「平和で穏やかだった」関係が一転…“夫婦経営”の短所と長所

2019.9.3
互いの個性がパズルのピースのようにぴたりとはまり、大きなシナジーを生む「奇跡のコンビ」。一緒に長い時間を過ごし、本気でぶつかり合い、困難を乗り越えることで、ふたりの絆はより強いものに…! 文化交流スペース「東京おかっぱちゃんハウス」を経営するふたりにこれまでの軌跡を伺いました。
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イラストレーターのBoojilさんと夫の伊藤篤志さんは、約10年の友人期間を経て恋人になり、そして結婚。2人の子どもにも恵まれた。現在は、文化交流スペース「東京おかっぱちゃんハウス」を一緒に切り盛りしている。

金融系のサラリーマンだった伊藤さんは、仕事で体調を崩し、4年ほど前に退職。Boojilさんは既に東京おかっぱちゃんハウスを始めており、「せっかく“箱”があるのだから」と、昔から好きだったアートやカルチャーのイベントを企画するようになった。それを機に、「平和で穏やかだった」ふたりの関係は一転。毎日のように、ケンカを繰り返したそう。

「それまで自分に向いていない仕事をしていたこともあり、表現者として生きる彼女に憧れに近い気持ちがあって。でも夫婦ゆえに対等でいたい気持ちもぬぐえず、自分の意見を押し通そうとしてぶつかっていたんです」(伊藤さん)

「こんなに頑固な人だったのかと、ある意味発見でした(笑)。彼は私がイラストの仕事を始めたときから応援し続けてくれた人。『今度は私が応援を』と思いながら、仕事なので譲れないことも多く、言い合いになって。いつもどちらかが折れて、バランスをとってきました」(Boojilさん)

夫婦で自営する大変さを感じる一方、メリットもたくさんあった。ひとりでは回しきれなかったイベント運営がスムーズになり、また、育児と家事をシェアできたことで、Boojilさんはイラストの仕事を続けることができた。そして何より、伊藤さんが毎日いきいきと仕事をしているのが「一番よかった」と、Boojilさん。

「もともとここは、私が『人と人をつなげたい』という思いで作った場所。その思いを彼が、自分の好きなアートを生かして叶えようとしているのが、なんだか嬉しいんです。私たちは友達のときから持ちつ持たれつで歩んできました。この先もお互いやりたいことが叶うように、支え合ってやっていけたらと思ってます」

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東京おかっぱちゃんハウス 東京・練馬にある敷地100坪の古民家で、作家の展示やミュージシャンのライブなどを企画。レンタルスペースとしても利用できる。okappachan.com/

※『anan』2019年9月4日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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