ゲームが面白くなくなった時期も!? ボドカ「好きなことをどう長く続けられるか考える」

2022.2.5
青く赤い炎を燃やす、ゲームを愛する開拓者。ゲーム実況で人気のボドカさんとは?

ボドカ/Riddle‐ゲーム実況/チャンネル登録者数 65.6万人

・初めてやったゲームは?/父親と一緒に遊んだPSの『仮面ライダー』
・一番熱中したゲームは?/FPSのルーツになった『CoD:MW2』
・時代の流れを読む秘訣は?/10代の友人たちと会話すること
・キレ芸がバズったのは?/『荒野行動』のユーザーによりミーム化されたため
・1日のゲーム時間は?/6~7時間

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結果を出しながら、一歩ずつ進んできた。
饒舌かつ爽やかなトークに始まり、興奮したときには「大概にSayよ!」を発動。全身全霊をかけてゲームに向き合うボドカさんの姿には、いつも魅了される。『CoD』や『フォートナイト』などのバトルロイヤルゲームを得意とし、eスポーツチーム〈リドル〉の代表として若い配信者たちを率いてもいる。知性溢れるYouTuberのゲーマー人生は、注文間違いのワリオから始まった。

「クリスマスに“マリオください”ってお願いしたら、間違ってワリオが来たんですよ。『ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝』。“パチもんやんけ!”って愕然としました。遊びましたけど」

小学校は私立校だったので、ゲームの貸し借りも放課後に遊ぶこともできなかった。小4になると中学受験の準備のため、ゲーム禁止に。受験が終わると即PSPの『モンハン2nd』に熱中した。

「僕のルーツでもあるFPSとの出合いは中学2年生のとき。受験をしない弟は『CoD』のモダン・ウォーフェアを買ってもらえたので、僕もこっそりストーリーモードをやってたんですよ。続編の『2』が発売されたときにオンラインがあると知って、自分でWi‐Fiを繋いでやり始めました」

中学も塾で縛られ、反抗期も重なり鬱憤が爆発。学校から呼び出しを受けて親も理解し、ゲームが解禁された。強くなりすぎて、友達に「お前とやるとおもんない」と言われ、ネットで仲間を探した。実況は、ニコニコ動画よりYouTubeのほうが好きだった。

「グーグルに買収される前のYouTubeは、インディーズの空気感があったんです。海外の動画ばかりアップされていて、『CoD』の好プレー集もかっこよく編集されていた。ニコ動はルームランナーで走りながらゲームするような、ネタ動画ばかり。僕はYouTubeのマネをしたかった」

2012年に初めて『CoD』のプレイ動画を公開した。親のパソコンにお年玉で買ったキャプチャーボードを取り付け、海外の動画を参考にセッティング。当時は投稿者も少なく、すぐ500回再生、1000回再生を達成できた。

「最初は英語でタイトルを付けてたんですけど、登録者数を伸ばすのが楽しくなってきて、ダサいけど日本語のタイトルを付けてみたんです。そうしたら再生数が4倍くらい違って。そんなときに友達が“YouTubeに動画上げたら儲かったわ~”って言ってて、“そんな儲かんの?”って。そこから収益化を考え始めました」

高校3年の秋に声付きの動画を上げ、大学入学直前には収益が発生。AO入試を敢行して上京し、ひとり暮らしを始めた。すでに月約3万円の広告収入があったから、バイトよりYouTubeに力を入れたほうがいいと判断。友達もほぼ作らず、大学生活は実況に専念した。製薬会社に就職したものの、最初から辞めるつもりだった。

「時代の流れ的に、いま顔出しして、YouTuberとして覚悟を決めなかったらヤバいなと思ったんです。両親は心配したけど、大学1年の終わりにはそれなりに生きていける感じやったし」

登録者数は順調に伸びたが、日々の投稿に疲れを感じ、ゲームが面白くなくなった時期も。

「楽しいことがやりたいのに本末転倒やなと思って、好きなときに上げることにしたんです。代わりにブランディングやコラボとか、幅広く考えるようになりました」

自分が束ねる〈リドル〉は、2020年にプロ化した。

「メンバーはみんな年下。それぞれチャンネルを持ってるんで、アドバイスはしてます。数字がバーッと伸びると収益も付いてくる。やらしい話でもなんでもなく、それは自分のためなんです」

長くゲームを続けていくには、お金も必要だ。だからボドカさんは自立の大切さを訴える。

「稼ぐためにビジネス展開をする、みたいな意識はないです。あくまで好きなことを、どう長く続けられるか考えているだけ。楽しくゲームをしたいだけなんです」

大切なゲーム

『Call of Duty:Modern Warfare 2』

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Infinity Ward社が開発したFPSゲーム。ロシア超国家主義者たちによる国際テロを防ぐべく、世界中の特殊部隊が団結し“タスクフォース141”を結成。2009年発売。
画像はPlayStation 4版『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 2 キャンペーンリマスタード』
©2009, 2020 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY and MODERN WARFARE are trademarks of Activision Publishing, Inc. Contains the campaign mode from the original Call of Duty(R): Modern Warfare(R) 2 only; Multiplayer and cooperative modes are not included.

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ボドカ 1996年、兵庫県生まれ。2012年にYouTubeに動画をアップし始め、’14年にチャンネルを開設。eスポーツチーム「RIDDLE」のオーナー。過去に何度かグッズを手掛けており、展開を検討中。撮影場所であるボルトルームとも親交が深い。
◎登録者数は1月20日現在

※『anan』2022年2月9日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) 取材、文・飯田ネオ

(by anan編集部)