夏冷えとむくみにアレがいい!…スーパーで手に入る簡単解消法 #71

文・大久保愛 — 2020.8.27
冷房による冷えやむくみ、頭痛などの不調に悩まされていませんか。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、それらを解消する方法を教えてくれます! とても手軽にできる対策なので今日からさっそく始めてみてくださいね。

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 71

足もとの冷えを感じていませんか?

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暑い日が続き、毎日冷房が欠かせないですよね。冷房は止めると暑いし、熱中症になりそうだしと、猛暑のなか必要になっています。そろそろ足もとの冷えが気になってきてはいないでしょうか? 

自粛で例年より外出が減り体を動かす時間が減り、その分涼しいところで過ごす時間が増えている人が多いと思います。実際触ってみると足もと、お腹、二の腕がひんやりとしているかもしれません。さらに体の冷えは、水分を停滞させむくみを悪化させることもあります。

そして、血行不良、水分代謝の低下は、ゲリラ豪雨や台風など天候が乱れたときに頭痛やめまいなどを感じさせやすくします。そこで、今週は冷房による冷えやむくみ対策のための食薬(※)習慣を紹介します。

今週は、冷えとむくみ対策のための食薬習慣

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室内と外の温度が5度以上差があると、体の冷えだけではなく、自律神経が乱れやすくなると言われています。また、一日中冷房がきいた部屋で過ごしていると寒さに対する感覚が鈍感になり、体が冷えていることに気がつきづらくなることもあるようです。

夏だからと夏の格好をしたまま冷房が効いた涼しい部屋にいると当然冷えますよね。まずは、室内ではカーディガンやレッグウォーマーなどで防寒対策をすることをおすすめします。そして、冷えきった体はむくみを強く感じることがあるのですが、この状態を漢方では血行が悪くなる「瘀血」と呼び、お腹の調子も悪くなり、水分代謝が低下しむくみを強く感じさせる「脾腎陽虚」といいます。

さらに、暑いだけではなく時に気圧を大きく変化させる台風やゲリラ豪雨がやってくることもあります。水分が体の中で停滞している人は、気圧の変化の影響を強く感じ易い特徴があります。そのため、天候が乱れるたびに頭痛や体の重だるさ、めまいなどを感じる頻度も増えてしまうかもしれません。

そこで今週食べるとよい食材は、「瘀血」を解消し「腎」の働きを助ける食材です。食べるとよいメニューは【アボカドサラダwithチアシードドレッシング】です。

今週食べるとよい食材・メニュー:アボカドサラダwithチアシードドレッシング

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アボカドは、「最も栄養価が高い果物」とギネスが認定するほど栄養価が高い食材です。そして、そこにスーパーフードの代表的な存在でもあるチアシードをトッピングしたら体に悪いわけないですよね。それではさっそく、解説していきたいと思います。

食べるとよい食材:アボカド

アボカドは、血行を良くするビタミンEが非常に豊富です。また、抗酸化作用が高いビタミンも豊富で、むくみの改善に役立つミネラルも多く含んでいます。さらに食物繊維もゴボウ1本分と同等量含まれていると言われ、腸内環境を整えるためにも役立ちます。アボカドは、「瘀血」の改善と「腎」の働きの助けることの両方のためにとるとよい食材といえます。

食べるとよい食材:チアシード

あまり食べる機会がないかもしれませんが、ドレッシングにまぜるとジュレっぽく変わりおしゃれ度とヘルシー度がぐんとあがります。栄養素としては、血流の改善に役立つオメガ3脂肪酸を豊富に含みます。さらにミネラルも非常に多く含まれるのでむくみの改善に役立ちます。チアシードも「瘀血」の改善と「腎」の働きの助けることの両方のためにとるとよい食材といえます。

冷房の影響で足もとの冷えやむくみを感じている人は、カラフルな夏野菜とともにアボカドでサラダをつくって、いつも使っているドレッシングにチアシードをまぜて食べてみてくださいね。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、近著に『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』がある。
公式LINEアカウント@aika

https://aika-inc.co.jp/

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