低気圧で頭痛やめまいを感じる人へ! 「自律神経の乱れを整える」簡単な方法 #150

文・大久保愛 — 2022.3.4
頭が何となく痛くなると「明日は雨かも」と思う人は一定数いるでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、低気圧が近づくと不調になりやすい人は、血液やリンパの流れが悪かったり、水分代謝が良くなかったり、自律神経が乱れていたりする場合が多いそう。そこで、愛先生がこれらを改善し不調を軽減する方法を教えてくれます!

低気圧が近づくと不調になっていませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 150


春らしい日が続いたと思ったら、週末には低気圧が発達し、冬型の気圧配置となる予想です。また、真冬のような寒さに逆戻りし、雪や雨が降る地域も出てくることだと思います。今月はずっとこんな感じの気候の変化を繰り返しすぎていくと思いますが、そうすると困るのが低気圧で毎回不調を感じているタイプの人たちではないでしょうか。

低気圧が訪れると、頭痛やだるさ、めまい、むくみ、耳鳴り、憂うつな気分になるなどの不快症状を感じやすくなることがあります。春というと、生活環境の変わり目でもあり、明るい気分で前のステージから次へと移り替わり、元気に新しい環境へと適応していきたいところですよね。そこで、今週は季節の変わり目の低気圧による不調を軽減する食薬習慣を紹介します。

今週は、低気圧による不調を軽減する食薬習慣

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ようやく暖かくなったのに週末にはまたもや低気圧が徐々に発達することで、冬型の気圧配置となり荒れ模様の空へと変化してしまうことでしょう。ただ、今月末には桜が開花する地域もあり、あと一歩で春へたどり着きそうな心弾むときでもあります。

そんな今の時期を元気に過ごすためには、低気圧に動じにくい体づくりが必要となると思います。漢方では、気圧の変化に体調が乱されやすい人は、肩から首、耳周辺までのリンパや血液の巡りが悪かったり、水分代謝の悪かったりする傾向があるとされています。

これを『気滞血瘀』や『痰湿』などと呼び、三半規管が弱かったり、自律神経が乱れやすいと考えます。そこで、『気滞』・『瘀血』・『痰湿』の改善に役立つ食薬がおすすめです。今週は食べるとよい食材・メニューは、【アボカドとグレープフルーツのサラダ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:アボカドとグレープフルーツのサラダ】

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作り方は、アボカドをスライスして、グレープフルーツは一口大にカットし、皿に盛り付けます。塩少々とオリーブオイルとお酢を全体にかけたら完成。

【アボカド】

ギネスに認定されるほど栄養が豊富なアボカドには、血流を促し『瘀血』の改善に役立つビタミンEや代謝を促すビタミンB群、『痰湿』の除去に役立つカリウムをはじめとしたミネラルや食物繊維などが豊富に含まれています。

【グレープフルーツ】

食欲を抑えたり、リラックス作用のある香り成分が『気滞』の改善に役立ちます。代謝を促すクエン酸や余分な水分の排泄に役立つカリウムなども含まれます。また、薄皮ごと使うことで食物繊維もとることができるため急な血糖値の上昇を抑えたり、便通を促すことができ『痰湿』の除去に働きます。

水分代謝が悪かったり、自律神経が乱れがちな人は、気圧の変化が大きいとき小さな不調がでてきやすくなります。低気圧の予報を見たら一度今回紹介したサラダを食べてみたり、いつもより少し早く寝るようにしてみたり、足のマッサージをしたり、ストレッチをしたり、巡りを改善するようなことを試してみて下さい。その中で、自分にとってどんな方法がベストなのかを低気圧のたびに検証し、少しずつ自分の体質を変えていけるのが理想です。

気候の変動が多いシーズンほど検証のタイミングは多く体質改善に向いていると言えます。まずは、何か行動してみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


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