いつも年末年始に太ってない?…「むくみや体重増加を防ぐ」簡単習慣 #89

文・大久保愛 — 2020.12.30
大変だった2020年も、もうすぐ終わり。事態はなかなか落ち着きませんが、2021年は個人レベルで幸先のいいスタートをしたいものです。そこで、この時期に増える悩みのひとつ、正月太りやむくみに注目。漢方薬剤師の大久保愛先生が、簡単にクリアできるコツをお伝えします。新年はスッキリボディで過ごしましょう!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 89

正月太りやむくみが気になりませんか?

ダイエット むくみ 正月太り 漢方 食薬

今年も残りわずかです。今週は、大晦日に新年と気分的に慌ただしさを感じますよね。一年の疲れを癒すために、柚子風呂などにつかって体をあたため、栄養たっぷりのご飯を食べて、ぐっすり寝て自分へのご褒美のような時間を過ごすことができたらいいですね。2020年は激動の年となりましたが、2021年は気持ちを新たに、今日よりも明日と少しずつ明るい出来事が増えていくことを願うばかりです。

さて、今週は食べて飲んで体を動かさない人が増えると思いますが、そうなると気になるのがむくみではないでしょうか。夕方は足がむくみ、朝には顔や手がむくみ…食べ過ぎて太ったときには、脂肪ではなくむくみであることを願い…全身の肥大が気になりますよね。そこで、今週は正月太り&むくみなどを軽減するための食薬習慣を紹介します。

今週は、正月太り&むくみ対策のための食薬習慣

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仕事納め、年末の大掃除、お正月の準備など今年やるべきことをすべて済ませちょっとホッとしている人も多いと思います。そして、大晦日にはごちそうを食べお酒を飲み、お蕎麦を食べお腹いっぱいで年越しをするのが例年のパターンという方も多いのではないでしょうか。

ちょっと夜更ししがちな年末年始ですが、元旦には朝からお節や郷土料理やお餅などを食べながら、早々とお酒を飲み始め、ゴロゴロと過ごし新年の抱負を語りあったりして、いつもと違った時の流れを楽しむことができますよね。

ただ、気になるのが体の重さ、むくみ、胃腸の疲れではないでしょうか。漢方では、むくみやダルさを『腎虚』や『痰湿』がたまると言います。そこで、今週は『腎』の働きを助け、『痰湿』を取り除く食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材は、【梅干しと大根おろし】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材:梅干しと大根おろし】

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梅干しと大根おろしといえば、食卓の名脇役ですよね。お鍋のポン酢に入れたり、納豆にのせたり、ジャコとあえたり、焼き魚に添えたりとバリエーションは豊富ですね。胃腸が疲れ始め、体が膨張し始めダルさを感じる人は、この名脇役2つを使ってみてくださいね。

梅干し

梅干しは摂りすぎはNGですが、適度にとるとむくみ、食べ疲れ対策になります。梅干しに含まれる酸っぱい成分であるクエン酸が、老廃物の排泄やエネルギー代謝の活性化に働くことでむくみやダルさ対策になります。また、消化の働きを促す働きもあるため食べ疲れを感じやすい年末年始に適しています。梅干しは、『腎』をサポートし、『痰湿』を取り除く食材です。

大根おろし

大根には、むくみを改善するカリウム、消化を促すジアスターゼが含まれるため、暴飲暴食によるむくみ、胃腸の疲れの改善に役立ちます。また、大根おろしに含まれる辛み成分には、イソチオシアネートという抗菌作用、抗炎症作用、抗酸化作用などをもつ物質も含まれます。大根おろしは、体にたまった余分な『湿熱』の排泄に役立つのです。

新年から重だるさを感じる人は、薬味に梅干しや大根おろしをチョイスしてみましょう。とくに、大根おろしは、辛みの強いおろしたての大根おろしが効果的です。そのほか、消化を助けたり、代謝を上げるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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