お腹の張りがラクになる…! 「胃腸を整えガス溜まりを解消する」意外な方法 #110
食べ過ぎてお腹が張っていませんか。
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 110
最近、コンビニやスーパーで美味しい冷凍食品やレトルトなどの商品がすごく増えて話題になっていますよね。美味しくてつい毎日レトルトのパスタソースや冷凍チャーハンを食べてしまったり、まとめ買いしてドカ食いしてしまうという話はよく耳にします。そういった糖分や脂質、塩分多めで野菜少なめの偏食を続けているとなるのが、便秘や下腹部にたまったお肉、そしてお腹の中にたまるガスではないでしょうか。
美味しい物って食べ過ぎてしまうし、お腹や腰回りを立派に育てますよね。何事も節度が大事です。夏を目前に太りたくないですし、太っていなくてもお腹がガスでパンパンになってしまうのも残念です。
浮き輪のようについてしまうぜい肉は、どうしても食事と運動のバランスを見直すことが必須になってしまいますが、お腹の中のガスや便の状態は食事の内容をちょっと工夫するだけでも改善につながることがあります。そこで、今週はガス溜まりを改善する食薬習慣を紹介します。
今週は、ガス溜まりを改善する食薬習慣
土日も連休もいつだって家の中で食事を繰り返すことが当たり前のようになってきましたよね。そうなると、私たちは少しでもラクをしようと考えます。以前と比べ冷凍食品やお惣菜、レトルト、スナック菓子、パン、唐揚げなどの加工食品が増えてはいないでしょうか。
そして、それに伴い野菜や海藻などの繊維質の量が減ってはいないでしょうか。カロリー、糖質、塩分の摂取量が増え、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が減りがちな質的な栄養失調になってしまう場合があります。
その結果、疲れやすく、気力がなくなり、末端が冷えやすく、代謝が落ち太りやすくなります。加工食品を食べ過ぎたら、栄養を考えた食事もとるようにするなどプラスマイナスゼロになるようにコントロールすることが大切です。
そして、次に気になるのが、お腹のガスや便の状態です。加工食品は腸内で悪玉菌の餌となり腸内環境を乱すことが多いです。すると、お腹の中にパンパンにガスや便がたまってしまいます。これを漢方では「気滞」や「痰湿」がたまっていると表現します。
そこで、今週は「気滞・痰湿」を解消し、胃腸の働きを助けながらガス溜まりを改善する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【カブのピクルス】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:カブのピクルス】
カブとカブの葉っぱを使ってピクルスを作ってみましょう。プラスしてミニトマトやオクラ、キュウリなどの夏野菜を使うと体にこもった熱を取り除き、低気圧からくるむくみや頭痛などの不調などの対策にもなります。そして、ピクルスにはフェンネルシードをちょい足ししてみましょう。そのまま、食べてしまってもほんのり甘い味がして美味しいです。よくインド料理屋さんなどで口直しにでてきますよね。
【カブ】
カブや大根には、胃腸の働きを助ける酵素ジアスターゼが含まれています。なので、食べ過ぎ、加工食品の頻度増加などで胃腸が疲れている人におすすめです。また、カブや大根はアブラナ科の野菜で、イソチオシアネートを含むため抗菌作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗糖化作用なども期待でき、老化防止、感染症予防、夏風邪対策などにも役立ちます。
【フェンネルシード】
漢方では、「ウイキョウ」とよばれ、「気滞」の解消に役立つとされ、ガス溜まり、食べ過ぎ、飲みすぎ、ストレスからくる喉のつっかえ、腹痛などの改善に使われています。また、冷えやむくみ、ダルさの改善に役立つので、梅雨時にエアコンに負けて不調を感じる人にもおすすめです。
1リットルの水に大さじ1のフェンネルシードを入れて一晩置いておくと胃腸、口臭、デトックスに役立つデトックスウォーターが完成します。ぜひ、体が重だるくお腹がポンポンの時の水分補給にお試しください。ほかにも腸活のためのレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
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