パン&麺中心の食事、やる気がでない…「どんどん老化する人」の特徴と対策
5歳老けると言われる夏を乗り切る老化対策
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 279
汗をたくさんかいたり、プールやジムなどで体を動かしたあとなど、ふと鏡を見るとこんなにシミや毛穴、シワ、たるみがあったかな? とびっくりすることはないでしょうか。
夏は、紫外線や皮脂分泌が増えること、日焼け止めの刺激、エアコンによる乾燥などの影響もあり、お肌のコンディションがいまいちと感じるタイミングが増えてしまうもの。夏が終わると5歳老けると言われているほどです。とくにこの時期は、光老化に加え、食習慣の変化による老化要因も重なることが多いです。
とはいえ、夏を乗り越えるたびに老け顔を加速させてしまうのは嫌ですよね。ということで、今週はお肌の老化の対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、お肌の老化対策となる食薬習慣
ものすごく暑い日もあれば、気圧の変化とともに強い雨の日もあり、夏は1年の中でも最も過ごしづらい時期だと思います。日本の夏は、年々過酷に変化していますよね。そんな過ごしづらい環境下ではありますが、エアコンが効いた涼しい部屋の中から夏を感じようと、窓際で過ごすこともあるかもしれません。また、過酷な環境の中、だるくなったり、何でも面倒になったり、食欲がなくなったりすることで食事のバランスが乱れることも多いと思います。
私たちのお肌は、年齢による自然な老化よりも紫外線による光老化のほうが、お肌の老化の原因の8割を占めると言われています。特に紫外線の中でも窓際や車の中、涼しげなカーテン越しにでも浴びてしまうUV-Aが真皮のコラーゲンやエラスチンへ影響を与え、シワやたるみの原因となってしまいます。きちんと対策できていないと、今年の夏もしっかり老化を加速させることになってしまいます。
漢方医学では、体質を診断するときに望診といって見た目から読み取ることがありますが、老け顔の印象であるシワやたるみ、くすみ、シミ、毛穴などが目立っている状態を『腎虚』と表現することがあります。そこで今週は、老け顔対策として『腎』の働きを助ける抗酸化食材や抗糖化食材を取り入れることがおすすめです。
今週食べるとよい食材は、【トマトとバジルの玉子とじ】です。そして逆にNG習慣は、老化を促す【糖質の多い食べ物】です。
食薬ごはん【トマトとバジルの玉子とじ】
抗酸化作用が高く、『腎』のダメージを軽減するトマトやバジルなどの色や香りに特徴のある食材を取り入れるのがおすすめです。さらに、だるさを軽減するために豚肉や玉子でしっかり栄養補給をしていきます。
<材料>2人分
豚肉 100g(一口大)
トマト 1個(スライス)
溶き玉子 2個
みりん 小さじ1
醤油 小さじ2
水 大さじ2
塩胡椒 お好みで
バジル 2つかみ
<作り方>
※クッキングシートを使うと便利。
①溶き卵に醤油とみりん、水を入れ混ぜる。
②フライパンにクッキングシートを敷いて、豚肉を炒め、その上にスライストマトを並べ、①を流し込み、蓋をして玉子が固まったら、バジルをたっぷりかけ完成。
NG行動【糖質の多い食べ物の摂りすぎ】
食事のバランスが乱れるときに必ずと言っていいほどボリュームが増えるものが糖質ではないでしょうか。そうめんやラーメン、うどん、焼きそば、蕎麦、パスタなどの麺類、菓子パンやサンドウィッチ、総菜パンなど手軽なものを食べる機会が増えてはいませんか? 糖質過多になると、体内で糖質はたんぱく質と結びつき、老化の原因物質であるAGEsを作り出してしまいます。AGEsは、固く、褐色になる性質をもっています。その結果、くすみやシワの原因となってしまうのです。こうして夏の老化は、どんどん加速してしまいます。
今何をするかで、今後のお肌の状態は変わっていきます。今年の夏も後半戦ですが、老け込まないように油断せずに過ごしていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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©優香 熊谷/Adobe Stock