縁起がいい! 食べれば「恋愛」成就が期待できるものって何?

2018.3.29
日本人は古くから食べものにさまざまな願いを込めてきました。いまも行事や祝いの席に伝わる縁起がいい食べものを年中行事に詳しい広田千悦子さんに、その謂われとともに伺いました。老舗や名店の逸品の情報もあわせてどうぞ。

勝ちを呼ぶ

戦国武将が戦いに向かう出陣の儀式で、勝利を願って口にしたのは、アワビと栗と昆布。“勝男武士”の字をあてたかつお節も、強い武士を思わせるとして、戦の縁起物だったという。粘り強い戦いを願う納豆は、近年のもの。

【蓮根】
“ん=運”がつくとして、正月料理に欠かせない蓮根。ぽつぽつと開いた穴から先が見えるその形が、見通しの良さに通じると、勝利を願う縁起物ともされた。

勝ちを呼ぶ

元祖 森からし蓮根
からし蓮根 1本¥1,080(税込み)~
からし蓮根は、和辛子を混ぜた麦味噌を、蓮根に詰めて揚げた熊本の郷土食。同店初代が、体の弱い殿様に献上したのがはじまりで、以後400年近く、その味を継承。●熊本県熊本市中央区新町2‐12‐32 TEL:096・351・0001 www.karashirenkon.co.jp/より取り寄せ可。

【栗】
栄養価の高い栗は、もともと縁起物。さらに干して臼で搗(か)ち、鬼皮と渋皮を除いた“搗ち栗”に、“勝ち栗”の字を当て、戦に欠かせないものとした。

勝ちを呼ぶ

比沙家
京やきぐり 500g¥2,000
自然の味と無添加無着色にこだわった専門店の焼き栗。じっくり蒸し上げた日本栗は、殻がほろっとはずれ、焼き芋を思わせるようなやわらかな食感と甘さ。●京都府京都市東山区清水2‐255 TEL:0120・689・890 https://kyo-yakiguri.com/より取り寄せ可。

大願成就(たいがんじょうじゅ)

蛤が有名だが、同じ二枚貝であるアサリやシジミも、恋愛成就を願う縁起物。また、学問の神様・菅原道真がその花を好んだことから、梅や梅干しは学問成就。実を結ぶという意味合いから、蓮や桃の実も成就を願う食べもの。

【蛤】
平安時代から伝わる遊び、貝合わせに使われてきた蛤は、縁結びの代表格。対になった貝殻でないとぴたりと合わないことから、男女和合の象徴といわれる。

大願成就

遠忠商店(えんちゅうしょうてん)
江戸前でぃ!(はまぐりの佃煮) 60g¥1,600
大正2年創業の佃煮屋が手がけるオーガニック商店から。選び抜いた調味料で釜焚きした千葉県富津沖で獲れた希少な蛤の佃煮は、小ぶりながら、貝そのものの味が濃厚。●東京都中央区日本橋蛎殻町1‐30‐10 TEL:03・6661・6021 enchu-food.comより取り寄せ可。

【餅】
皆で力を合わせて杵でつき、主食の米が強く結びついた餅は、成就の象徴。正月の鏡餅にはじまり、年中行事には欠かせない。黒豆入りで、さらに縁起良く。

大願成就

穂寿庵
丹波黒豆餅 6切れ350g¥972(税込み)
昔ながらの杵つき餅のおいしさにこだわる餅専門店の、丹波篠山産黒豆入り切り餅。宮城県産の特別栽培米とアルカリイオン水でついた餅はコシが強く、米の味がしっかりする。●東京都大田区南六郷2‐19‐4 TEL:03・3739・4520 www.hojuan.com/より取り寄せ可。

邪気祓(じゃきばら)い

香りのあるもの、赤い色をしたものは、古くから邪気を祓うとされてきた。体に取り入れるだけでなく、魔除けとして家に飾る風習も残る。“お腹の砂おろし”といわれ、体の中をきれいにするこんにゃくも、邪気を祓うもの。

【よもぎ】
お灸のもぐさをはじめ、太古の昔から薬草として使われてきたよもぎは、生命力があり、邪気を祓う香りも強い。団子や餅など、行事菓子にも欠かせない。

邪気祓い

半兵衛麩
よもぎ麩 130g¥440
京都で300年以上続く麩と湯葉の専門店による、国産よもぎを練り込んだ生麩。よもぎが爽やかに香るもちもちとした麩は、きなこをまぶしておやつにも。●京都府京都市東山区問屋町通五条下ル上人町433 TEL:0120・49・0008 www.hanbey.co.jp/より取り寄せ可。

【五穀】
五穀は、主食である穀物をさす。生きるうえでもっとも大切な主食。これを蒔き、その力を借りて邪気を祓い、場を清める風習は、海外にも見られるという。

邪気祓い

五穀屋
五穀せんべい 山むすび 2種10枚入り¥1,000
日本の伝統素材、五穀と発酵をテーマにした静岡発の和菓子ブランドの代表作。玄米は醤油で、七福米は塩で味付けした山形せんべいは、五穀がほどけるような軽い食感。●松屋銀座店/東京都中央区銀座3‐6‐1‐B1 TEL:0120・60・5678 gokokuya.jp/より取り寄せ可。

広田千悦子さん 日本の行事・歳時記研究家。築80年の日本家屋にて、凛とした和装で「しつらい教室」を開催するほか、文筆家として著書も多数。近著に『鳩居堂の歳時記』がある。

※『anan』2018年4月4日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・荻野玲子 取材、文・齋藤優子

(by anan編集部)


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