしい!?「明治・大正・昭和・平成」元号の由来~知らないようで実は知っている「元号の話」~

監修・東進ゼミナール 特進部 社会科 加藤晃 — 2019.3.31
新元号発表まであと1日、この平成の時代も、あとわずかとなりました。次の元号は何になるのだろう……なんていう会話もそこかしこで聞こえています。春の桜が咲き誇る季節に新しい元号に……考えるだけでワクワクしますね!

実は知っている「昔の元号」

タイトルにある「知らないようで実は知っている」って何?と思った方も多いと思います。たいていは「知っているようで知らない」ですよね。実は中学校の歴史の勉強で、みなさんは思っている以上に、「元号」について勉強しているんですよ。中には、「あれ、これ元号だったんだ!」なんてものもたくさん出てきます。江戸時代までで学習しているはずのものを並べてみます。実は、【  】内はすべて元号なんですよ!

(1)【大化】の改新
(2)【和銅】開珎
(3)【天平】文化
(4)【保元】の乱
(5)【平治】の乱
(6)【承久】の乱
(7)【貞永】式目(御成敗式目)
(8)【文永】の役
(9)【弘安】の役
(10)【永仁】の徳政令
(11)【建武】の新政
(12)【正長】の土一揆
(13)【応仁】の乱
(14)【文禄】の役
(15)【慶長】の役
(16)【慶安】の御触書(現在は江戸幕府ではなく、甲府藩が出したものと判明しています)
(17)【元禄】文化
(18)【享保】の改革
(19)【寛政】の改革
(20)【化政】文化(文化・文政年間に栄えた文化)
(21)【天保】の改革
(22)【安政】の大獄

どれくらい覚えていましたか? 聞いたことがあるものも多いと思います。「元号」って意外と勉強しているものなんです。ちなみに、近年の元号にはどんな意味があるのか、少し見てみましょう!

元号の意味

明治

五経の1つ『易経』にある、「聖人南面而聴天下、嚮(明)而(治)」「聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む」という文章に由来します。

時代の変わり目に、元号候補に挙がることは何度もあったものの、なかなか採用されず、11回目にしてようやく採用された“苦労人の元号”なのです。

大正

明治と同じく、五経の1つ『易経』にある、「(大)亨以(正)、天之道也」「大いに亨(とほ)りて以て正しきは、天の道なり」という文章に由来します。

元号候補に挙がり続け、5回目にしてこちらも元号として採用されました。ちなみに大正天皇語録によると、このときの元号候補は別に「天興」「興化」「永安」「乾徳」「昭徳」などがあったそうです。

昭和

四書五経の1つ『書経堯典』にある、「百姓(昭)明、協(和)萬邦」「百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す」という文章に由来し、「国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う」という意味をもつのです。

ちなみに江戸時代には全く同じ言葉から、「明和」の元号がつくられています。「百姓昭(明)、協(和)萬邦」ですね。

平成

『史記 五帝本紀』にある、「内(平)外(成)」「内平かに外成る」、『書経 偽古文尚書』にある、「地平天成」「地平かに天成る」という文章に由来し、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味をもつのです。

ちなみに「成」の字が元号に使用されたのは、平成が初めてです。元号に最も多く使われている漢字は「永」で、29回も使われています。「永」という漢字には、書に必要な8つの技法が含まれているということで、習字のお手本の字としても有名ですね。

これまでの元号の総数は、南朝年号・北朝年号を合わせて考えると247個、南朝年号を基準に考えると231個。すごく多いですよね。後花園天皇の時代は、1人で9回も元号を変えています。飽きっぽい性格だったのでしょうか(笑)。

現在の法律(元号法)では、新元号となるのは、今回のような“皇位継承”のときのみとされているので、今後、後花園天皇時代のように元号が頻繁に変わることはないでしょう。

東進ゼミナールに通う、この春中学3年生になる生徒数名に「これまでの元号、何個言える?」と質問したところ、最も少ない子で1個(平成だけでした……)、最も多い子で20個(歴女ですね!)でした。

皆さんはいくつ言えますか? 高校では今回ご紹介したものに加えて、「養老」律令、「承和」の変など、元号に絡んだ語句がさらに沢山出てきます。新元号となるこの機会に、歴史を振り返ると面白いかもしれません。


【協力】
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株式会社東進が37年間運営する老舗塾。生徒数約3,500人。昨今ではロンドンブーツ1号2号田村淳氏の青学受験をサポートしたことでも話題。

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