幸せのチョコドリンク?…ココアにプラス!「 幸せホルモンが増える 」簡単レシピ #95

文・大久保愛 — 2021.2.12
コロナ禍になりはや一年。いい加減飽きたし、疲れを感じている人が多いでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、コロナ疲れの人に、幸せを取り戻せる簡単な方法を教えてくれました。最近、心から笑えていないなら、ぜひチェックしてみてください。もっと生きやすくなるはずです!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 95

コロナ疲れのあなた、幸せを取り返しましょう!

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そろそろコロナ疲れを感じている人は増えてきていると思います。予想がつかない未来が続くことや、思ったように行動できないことが続くと私たちはすごくストレスを感じます。自粛はいつまで続くのかと口に出し始めて、もう1年も経ちますよね。

突然ですが、最近幸せだなと思った時はありますか? 最後に心から楽しいな、面白いなと思いっきり笑ったのはいつですか? よく考えると幸せを感じる回数が減ってはいないでしょうか。

新型コロナウイルスが流行するなかでも、私たちの限られた人生の時間は刻一刻と進んでいきます。あっという間に無駄な時間が流れてしまい、疲れやネガティブなものに意識をフォーカスさせる癖がついていたら注意です! そこで、今週はあなたの幸せ取り返しましょう。コロナ疲れでどんよりしてしまっている人のための食薬習慣を紹介します。

今週は、コロナ疲れから救われる食薬習慣

今週末にはバレンタインがありますが、皆さん予定はありますか? バレンタインに関係ない人もイメージ的に2月14日はプレゼントをあげたり、もらったり、とっておきのチョコレートを買ったり、お菓子を手作りしてみたりと楽しいイメージのある日ですよね。

ただ、なんだかここ一年暗いニュースばかりで気分が落ち込んだり、イライラしやすくなったり、不安になりやすかったり、いつもの自分より楽しくない、幸せを感じる能力が低下していると感じたりしていませんか。

とはいえ、気候的にも季節の変わり目は気持ちが不安定になりやすいものです。テレワークなど今までよりも自由なライフスタイルにストレスが加わり、好きなだけ甘いものを食べ、食事が減ってしまうということもよく耳にします。

このような状態を漢方では、『血虚』とよびます。幸せホルモンと呼ばれる“セロトニン”が不足し、心のコントロールがうまくできなくなっているかもしれません。そこで、今週はバレンタインにちなんで、カカオを使った食薬習慣を紹介します。今週食べるとよいのは、【ピュアココア×オイル】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材:ピュアココア×オイル】

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チョコレートもココアも同じカカオから作られています。そして、カカオには体によい栄養がいっぱい含まれています。ココアは、カカオマスから油分であるカカオバターを減らしたものなので、水分に溶けやすくなりドリンクとしていただくことができます。

また、体に良いのはチョコレートもココアもノンシュガーになりますが、ノンシュガーのチョコレートを購入したり、おいしくアレンジしたりするよりも、ピュアココアを購入して日常に取り入れたほうが簡単だと思います。そこで、今週はピュアココアを健康的にアレンジする方法を紹介します。

ピュアココア

一番の特徴は、テオブロミンが含まれることです。テオブロミンは、幸せホルモンであるセロトニンに作用しリラックスしやすくしたり、集中力や記憶力を高める働きがあると言われています。

あとは、腸内環境を整えることも幸せホルモンであるセロトニンの分泌に関係しますが、腸内環境を整える不溶性食物繊維であるリグニンも豊富に含まれています。そのほか、抗酸化作用の高いカカオポリフェノールやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。

ただ、ミルクココアなどは糖分を含むため、ピュアココアを選び、オリゴ糖や蜂蜜や甘酒などで甘味を付けたり豆乳でクリーミーにするのが健康的な飲み方です。

オリーブオイル・MCTオイル

ココアアレンジにおすすめ 1.オリーブオイル
オリーブオイルには保温性があるため、お腹が冷えて胃腸の働きが低下しやすい冬にはおすすめです。手作りホットココアに一回しエクストラバージンオリーブオイルをかけてみましょう。

ココアアレンジにおすすめ 2.MCTオイル
MCTオイルは中鎖脂肪酸のことで、バターコーヒーなども流行りましたが、ココアとも相性が良いです。中鎖脂肪酸を多く含むオイルには他にココナッツオイルもあります。ココナッツの風味が好きな人は、ココナッツオイルをオンするのもおすすめです。

MCTオイルは、すぐにエネルギーとなりやすく、またエネルギー代謝を活性化させるため、食事誘発性熱産生を高めると言われています。そして腹持ちが良いのも良いところです。溶かしたココナッツオイルかMCTオイルと同量のココアパウダーと、オリゴ糖か蜂蜜などの甘味をお好みで加え、好きな型に流して冷蔵庫で冷やすと口どけの良い手作りチョコレートができますよ。

せっかくのワクワクするイベントのひとつであるバレンタインは、手作りドリンクやチョコレートを健康的に作って、コロナ疲れを吹き飛ばし幸せな気分になってみてはいかがでしょうか。ほかにも心を整えるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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