今、メンタル不調が急増!?…アソコのケアで改善! 試したい簡単テク #83

文・大久保愛 — 2020.11.19
コロナ禍で心身の不調を訴える人が増えているようです。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、メンタル改善には腸のケアが重要なのだそう。そこで、大久保先生が、体と心が軽くなる簡単な腸活をお伝えします。みなさんが、日々の暮らしで小さな幸せを感じられますように。

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 83

心と体、重だるくありませんか?

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最近、Go To トラベルやGo To Eatが広まるなか、外出する人と自粛する人の差が大きくひらいたように感じます。とくに今まで通りステイホームを続けている人にとっては、かなりストレスに感じる部分も多いのではないでしょうか。

さまざまな感情が飛び交うここ最近ですが、自律神経の乱れからなのか、生活習慣の変化からなのか、メンタルが安定せず平穏に過ごすことのできない人が多いと思います。そんなときには、腸からデトックスするのがおすすめです。

心と体に重だるさを感じたときには、食べ物から栄養と老廃物を仕分けしながらもメンタルの安定に重要な働きをする腸をデトックスしてあげることが有効です。そこで今週は、腸からデトックスして心と体を軽くする食薬習慣を紹介します。

今週は、心と体を軽くする食薬習慣

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新型コロナウイルス感染者の増加に関する話題がニュースとなっていますが、いつ聞いても憂うつな気分になりますよね。ただ、もともと日照時間が日に日に短くなる今の季節は、体の仕組みとして少しナイーブになりやすくなるとも言えます。毎日どんより過ごしている人は、デトックスすると、小さな幸せを感じ易くなったり、嫌なできごとも気にならなくなるかもしれません。こんな時こそ体の中から変えていきましょう。

日が短く、寒く、乾燥して、ウイルスなどの感染症が流行する先の見えない毎日ですが、少しでも明るく、身近な出来事でちょっとウキウキと楽しい気持ちになるためには体の中から変化させていくことも大切です。

この状態を漢方では、体にとって不要な「湿熱」がたまり、「気血水」が不足していると表現しますが、「湿熱」がたまると体は重だるくイライラしたり落ち込みやすくなったり、やる気が喪失すると言われています。そこで今週は、「湿熱」を取り除き心と体をデトックスする食薬習慣を紹介します。食べると良いのは、【ブロッコリースプラウトのサラダ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ブロッコリースプラウトのサラダ】

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スプラウトは新芽という意味ですが、その中でもブロッコリーのスプラウトがおすすめです。目安としては週に3パック程度食べるのがとくにおすすめです。ブロッコリースプラウトは刻むだけで見た目にも華やぎ、ちょっとした苦みがアクセントとなるうえ健康的という素晴らしい野菜です。

食べるとよい食材:ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトは、アブラナ科の野菜ですが、アブラナ科の野菜は共通してイソチオシアネートという香り成分が含まれています。これが、炎症を抑えたり、糖化を防いだり、活性酸素を除去したりとデトックスにつながります。ブロッコリースプラウトは、野菜の中で最もイソチオシアネートの量が多いとも言われています。「湿熱」を除去する代表的な食材とも言えます。

食べると良い食材:大根おろし

大根もアブラナ科の野菜です。イソチオシアネートも含みますが、ジアスターゼという消化を助ける成分も含まれています。そのため、胃腸から体をデトックスをするためにはベストです。さらに、イソチオシアネートは香り成分なので、すりおろした香りの立った状態が有効です。

サラダにする時には、ポン酢などの好きなドレッシングに大根おろしとブロッコリースプラウトをあえて好きな野菜にかけたら完成です。ブロッコリースプラウトの特有の香りも有効成分なので、細かく刻むか、よく噛んで食べることで有効成分の吸収を高めてくれます。

今回紹介したブロッコリースプラウトの活用方法は、免疫向上万能調味料として11月7日発売の『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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