唐揚げ大好き、デスクワークが多い…「お尻の黒ずみ、お尻ニキビができやすい人」の特徴と対策 #212

文・大久保愛 — 2023.5.3 — Page 1/2
GWは温泉でのんびり…という人もいると思いますが、お尻のケアは大丈夫ですか? 中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、さまざまな原因により、お尻の黒ずみやニキビに悩んでいる人が意外といるのだとか。愛先生がNG習慣と対処法を教えてくれます。

お尻、荒れていませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 212


5月がスタートし、過ごしやすい気候と休日の始まりに心休まる時間が増えた人は、多いのではないでしょうか。GWに向けてさまざまな締め切りが押し寄せて多忙な毎日を過ごしていた人、本当にお疲れさまでした。そして、いっぱいいっぱいだった4月がすぎ、晴れ晴れとした気分で自分へのご褒美の時間を満喫してる人も多いことでしょう。なかには、温泉に出かけたり、新しい洋服を買ったり、エステでゆっくりすることもあるかもしれません。

そんなときに密かに気になるポイントといえば、お尻のニキビや黒ずみではないでしょうか。意外とコンプレックスに感じている人は多いようです。複合的な要因によってできてしまうものなので、清潔にしていてもニキビが繰り返してできてしてしまうこともあるので、厄介な存在ですよね。ということで、長期休暇で開放的な気分に浸ることのできる今週は、お尻の黒ずみやお尻ニキビに悩む人におすすめな食薬習慣を紹介していきます。

今週は、お尻の黒ずみ・お尻ニキビで困ったときの食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
息をつく間もなく走り抜けてきた4月が過ぎ、ちょっと時間ができると自分磨きをしたくなることはないでしょうか。コスメやダイエット系のYouTubeを見たり、基礎化粧品や下着などを買い替えてみたり、今まで忙しくてできなかった部分に目を向けられるようになりますよね。そしてこの時期、長時間のデスクワークや生活リズムの乱れなどが続いた結果、湧いてくる悩みの一つとしてお尻の質感があります。

お尻は、汗や皮脂の分泌が多い部分ですが、そんなお尻には常に下着に触れていたり、デスクワークが多かったりすることで摩擦刺激をうけたり、プラスチックの椅子などに上半身の重みがすべて乗ることで通気性の悪い環境になったり、女性の場合にはナプキンで湿気がこもったりすることもあります。そんな環境の中、皮脂分泌が増えたり、ターンオーバーが乱れてしまうと肌がガサガサになって黒ずんだり、毛穴が詰まってアクネ菌が繁殖することでニキビができてしまったりします。

そこで、睡眠やストレス、食事などの見直しを行うことで、ホルモン分泌やターンオーバーを整えたり、クッションに座ったり、ショーツの素材を気にしたり、皮脂や汚れを洗い流したり、保湿したりすることが大切なケアとなります。

近年、美尻といえば筋トレをイメージする機会が増えましたが、お尻がすべすべでで黒ずみのない状態であることも注目すべきポイントだと思います。とくにお尻ニキビが赤く腫れて痛みを感じたり、膿が生じてしまっている場合には、今すぐできることを何でも試したい気持ちになりますよね。ということで、食薬習慣としてできることをご紹介します。

まず、漢方ではターンオーバーが整えるためには『気・血・水』を補うことが必要です。そして、炎症や酸化作用のある『湿熱』の元となるものを摂らないようにすることと、『湿熱』を取り除くものを摂ることが必要となります。そこで今週食べるとよい食薬は、『気・血・水』を補い『湿熱』を取り除く【チンゲン菜とツナの小鉢】です。そして、逆にNG行動は【唐揚げの食べすぎ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:チンゲン菜とツナの小鉢】

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チンゲン菜にはβカロテン、ビタミンCなど美肌に必要な栄養素が含まれています。また、老廃物や炎症の解消に役立つイソチオシアネートや腸から整える食物繊維なども豊富な特徴もあり、『湿熱』の除去に役立ちます。また、意外と食べ応えもあり、香り高く満足感も得られます。

そして、そこにお肌のターンオーバーに欠かせないタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ『気・血・水』を補うツナ缶を合わせた、肌トラブル対策レシピがおすすめです。お肌に対して外側からのケアだけに注目していて、栄養状態に目を向けられていない人は、便秘していないか、野菜は足りているか、タンパク質は足りているか考えてみましょう。

<材料>
チンゲン菜      1株(一口大に切る)
お酢         大さじ1
ツナ缶        1個

<作り方>
すべての材料をポリ袋に入れ、1分半くらいレンジでチンしたら完成。

NG行動【唐揚げの食べすぎ】

コンビニでも手軽に手に入る唐揚げです。タンパク質も摂取できるし、おやつや小腹がすいた時に食べる習慣がついている人も多いかもしれません。

油には、炎症を悪化させてしまうオメガ6脂肪酸と炎症を抑えるオメガ3脂肪酸があります。残念ながら、唐揚げなど揚げ物に多く含まれる油は、オメガ6脂肪酸なので、赤みや腫れ、痛みを感じるニキビに悩む人は控えめにすることが望ましいです。

また、脂質の代謝にビタミンB2が消費されますが、ビタミンB2の不足は肌の状態を脂性に導く可能性があるため注意です。肌トラブル全般に言えますが、美肌を目指したいときには油の質を見直すようにしましょう。

お尻ニキビやお尻の黒ずみには、複数の原因が隠されていることがあると考えられますが、その原因の一つの改善策として今回の食薬を活用いただけたらと思います。ただ、食事には即効性がないので、中長期的に油の質の見直しやターンオーバーを整えたり、抗炎症を促す食材とりいれ、カラダのメンテナンスを続けていくことも大切です。

ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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