コレだけで記憶力、集中力up!…すぐ始めたい「毎日の簡単習慣」 #81

文・大久保愛 — 2020.11.5
読書の秋、スポーツの秋と、いまの時期は集中して何かを取り組むのにちょうどいい季節です。なのに、いまいち没頭できない、と感じている人も多いのでは。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、記憶力や集中力を高める簡単な方法をご紹介します!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 81

記憶力・仕事の効率落ちていませんか?

脳活 記憶力 仕事 効率 上げる 漢方 食薬

最近日陰や夜など日が当たらないところで、つらい寒さを感じるようになりましたよね。17時前後には暗くなり冬へ向かって一歩ずつ近づいていることを実感しますね。暦の上では11月7日に、立冬を迎えます。紅葉にもまだ少し早く感じるタイミングなので、冬と言えるような気温ではありませんが、刻一刻と今年も終わりに近づいていることを感じさせます。

日照時間が減る今日この頃は、セロトニンの分泌が減り、ちょっと寂しい気持ちになったり内向的になったりします。これも秋の風物詩と言えますが、何か新しい趣味を見つけたり、何かを極めたり、仕事にコツコツと取り組んだり、何かに没頭して過ごすのに適しています。そこで今週は、記憶力や仕事の効率をサポートする食薬習慣を紹介します。

今週は、記憶力や仕事の効率をサポートする食薬習慣

脳活 記憶力 仕事 効率 上げる 漢方 食薬

昔から読書の秋、スポーツの秋と、趣味の充実は秋の特徴とされてきました。さて、みなさんは今年何か趣味に没頭していますか? 興味をもったものを追求しようと考えたりしていますか? 

年を重ねるとともに少しずつ好奇心が減ってきたり、新しいことに触れ合う機会が減ってきている人もいるかもしれません。何気ない健康な毎日を続けることも大切なことでもありますが、季節に合わせて生活することも、また楽しいことだと思います。ただ、突然何かに集中しようかなとか、今までたまっていた仕事や片付けなど何かに没頭しようとしても、すぐには集中できない人も多いかもしれません。

集中力の低下を漢方では「血虚(けっきょ)」と言います。記憶力の低下を「腎虚(じんきょ)」と言います。そこで、秋という時の流れを十分に楽しむためには、「血」を補い、「腎」の働きをサポートしてあげることが必要です。そこで今週は「補血・補腎」できる食薬習慣を紹介します。食べるとよい食薬ごはんは、【クルミのオニオンドレッシング】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材:クルミのオニオンドレッシング】

脳活 記憶力 仕事 効率 上げる 漢方 食薬

オニオンドレッシングは、みなさん食べたことがあると思いますが、外食時が多いのではないでしょうか。しかし、簡単に自分で作ることができるものでもあります。今週は、頭の回転をスマートにするためにご家庭でクルミのオニオンドレッシングをつくり、サラダや蒸し料理などにかけて食べてみることをおすすめします。

食薬レシピ

オニオンドレッシングの材料
玉ねぎ           半分
お酢            50ml
醤油            大さじ1
オリゴ糖          大さじ1
アマニ油(オリーブオイル) 大さじ2

これがドレッシングのベースです。玉ねぎは、ブレンダーでペーストにしてもみじん切りにしても大丈夫です。ブレンダーが楽だと思います。これらを全て混ぜて完成です。

ここに砕いたクルミ(50gくらい)を混ぜると、記憶力・仕事の効率をサポートするドレッシングにアレンジできます。ドレッシング自体にアマニ油を使うとさらに効果的です。

ベースのオニオンドレッシングに、アボカドのペーストや練りゴマ、チアシードを混ぜたりしてオリジナルアレンジをすると、カラフルになり見た目にも楽しめます。

食べるとよい食材:クルミ

クルミは、「補腎」できる代表的な食材です。脳の神経細胞の材料となり頭の回転をスマートにするオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。また、抗酸化作用がありエイジングケアにもなるポリフェノールやビタミンE、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群も豊富に含まれているので「補血」にも役立ちます。頭を使いたい時のおやつやドレッシングなどには、クルミをチョイスするのがおすすめですよ。

食べると良い食材:アマニ油

ドレッシングは、かけすぎちゃだめだ! と考えることってありますよね。ただ、そのドレッシングを体に必要な物ばかりにして作ってみたらどうでしょうか。かけたほうが良いドレッシングに変身しますよね。そこで、ドレッシングの油には、オメガ3脂肪酸を多く含むアマニ油を選んだり、ベースに血行を促進したり、抗酸化作用、抗糖化作用、整腸作用、抗菌作用などをもつ玉ねぎを使ってみるのがおすすめなのです。

何か新しくサプリを摂る、何かを新しく飲むなどプラスして健康的なものをとることは簡単かもしれません。でも、ドレッシングや調味料、出汁、ふりかけなどのいつも使っているものを健康なものに少しずつ変化させていくと自分の体を自分でコントロールできる健康体へと導いてくれます。

今回紹介した食薬ごはんのバリエーションは、11月7日発売の『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

脳活 記憶力 仕事 効率 上げる 漢方 食薬

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

information

29da7aba42636f3ec47ee8cc1f4c6813

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

https://aika-inc.co.jp/

kaba-

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
購入はこちら

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


©Jamie Grill/Gettyimages
©martin-dm/Gettyimages
©Science Photo Library/Gettyimages