今こそ不安を和らげる…即試したい「メンタルと免疫を支える」簡単習慣 #90

文・大久保愛 — 2021.1.7
新年早々、1都3県に再び緊急事態宣言が出て、心がざわついている人も多いでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、不安感を和らげ免疫をサポートする方法をお伝えします。心の安定が保たれ、健やかな日々を送れますように。

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 90

不安感が増していませんか?

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新しい一年が始まりましたが、1都3県では緊急事態宣言も発令され2021年は不安な形でスタートを切りました。早く収束することを祈るばかりです。さらには、7日から9日にかけて急速に低気圧が発達し、冬型の気圧配置による影響で日本各地で大雪、暴風雪など交通障害が出るほどの大荒れの天気になると予測されています。不安感は増していく一方、気圧と気温は低下していきます。

緊急事態であり、寒さもあり外に出る時間も減りがちになりますよね。そうすると、免疫力を維持するために必要なビタミンDは日光により生成されるので、欠乏することになると思います。さらに正月ボケにステイホームが続き、体内時計も狂い、運動不足になり、ストレスと低気圧から自律神経が乱れ、心とカラダにとって健やかに過ごし続けることは難しい新春となりました。

これからは自分で考えて決断し、臨機応変に行動することが大切な時代になってきています。ただ、今、これらの影響で自律神経を乱している人は正常な判断がしづらく、普段より感情的になりやすくなっているのではないでしょうか。そこで今週は、不安を和らげながら免疫をサポートする食薬習慣を紹介していきます。

今週は、不安感を和らげながら免疫をサポートする食薬習慣

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今年は、正月らしくない正月を過ごした人が多かったのではないでしょうか。帰省することもできずに、初めて実家へ顔を出さずに家にこもったまま過ごしたという話をよく耳にします。また毎年、海外などに旅行をして盛大に新年を祝っていた人は、正月感がなかったと思います。

普通の週末のように過ごし、正月ボケなどのメンタルへのダメージを感じることのない年明けとなったと思いきや、いつもと違って緊急事態宣言の発令がメンタルへのダメージとつながることとなりました。そこに、7日からの低気圧や寒さが後押しをして自律神経を乱したり、体調を崩したりと心身ともに与える不調を感じる人が増えることだと思います。

漢方では、この状態を『気血両虚』と表します。そこで今週は『気血』を補う食薬習慣を紹介します。食べると良い食材・メニューは、【キクラゲと干しエビの玉子炒め】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:キクラゲとエビの玉子炒め】

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中華風の玉子炒めといえば、キクラゲやトマトやエビなどを思い浮かべますよね。これを全部入れてしまう料理がおすすめです。エビは冷凍でも干しエビでもなんでも、少し入るとうまみが増しますよね。玉子、キクラゲ、エビ、トマトの組み合わせは、美味しくないはずがない組み合わせだと思います。しかも、今の時期必要な栄養素がすべて補える美味しいメニューであるのもうれしいですよね。

キクラゲ

キクラゲは、乾物で保存がきく食材で調理するにも面倒なことはありません。日の入りが早い季節は常備するべき食材と言えます。免疫のサポートに欠かせないビタミンD、腸管免疫を整える食物繊維が同時に摂れるので便利です。防御機能である『気』と腸を潤す『水』を補うことができます。

エビ

エビは、フレッシュでも干しエビでも冷凍でも大丈夫です。意外と身近な食材ですよね。アミノ酸がバランス良く含まれ、低脂質なエビは弱った体にもダメージなく摂り入れることができます。不安感や気分の落ち込み、イライラ、不眠などの症状の緩和に役立つ『血』を補うことができる食材です。

新年から免疫力に対する不安を感じている人は、ぜひとりいれてみてくださいね。そのほか、免疫やメンタルを支えるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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