たっぷりかけても罪悪感なし! 豆腐×アマニ油の「マヨネーズそっくりさん」 #84

文・大久保愛 — 2020.11.26
空気が乾燥するにつれて、肌荒れに悩む人は増えますが、今年はマスク生活も加わってより多くの人が肌トラブルを抱えているようです。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、いまの時期にしたい簡単ケアをお伝えします。マスクで隠してもっと肌がガサガサ、ブツブツなんていう悪循環を断ち切りましょう!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 84

お肌の乾燥やマスク荒れ、気になりませんか?

朝晩の冷え込みを強く感じるようになりましたね。手先、足先が冷たくなったり、顔や指先、かかとやスネなどがカサカサと乾燥肌が気になり始めたりすることもあると思います。ハンドクリームやリップクリームなどの乾燥対策が欠かせない季節がやってきました。

特に今年はマスク荒れも加わり、肌トラブルに悩む人は例年よりも増えていることだと思います。逆にマスクで隠せるので便利ですが、いつまでも治らない肌荒れに秋冬の乾燥肌が加わり、ブツブツしたりかゆみを感じたりと悪化することもあると思います。そこで、今週は乾燥肌、マスク荒れなどの肌トラブルのための食薬習慣を紹介します。

今週は、乾燥肌、マスク荒れのための食薬習慣

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寒くなると乾燥した空気と共に、気になるのがお肌の乾燥ですよね。毎年指先やかかとにひびが入ったり、腕やスネに粉がふいたり、唇の皮がめくれたりと肌トラブルに悩む人は多いと思います。ただ幸いなことに今年は、顔の肌トラブルはマスクで隠すことができるのでちょっとホッとしますよね。しかし、そのマスクでさらに例年は起こっていなかった肌荒れを感じることもあるかもしれません。

漢方では秋の特徴として、お肌、粘膜、腸内など乾燥が進む『肺陰虚』になりやすいと言われています。そして、『陰虚』の性質で、ブツブツしたりかゆみが出たりと炎症として『熱』がこもりやすくなるとされています。そこで、今週は、『肺』に『陰』を補い、炎症を鎮める食薬習慣を紹介します。食べると良いのは、【豆腐のベジネーズ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよいメニュー:豆腐のベジネーズ】

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マヨネーズが大好きな人って多いですよね。ただ、サラダなどにつけて食べるとき、ついマヨネーズをかけすぎてしまうことってないでしょうか。そんなマヨ好きの人は、豆腐とアマニ油という最強タッグでマヨネーズのそっくりさんを作ると、たっぷり食べても体によいドレッシングに早変わりします。

しかも、材料のうち固形物は豆腐だけなので、ミキサーなどを使わなくても袋の中で潰したり、スプーンで潰したりして簡単に作ることができます。

食薬レシピ

お酢     大さじ1
豆腐     半丁
味噌     大さじ2
アマニ油   大さじ4

全てをペースト状になるように混ぜたらマヨネーズそっくりのベジネーズの完成です。白練りゴマをプラスすると酸味が抑えられコクがでてマイルドな仕上がりになります。オイルは肌荒れ・アレルギーなどにはアマニ油、ダイエット中はMCTオイルがおすすめですが、普段使いとしてオリーブオイルを使っても良いと思います。

食べるとよい食材:豆腐

薬膳的には、肌荒れなどの炎症を抑え、潤いである『陰』を補うと言われています。栄養素としてもタンパク質、ビタミンB群、カルシウム、イソフラボン、サポニン、コリンなどが含まれ栄養価が高い食材でありながらも、非常に消化吸収がよい特徴もあります。この時期だと温かい湯豆腐もおすすめです。

食べると良い食材:アマニ油

アマニ油には必須脂肪酸のひとつであるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれます。オメガ3脂肪酸が不足すると乾燥肌やアレルギーなどの原因となります。ただ、オメガ3脂肪酸は、青魚に多く含まれるので、日頃から肉食に偏っている人は特に意識しないと不足しがちな栄養素です。また必須脂肪酸のひとつなので、お肌をきれいに保つ以外にも全身の健康にも関係するので意識的にとるようにしましょう。

ドレッシングは、体に良いか悪いのか、いまいちわからないものが多い印象があります。なので、ドレッシングは自家製にするのがおすすめです。どんなドレッシングを作るにも工程は基本的に材料を混ぜるだけです。一度、家庭のドレッシングを見直してみてはいかがでしょうか。

今回紹介したベジネーズをはじめとしたさまざまなドレッシングの作り方は『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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