秋の食べ過ぎ対策!…ダイエットにもなる「毎日したい簡単習慣」 #79

文・大久保愛 — 2020.10.21
過ごしやすくなり、食欲の増す季節の到来です。お芋に栗、カボチャなど、大好きなものをつい頬張ってしまいがちですが、自分にご褒美し続けるといつの間にか糖質過多でぽっちゃりに…! そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、いまの時期に積極的に行いたい食べ過ぎ対策をお伝えします!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 79

食欲旺盛になっていませんか?

ダイエット 食べ過ぎ 糖質過多

新米などの穀物、果物、お魚なども、美味しい食卓が豊かになる実りの秋です。ごはんがどんどん進みますよね。漢方的にもその土地、その時期にとれる食材を取り入れることは健康のために非常に役立つものとされています。ただ、少しだけ注意が必要です。

秋に旬を迎える食材は糖質が多いという特徴があります。サツマイモ、栗、ブドウ、梨、柿、お米などです。旬のものは体に良いからとサツマイモの煮物、栗ご飯にデザートに梨と柿などと季節のものをたっぷり食べていたら糖質過多になってしまいます。何事もバランスが大事です。おかずにお芋や栗などをたっぷり使ったらデザートは控えたりとトータルの栄養バランスを考えて献立をたてるようにしましょうね。

過剰な糖質は、中性脂肪となり肝臓や脂肪細胞に蓄えられてしまいます。見た目的な問題に加え内臓的な問題も起こりやすくなるので、美味しい食べ物が増えはじめるこの時期には注意しましょう。そこで、今週は食欲旺盛なときに役立つ食薬(※)習慣を紹介していきます。

今週は、食欲旺盛なときに役立つ食薬習慣

ダイエット 食べ過ぎ 糖質過多

一年のうちでも美味しい食べ物があふれるこの季節。旬の素材にプラスして、チョコレートを使ったお菓子、クリーム系のおかずなど、寒い日に食べたくなるような濃厚な季節限定商品なども増えていきますよね。食に対する誘惑がそこら中にあふれ、あれもこれもひと口試してみたくなることもあると思います。

何かのご褒美にひとつ食べるつもりが、いつのまにか甘いものやこってりしたものを買い食いすることがスタンダードとなってしまうパターンも多いようです。こういった食材は、脳を簡単に満足させるため、依存性を感じさせてしまうことがあります。

そして、特に漢方で考える『血虚』といって鉄欠乏気味の女性は、生理前に秋の甘く濃厚な食べ物を過食してしまう傾向にあります。さらに、甘いものなど糖質が増えることで、タンパク質や食物繊維などの他の食べ物を食べる量が不足し、質的栄養失調に陥りやすくなります。

そこで今週は、『血』を補いながら血糖値の安定にもつながる食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材・メニューは、【手作りふりかけ】です。

食薬レシピ【今週食べるとよい食材・メニュー:手作りふりかけ】

ダイエット 食べ過ぎ 糖質過多

ふりかけは、白米を食べるための味付け要因と考えている人は多いと思います。しかし、ふりかけは、手作りすると大切な栄養素を手軽に補えるサプリのような存在になります。

食べるとよい食材:ワカメ

糖質過多のときに、食物繊維が豊富ということで血糖値のコントロールに役立つワカメ。水に戻すとかなりサイズが大きくなり、調理しなければならなくなります。しかし、乾物のワカメを細かく潰してしまえば、カサも小さくなり塩味がきいたふりかけのベースとなり食べやすくなります。

食べると良い食材:桜エビ

桜エビは、エビの中でも殻ごと食べることのできる食材であるため他のエビに比べてカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルをたっぷりとることができます。また、高タンパク低脂質であり、抗酸化作用の高いビタミンA、アスタキサンチン、腸内環境を整える動物性食物繊維などを豊富に含んでいます。『血』を補うのにはもってこいの食材です。

食薬レシピ

干しエビ大さじ5,乾燥ワカメ大さじ5、黒胡麻大さじ2、じゃこ大さじ2、青のり大さじ1を袋にいれて、すりこぎ棒や手などで細かくしたら完成です。乾物は、お好みで割合や種類を変えてみてくださいね。ごはん、サラダ、あげものの衣などさまざまなおかずに使い血糖値の急上昇を抑え、『血』を補う習慣をつけて食べ過ぎ対策をしていきましょう。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、近著に『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』がある。
公式LINEアカウント@aika

https://aika-inc.co.jp/

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