ダイエットにも!…「つい食べちゃう」が減る簡単なコツ #101

文・大久保愛 — 2021.3.25
今年2021年の春は、気温の上下や生活の変化に加えて、長期化するコロナ禍もあり、例年にも増してストレスを感じている人が多いよう。そのはけ口として、食に走っていませんか。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、ストレス食いを軽減する簡単な方法をお伝えします。半袖になる季節はもうすぐそこ! 必見です。

ストレスで食べすぎていませんか。

ダイエット 食べ過ぎ ストレス

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 101


暖かい日が続き、桜が満開を迎える地域が続々と増えていきますよね。ただ、これから低気圧と高気圧が交互に通過し、週末には全国的に春の嵐がやってくる予報となっています。せっかく満開になった桜が早くも散ってしまわないか心配ですが、儚いことも桜の魅力のひとつでもあるので、外出する際には、1本でも多くの桜を見つけて春を感じたいですね。

そして、緊急事態宣言は全国的に解除されましたが、未だ油断できずコロナ関連のニュースは絶えません。長期化するコロナ禍ではストレスを感じ過食に走る人が増えているそうです。春は1年の中でもイライラしやすくストレスを抱えやすい時期とされているため、普通でもストレス食いが増えてしまうので食欲が止められないことがあっても仕方のないことかもしれません。

ただ、そのままでは太ったり、生活習慣病になったりしてしまいますよね。そこで、今週はストレス食いを軽減する食薬習慣を紹介します。

今週は、ストレス食いを軽減する食薬習慣

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暖かく桜が舞う心地よい気候とは裏腹に、心の底にはメラメラ、悶々とさまざまな感情が渦巻いている人も多いのではないでしょうか。漢方で考えると春は、ストレスを感じやすい臓器「肝」にダメージを受けやすくイライラしたり落ち込んだりと感情的になりやすいときと言われています。

春は「木の芽時」ともいわれ、昔から季節柄感情を抑えられなくなっていることがわかりますよね。さらに、今年は長期化する自粛生活によりさらにストレスが加わり、余計に顕著に感じてしまう人も多いかもしれません。

とくに女性の場合は、毎月生理があるため、定期的にホルモンの変動があったり、貧血ぎみになったりすることがあるため「血虚」という体質になり余計に感情的になりやすいのです。そこで、今週はストレスに強くなるために「肝」の働きを助け「血」を補う食薬習慣を紹介します。食べると良い食材・メニューは、【鶏肉の香草焼き】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:鶏肉の香草焼き】

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鶏肉にローズマリー、ブラックペッパー、オレガノなど好きなハーブ、塩、オリーブオイルをまぶして1時間くらい漬け込み、たっぷりのニンニクと鷹の爪を軽くオリーブオイルで炒めて、漬け込んだお肉を焼いたら完成です。仕上げにレモン汁をたっぷりかけるとさらに「肝」の「気」の巡りを改善しストレス緩和に役立つのでおすすめです。

鶏肉

感情的になりやすいときを漢方では「血虚」と判断します。そして、「血虚」がひどいと過食になりやすいとされています。このときに「血」を補う優秀な食材が鶏肉です。お肉の中でも高タンパク低脂質で胃腸への負担も少ないです。

さらに、抗酸化作用の高いビタミンAも多く含むため、美容にもおすすめなお肉です。部位はなるべく脂身の少ない物がよいです。オリーブオイルに漬けて下処理するとささ身を使ってもしっとりしますよ。ちなみにオリーブオイルは胃もたれのしづらい油と言われています。

香草

香り高いことが特徴なのが香草ですよね。香草の香り成分は、ファイトケミカルといって抗酸化作用が高い特徴があります。そして、漢方では「肝」の働きを助け「気」の巡りを改善しストレスを軽減するといわれています。ローズマリー、オレガノ、バジル、タイム、ローリエなどお好みの香草を常備し、ストレスが多いときに使ってみましょう。

始まりはストレス食いであったとしても、食べ癖はなかなか抜けません。いずれストレスがなくても食べるようになってしまいます。これから徐々に温かくなりいずれ、薄着の季節がやってくるので二の腕や腰回りにいつまでもお肉をまとっていてはだらしない印象になってしまいます。

人は短期間で習慣を変えることができません。体の中からストレスを軽減するように栄養を補い、常に体と心のコントロールができるようにしておきましょう。ほかにもストレスを軽減するレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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