夏の疲れに“酢”です! 4つの効果的な摂り方とは?

2019.8.26
どの家にも1本はある、身近な「酢」。でも実は驚くべき効能を持つスーパー調味料…というのは意外と知られていない事実。管理栄養士の望月理恵子さんによると、「夏の疲れが溜まるこの時期に酢は最適の調味料」なのだそう。
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「注目したいのは、腸内環境を整え、体のめぐりを促進する酢のデトックス効果。酢の酢酸とクエン酸の疲労物質を減らす効果や脂肪を燃やす効果が全身のエネルギー代謝を助けます。また、酢の殺菌作用が腸内の悪玉菌を減らし腸の動きも活発にするので腸活にも。さらに食材のビタミンを守る作用もあるので、一緒に摂る食材の栄養吸収も促してくれます」

悪いものを体外に出し、必要な栄養素を取り入れる、まさに理想のスーパー調味料! 適量は毎日大さじ1~2杯だそう。ただ、その酸味やツンとくる香りが苦手で続かない…という声も。

「酢の酸っぱさは慣れて初めておいしく感じるもの。まずは身近に置くことから始めてみては」

と語るのは酢の案内人である“酢ムリエ(R)”の内堀光康さん。

「普段の料理に少し足してみるのはいかがでしょう。おすすめはスパイシーな料理との組み合わせ。酸辣湯やトムヤムクンの例もあるように、酢は辛味と出合うと『おいしい』に変わるんです。特にカレーに酢をかけると味にメリハリがついておいしいですよ。スパイスと酢の酸味で食が進み、夏バテ時の食欲増進にもなります」

最近は果実を発酵させたフルーツビネガーなど、まろやかな酢も登場。楽しみ方も広がっている。

「フルーツビネガーは果実の風味が活きたスイーツ感覚の酢。ヨーグルトソースとして、また炭酸で割ればヘルシーなジュースにも」

好きな種類の酢を、自分に合うスタイルで。酢のパワーを毎日の生活に取り入れよう。

酢のココがすごい!

疲労回復&スタミナを上げる!

疲れを溜めにくく燃やせる体作りにも酢が効く。「酢のクエン酸と酢酸には疲労物質の乳酸を分解して筋肉疲労の回復を早める効果も。酢酸には血行を促す効果もあるので、冷房冷えの対策にもいいですね」(望月さん)

腸のぜんどう運動を高めて、快腸に!

酢は理想的な腸活食材。「酢の有機酸が大腸を刺激してぜんどう運動を促すため、便秘解消に効果大。有機酸は腸内の善玉菌の餌になります。酢には悪玉菌を減らす殺菌作用もあるので腸内環境も改善します」(望月さん)

ミネラルとビタミンの吸収率をUP!

ミネラルやビタミンを守り、吸収効率を高める働きも。「特に紫外線ダメージを予防、改善するビタミンCは壊れやすい栄養素ですが、酢と一緒なら効率よく摂れます」(望月さん)。紫外線を受けた夏肌のリカバリーにも。

酢の効果的な摂り方。

取り入れ方のちょっとしたコツを知っておくだけで、酢を摂るハードルはぐんと下がります。この4つのルール&アイデアを身につけて、おいしく楽しいデトックス生活を。

1、効果的な分量の目安は1日大さじ1~2杯。

健康目的に摂るなら1日の適量は15~30cc、つまり大さじ1~2杯とハードルは低め。「ただし毎日摂って、体にリズムを作ることが大切。約1か月で効果を感じるという人が多いのですが、酢は酸が強いので胃の弱い人は薄めて摂るなどの工夫を」(望月さん)

2、種類豊富な酢を用途や目的別に使い分けて。

酢により味も栄養も様々。「万能なのは軽やかな穀物酢や米酢。より香り高く仕上げたいならワインビネガーを」(内堀さん)。栄養面で夏におすすめなのが黒酢。「抗酸化作用と疲れた体のエネルギーになるアミノ酸が豊富です」(望月さん)。用途別に使いこなして。

3、野菜をゆでる時に酢を加えて栄養キープ。

ビタミンを壊れにくくする働きを持つ酢。その効果を活用するなら、おすすめはゆで野菜。「野菜をゆでる時にお湯に一緒に入れれば、その野菜のビタミンを守る効果が期待できます」(望月さん)。小鍋1つに対し、酢は10ccほど。野菜を入れる時、一緒にお湯に加えて。

4、簡単で飲みやすいビネガーウォーターを毎日に取り入れる。

酢を日々摂る上で習慣にしたいのが、酢を水で割ったビネガーウォーター。「470ccの水に、酢とレモン汁を各15cc混ぜるだけ。酢のツンとした匂いが和らぎ、さわやかな酸味が広がります。唾液の分泌も促されるので風邪予防など体調管理に最適です」(内堀さん)

望月理恵子さん 管理栄養士。株式会社Luce(ルーチェ)代表。医学的根拠にもとづいた美容や健康知識を提案。著書に『管理栄養士と医師が認めた 疲れ即とり酢もやし健康法』(アスコム)ほか。

内堀光康さん 酢ムリエ(R)。酢の老舗・内堀醸造に生まれる。自ら開拓した新ジャンル・デザートビネガーの専門店『オークスハート』の代表として、また“酢ムリエ(R)”として酢の新たな楽しみ方を案内。

※『anan』2019年8月28日号より。写真・青木加代子 取材、文・大澤千穂

(by anan編集部)

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