自律神経の乱れを整える! 「月経時のだるさも軽減する」簡単なコツ #168

文・大久保愛 — 2022.7.8
異常な暑さがひと段落したとはいえ、蒸し暑い日は続いています。そこに月経が重なれば、カラダのだるさをより感じる人は多いでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経を整え、だるさや疲労感など月経時の不調を防ぐ簡単な方法を教えてくれます。

最近、月経時のだるさが酷くありませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 168


最近、グッスリ眠れていますか? 朝スッキリしていますか? 日中元気に活動できていますか?

もし、毎日疲れが上乗せされ続けている気がするという場合には、寝室の湿度を気にしてみてください。日本の夏は、どうしても湿度が高くなりがちです。気温がそれほど高くなくとも、湿度が高ければ体感温度が上がってしまいます。いくら部屋の温度を調整しても嫌な感じがする人は、湿度が高いかもしれません。

夏は、睡眠時に室温が26度前後、湿度が60%前後に保たれていることが理想です。もし、7月に入りダラダラ過ごす時間が増え、ダメ人間のようになっている人がいたら、湿度や温度を測定して管理してみましょうね。

そして、基本的に女性が1か月のうちにだるくなりやすいのは、「血」が不足しやすい月経中です。そのため、今月は月経時にだるさをいつも以上に感じてしまっている人も多いのではないでしょうか。自然界、女性ホルモンの2つの影響により、体調は悪化傾向です。そこで、今週は月経中のだるさを軽減する食薬習慣を紹介します。

今週は、月経中のだるさを軽減する食薬習慣

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暑かったり、雨が降ったり、少し気温が落ち着いたり、最近の天気は私たちの気分と同じようにコロコロ変わりますね。気候の変化は自律神経に影響するので、気分が気候に合わせてコロコロ変わるのは仕方ないことではあります。

ですが、だるい、眠い、やる気がでない、集中力がでない、動きがスローになるなどの状況は、生活に支障を少しずつきたしていきますよね。疲労感と同時に、効率が悪い行動が続くとやるべきことも積み重なっていき、気分は滅入ってしまいますね。

これを漢方では、エネルギー不足の「気虚」自律神経が乱れる「気滞」だるさを感じる「痰湿」などと表現します。さらに、女性の場合には月経が重なると、心と体の安定に働く「血」が不足してしまい、状況はどんどんと悪化していく一方。そうならないためにも、「気血」を補い、巡りの改善をしてだるさから解放されましょう。今週食べるよい食材・メニューは、【ココナッツオイルチョコレート】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ココナッツオイルチョコレート】

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作り方を紹介します。まずココナッツオイルを常温に置いておきます。今の季節だとココナッツオイルは常温で液化します。そこに、ピュアココアとオリゴ糖や蜂蜜をお好みで加え、よく混ぜ保存容器や製氷機に入れ、冷蔵庫で冷やします。1時間くらいすると固まってチョコレートのようになっています。

【ココナッツオイル】

ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が多く含まれています。中鎖脂肪酸はエネルギー効率がよく、だるい、疲れなどの「気」が不足しているときの即戦力になってくれます。さらに、抗菌作用が高く、腸内環境を整えるためにも役立ち「痰湿」を取り除くためにも役立ちます。

【ココア】

強い抗酸化作用、血行促進作用、抗菌作用、血糖値の上昇を抑える作用、リラックス作用などがあり、巡りの改善にも役立ちます。さらに、マグネシウムや鉄、亜鉛などミネラルも豊富で「血」を補う働きも。

疲れた時に、チョコレートを食べたら元気になるというのは、とっても嬉しいことです。しかも、面倒な手作りチョコレートが、ココナッツオイルを使うと非常に簡単に作れてしまいます。最近、本調子じゃないなと感じている人は、ぜひお試しくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。


Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


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