田代 わこ

【肉体美にうっとり♡】『ポンペイの壁画展』で古代都市を体感!

2016.5.20
日本とイタリアの国交150周年を記念して、イタリアから豪華な美術品が続々と来日している2016年。今度はポンペイから門外不出級の壁画がやってきました! 英雄のマッチョな肉体美や古代ローマの空間も楽しめる展覧会、『世界遺産 ポンペイの壁画展』をご紹介します。

奇跡の壁画も!『世界遺産 ポンペイの壁画展』

ポンペイ看板

【女子的アートナビ】vol.22

六本木ヒルズ52階、森アーツセンターギャラリーで開かれている日伊国交樹立150周年記念『世界遺産 ポンペイの壁画展』。本展では、18世紀に再発見されたポンペイ遺跡の出土品から、特に人気の高い壁画約80点を紹介。ほとんどイタリア国外から出たことがない “奇跡の壁画” も見ることができる注目の展覧会です。

ざっくり、ポンペイ

ヴェスヴィオ山 ©Regione Campania
ヴェスヴィオ山 ©Regione Campania

紀元後79年、ヴェスヴィオ山の噴火により一瞬にして火山灰に埋もれてしまった南イタリアの都市ポンペイ。1748年に発掘をはじめると、地中から古代ローマ時代の都市が出現しました。

ポンペイ ©Regione Campania
ポンペイ ©Regione Campania

神殿や浴場、劇場、闘技場など整備された街並みが現れ、個人の屋敷からは美しい壁画や装飾、彫刻などが出土。時を止めた古代都市は、1997年に『ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの遺跡地域』として世界遺産に登録されました。

女子にオススメの一枚はコレ!

この展覧会では、美しい壁画が数多く展示されていますが、なかでもオススメしたい作品は、第3章にある《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》。

《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》はポスターにも使われています!
《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》はポスターにも使われています!

特に、画面右側で後ろ向きに立っている英雄ヘラクレスの肉体美はぜひご覧ください! 筋肉質の頼もしい背中、色っぽいヒップ、たくましく鍛えられた腕と脚、それに意外とかわいいフェイス♡ 今の時代に見てもドキドキするような男性像が約2000年前に描かれていたなんて、すごいです。

ヘラクレス様の顔を模写♡(イラスト:田代わこ)
ヘラクレス様の顔を模写♡(イラスト:田代わこ)

この壁画が見つかったのは、ポンペイとともに火山噴火で埋もれた町、エルコラーノ。ローマ皇帝をたたえるための特別な場所『アウグステウム』に飾られていたもので、保存状態もよく、絵画的にもかなりレベルが高いのだとか。まさに “奇跡の壁画” です。

ちょっとだけ、ギリシャ神話

上記の壁画は、ヘラクレスが息子テレフォスを奇跡的に発見した瞬間を描いたもの。作品画面左下のほうで牝鹿の乳を飲んでいるのがテレフォスです。

ポンペイ説明図

テレフォスは、英雄ヘラクレスと、アルカディア地方の王女アウゲの息子。アウゲは酔っぱらったヘラクレスに襲われて身ごもりテレフォスを出産。赤ん坊は山に捨てられ、牝鹿の乳で育てられていたところ、偶然通りかかった父ヘラクレスに発見された、というストーリーです。

古代のセレブなローマ人たちにとって、ギリシャ文化は身につけたい教養のひとつ。ギリシャ神話をテーマにした壁画を家に飾ることが、ステイタスシンボルにもなっていたそうです。

神話のストーリーはややこしく、なかなか覚えられないのですが、少しでも知っているとアートを見るときにさらに楽しめますよね。とりあえず、今回のヘラクレスとテレフォスの話は覚えました~♪

古代都市を体感!

古代のローマ人たちは、建物の壁面を装飾し、部屋全体の雰囲気を楽しんでいたそうです。本展では、2000年前の空間を立体展示で再構成した部屋もあり、古代都市にタイムスリップした気分も味わえます。

六本木ヒルズの52階で古代都市を体感できるなんて、めったにないチャンスかも。ぜひ一度、のぞいてみては?

Information

会期:~ 7月3日(日)※会期中無休
時間:10:00 ~ 20:00(火曜日は17:00まで)※入館は閉館の30分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー
料金:一般 1,600円/大学生・高校生 1,300円/小・中学生 600円

http://www.tokyo-np.co.jp/pompei/