ONEW初のジャパンソロツアーが終幕! 万感の想いを歌に乗せて「ここに、おかえり」。

写真・田中聖太郎 取材、文・尹秀姫 — 2022.9.23
ONEW初のジャパンソロツアーが2022年9月11日、東京・代々木第一体育館で終幕を迎えた。7月8日の日本武道館を皮切りに、大阪、名古屋、福岡など4都市6公演をめぐった「ONEW Japan 1st Concert Tour 2022 ~Life goes on~」は全席ソールドアウトの盛況ぶり。その人気を受けて9月10日、11日の追加公演が決定し、2か月に渡るジャパンツアーのフィナーレを飾ることとなった。

思い出に満ちた場所、代々木第一体育館に「ただいま!」


s220910-01597_Re_s_撮影:田中聖太郎

窓から陽の光が差し込むようなやわらかな照明の中、ONEWがステージに登場すると、「夜明けの世界」からライブはスタート。「指先の震えだって生きてる証さ」と歌うONEWは、ツアー初日に見せた緊張もほぐれた様子で、客席のSHINee WORLD(SHINeeのファンの名称)を愛おしそうに眺めながら大きな会場を包み込むように歌声を響かせる。

スタンドマイクで歌う「One the way」まで続けて2曲披露したところで、「みなさん、ただいま! ONEWです!」と挨拶。「今日は緊張じゃなくて、みなさんの前で本当にいい姿を見せるために…って、それが緊張かな?」と笑顔を見せつつ、長いようで短かったツアーが今日で最後を迎えることに感慨深げ。代々木第一体育館は、SHINeeが日本で初めてライブを披露した場所で、ONEWにとってもSHINee WORLDにとっても思い出深い会場。「みなさんのおかげで追加公演が決まって、こんなに大きな場所に一人で立つことができて本当にうれしいです」と、あらためて想いを口にした。


s220910-02082_s_撮影:田中聖太郎

アコースティックギターとONEWの歌声というシンプルな構成から始まる「Life is…」、そしてピアノとストリングスの美しい響きの中、「ここにおかえり」と締めくくられる「Lighthouse」を歌い終えると、ONEWの万感の想いを受け取った客席からはまたしても惜しみない拍手が。「ああ、どうしよう…。足に力が入らない、泣いちゃうかも」と、ONEWの頬を涙がつたう。「いつもみなさんに幸せになってほしいから、そのために僕が努力しますと言ってきましたけど、今の状況はみなさんに(幸せを)もらったと思います」と話しながら涙が止まらなくなるONEWを、客席は声を上げずに拍手ではげました。

「次の曲はみなさんを想像しながら作詞した曲です」と歌った「In the whale」と続く「Love Phobia」ではスクリーンに日本語歌詞を映し出し、韓国語曲の世界観を共有。「Beauty」ではシャンデリアが煌くゴージャスな雰囲気の中で、そしてパリのカフェで繰り広げられる恋模様を描いたミュージカルのような「Sign」まで、曲調もテーマも異なる曲を歌声ひとつで見事に表現し、シンガーとしてのONEWの懐の深さを感じさせた。


s220910-04128_Re_s_撮影:田中聖太郎

真っ青な王子さまルックに着替えて再びステージに登場したONEWは、「鱗(うろこ)」と「やさしいキスをして」とカバー2曲を披露し、衣装について「空みたいに青いでしょう?」と満足げ。その後はファンからのリクエストに応えて、3曲をアカペラで歌ってくれた。そのうちの「거리마다 (Your Scent)」は今まで一度も公式の場で歌ったことがなく、これが初公開。歌い終わって「この曲を歌わなかったのはたぶん難しかったからかも(笑)」と笑顔を見せた。「Shine On You」、そしてSHINeeの曲から、SHINee WORLDとの絆を象徴する歌でもある「Diamond Sky」を披露した。


s220910-04289_Re_s_撮影:田中聖太郎

「みなさんが僕のすべてです」と言って歌ったMISIAの「Everything」、ヘッドセットを使って歌い踊る「Sunshine」まで歌ったところで、話題はアルバム『Life goes on』の話に。今回のアルバムは、「みなさんがいつどんな時でも、少しでもたくさんでも、幸せであったらいいと思う」という想いを込めたそう。

以前、ananwebのインタビューでも語ってくれたように、今のONEWには「幸せであること」がとても大切なテーマになっていることが、アルバムだけでなく今回のツアーを通しても感じられる。そしてその幸せを一緒に作り上げることができるのがライブなのだということも。

「僕が考えるに、ライブは自分だけ一生懸命がんばっても作れないステージだと思います。みなさんと一緒に作っていくものだから。周りのスタッフさん、バンドのみなさんもストリングスのみなさんもダンサーのみなさんも一緒に、ここで今日、一緒に作るというのがライブの第一の意味だと思います」と言って、次の曲「Life goes on」では「みなさんとサビのところで一緒に踊りたいです」と、振り付けをダンサーとともに解説。ONEWの熱心な教えのおかげで、本番では客席が見事な一体感を見せ、「じゃあまたね!」と笑顔を残して本編は終了。


s220910-08225_Re_s_撮影:田中聖太郎

アンコールでは、フロントにダイスがデザインされたホテルマンのようなピンクの衣装をまとって登場。韓国の最新曲「DICE」ではキレキレのダンスを披露し、続くSHINeeメドレーではさらに激しく踊り続け、終わる頃にはステージに座り込むほど。しばらく息をするだけという時間が続き、「こんなライブは初めてでしょう?」と客席に問いかける一幕も。

「今朝は8時くらいに起きたので、今日とは別の日ですね」と笑いながら紹介した「遅く起きた朝に」、そしてツアー最終日の2日前に公開したばかりの「Dance Whole Day」はライブでみんなと盛り上がるためにと「2週間前にレコーディングした」と明かして、トロッコに乗り込み大きな会場をぐるりと巡る。2・3階席や後方の席まで目を合わせ、手を振り、声を届けようとするONEWの姿勢は、これまでの長いキャリアの中で育まれたファンとの絆を感じさせた。

「まるでみなさんみたいな曲です」と紹介して歌った小田和正さんのカバー曲「キラキラ」では、「約束する」という歌詞のところで小指を見せ、ステージを左右に駆けて、客席に向かって手を振り続け、ツアー最後の曲を噛みしめるように歌っていた姿が印象的。ラストはONEWのジャンプで曲を締め、満面の笑顔を見せた。

この日はツアーファイナルということもあり、バンドメンバーとダンサー陣からもツアーの感想が語られ、会場からあたたかい拍手が贈られた。最後にはダンサー、バンドのみなさんと一列になって最後の挨拶を済ませた後、退場するみんなをステージに残って見送ると、「じゃあまたね!」とイヤモニを外し、名残を惜しむように会場の拍手に聞き入ってステージを去っていった。


s220910-01131_s_撮影:田中聖太郎

ONEW(オンユ)
1989年12月14日生まれ。韓国の人気グループSHINeeのリーダーでありメインボーカル。包み込むように柔らかく伸びのある歌声の持ち主。

Information

https://shinee.jp/

ONEW、9月11日に東京・代々木第一体育館で迎えた初のジャパンソロツアー最終公演の様子をご紹介。


s220910-01597_Re_s_撮影:田中聖太郎

s220910-02082_s_撮影:田中聖太郎

s220910-04128_Re_s_撮影:田中聖太郎

s220910-04289_Re_s_撮影:田中聖太郎

s220910-08225_Re_s_撮影:田中聖太郎

s220910-01131_s_撮影:田中聖太郎

s220910-01117_s_撮影:田中聖太郎

s220910-02292_Re_s_撮影:田中聖太郎