田代 わこ

官能アート♡ イタリア名画の祭典!『ティツィアーノとヴェネツィア派展』

2017.1.27
上野の東京都美術館でスタートした『ティツィアーノとヴェネツィア派展』。高尚な響きのあるタイトルですが、実はちょっとエッチな作品もあって、オトナな楽しみ方もできるのです。イタリアから届いた美しく官能的なアートの世界、プレス内覧会の写真とともに詳しくご紹介します!

『ティツィアーノとヴェネツィア派展』とは?

【女子的アートナビ】vol. 53

本展は、16世紀のイタリアで活躍した巨匠、ティツィアーノに焦点をあてた日本で初めての大規模展覧会です。初期の代表作をはじめとした名画が集まり、さらにはヴェネツィア派と呼ばれる同時代の画家たちとその作品も紹介。ウフィツィ美術館などイタリア屈指の美術館から70点近い絵画や版画が集まる、ゴージャスな展覧会です。

ざっくりティツィアーノ

1488-90年頃、名家に生まれたティツィアーノ・ヴェチェッリオは、ヴェネツィアの画家、ベッリーニの工房で修業します。とある聖堂の主祭壇画を手がけたことで有名になり、その後は宗教画や神話画、肖像画などを次々と制作。売り込みもうまかったようで、ヨーロッパ各地の王侯貴族から注文を受けるようになり、さらには権力者からも気に入られ、ローマ教皇の肖像画も手がけました。ヴェネツィアを中心に活動し、88歳頃に亡くなったそうです。

まずは、美しい代表作から!

本展のイチオシは、1515年頃に描かれた初期の代表作《フローラ》。とにかく美しいので、まずは何も考えずに絵をじっくり見るのがオススメ。

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全体を鑑賞したら、次は細部をチェック。右手にバラやジャスミンの花束を持っているので、この女性はローマ神話に出てくる花の女神フローラといわれています。手に持つ花々は愛や結婚を意味し、薬指には指輪もはめられていることから、この絵は花嫁や結婚の寓意像という見方もあるそうです。

内覧会では、本展の監修者でベルガモ大学教授のジョヴァンニ・カルロ・フェデリコ・ヴィッラさんによる作品解説もありました。そのお話しによると、《フローラ》は最も多くの人に模写された絵のひとつで、後の時代の画家たち、例えばルーベンスやベラスケス、マネやモネにも影響を与えたそうです。

モデルは愛人?!

そして、オトナ女子に強くオススメしたい絵が、《ダナエ》です。神話好きの人なら、タイトルでピンとくるかもしれませんが、まずは先入観をもたず作品をチェック。

ティツィアーノ展

裸で横たわっている女性が、うっとりとした表情で目の前にあるキラキラした空間を見つめています。いったい何をしていると思いますか? 

この絵は、神話に基づいて描かれたもので、女性はアルゴスの王女ダナエ。娘の子から殺されるとの予言をうけた父親によって塔の中に閉じ込められています。

ダナエの美しさにひかれた主神ユピテルは、なんとか彼女とコトに及ぼうと黄金の雨に変身。そして彼女と交わってしまいます。神話の世界って無茶なことをしますよね。ともあれ、この絵はダナエと雨に扮したユピテルがからみあう官能的な場面を描いていたのです。

しかも、ダナエの顔は、絵の注文主である枢機卿の愛人をモデルにしているとのこと。裸婦を描くための口実として、神話が利用されていたんですね。

フローラちゃんがいっぱい!

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展覧会最後のお楽しみ、ミュージアムショップには、《フローラ》の関連グッズがいっぱいあります。特にオリジナルチョコレート(税込1,300円)やクッキー(税込1,700円)は、イタリアの会社とコラボした限定商品なので、今ここでしか買えません! パッケージもかわいいので、バレンタインギフトにいいかも。展覧会は4月2日まで。

※内覧会で撮影した作品写真の掲載は、展覧会期間中のみとなっています。

Information

会期:~ 4月2日(日)※休室日は月曜日(ただし、3月20日、27日は開室)、3月21日(火)
時間:9:30 ~ 17:30(金曜日は20:00まで) ※入室は閉室の30分前まで
会場:東京都美術館 企画展示室
料金:一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1,000円/中学生以下無料

http://titian2017.jp