田代 わこ

【危険な男にドキドキ】世界初公開作品も登場!『カラヴァッジョ展』上野でスタート

2016.3.17
上野の国立西洋美術館で『カラヴァッジョ展』がはじまりました。世界でもっとも愛されているイタリアの天才画家、カラヴァッジョ。破滅型の人生を送ったことでも知られる彼の貴重な作品が、現在上野に集結! 危険すぎる男の絵にドキドキしてみませんか?

超必見!『カラヴァッジョ展』

カラヴァッジョ 入口

【女子的アートナビ】vol.12

日伊国交樹立150周年記念イベントのひとつとして開かれている本展では、イタリアの主要な美術館からカラヴァッジョの名画11点が来日。これだけの作品が集まるのは、日本はもちろん世界でも珍しいとのこと。しかも、本展では日本初公開作品2点に加え、世界初公開の作品まで登場! 超必見の展覧会です。

日本初公開!

カラヴァッジョ 《女占い師》 1597 年頃 ローマ、カピトリーノ絵画館
©Archivio Fotografico dei Musei Capitolini
カラヴァッジョ 《女占い師》 1597 年頃 ローマ、カピトリーノ絵画館 ©Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

会場入口を入ってすぐの場所に展示されているのが、《女占い師》。女性が若者の手相を見るふりをしながら、指輪を抜き取ろうとしている瞬間を描写しています。背景は描かれず、指輪が盗み取られる場面にだけスポットを当てた劇的な構図。まるで映画のワンシーンを見ているようです。

カラヴァッジョ《バッカス》1597-98年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館
カラヴァッジョ《バッカス》1597-98年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館

また、《バッカス》も日本初公開。色っぽい青年が、衣服を半分脱いだ状態でワイングラスをこちらに差し向けています。なんとも挑発的なポーズの本作品は、カラヴァッジョの初期作。この青年の顔がちょっとニガテ……とも思いますが、果物やガラス瓶などの写実的な描写は見ごたえ抜群です。

世界初公開!!

カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》1606年 個人蔵
カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》1606年 個人蔵

世界の美術ファンが注目している世界初公開作品が《法悦のマグダラのマリア》。日本でこれほど貴重な作品が見られるなんて、感激です!
本作品は、カラヴァッジョ自身が死ぬ間際に持っていた3作品のうちのひとつといわれています。女性の透き通るような肌、インパクトのある表情、深い闇の中から浮かび上がる姿など、画家独特の作風が随所に見られます。

危険すぎる男

作者不詳 《カラヴァッジョの肖像》 1617 年頃 ローマ、サン・ルカ国立アカデミー Roma,Accademia Nazionale di San Luca
作者不詳 《カラヴァッジョの肖像》 1617 年頃 ローマ、サン・ルカ国立アカデミー Roma,Accademia Nazionale di San Luca

本名ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571~1610)は、光と影を使った臨場感あふれる絵を描き、美術界に大きな足跡を残した大画家です。しかし、その人生はかなり破滅的。20代で画家として頭角を現しますが、喧嘩っ早い性格で暴力事件を起こして何度も逮捕・投獄され、ついには殺人を犯して逃亡。各地を転々としながら逃げ続け、38歳の若さで亡くなりました。

巡礼の旅!

カラヴァッジョ本

数年前、美術史家の宮下規久朗先生が出されている『カラヴァッジョ巡礼』を読み、天才画家のドラマティックな画風と人生にすっかりハマった私。彼の作品を制覇しようと、イタリアを巡りました。本場で目にした絵画はどれも感動モノ! でも、必死にイタリア各地を巡って見てきた作品の多くが、今、まとめて上野で見られます……。

左、カラヴァッジョ《トカゲに噛まれる少年》1596-97年頃 フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団
左、カラヴァッジョ《トカゲに噛まれる少年》1596-97年頃 フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団

日本にいながら、これだけの作品を見られるのですから、行かないなんてモッタイナイ! かなりオススメの展覧会、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Information

会期:~ 6月12日(日)※休館日は月曜日(ただし、3月21日、3月28日、5月2日は開館)、3月22日(火)
時間:9:30 ~ 17:30(金曜日 9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで
会場:国立西洋美術館
料金:当日一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 800円/中学生以下無料

http://caravaggio.jp