食べるとイタい!…口内炎や吹き出物にいい「お助けフード」 #65

文・大久保愛 — 2020.7.8
コロナ疲れやストレスで食事が乱れ、口内炎や口周りに吹き出物ができていませんか。そこで今回は、漢方薬剤師の大久保愛先生が、これらにいい食べ物をご紹介します!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 65

口内炎やフェイスラインに吹き出物ができていませんか?

本格的な雨の日が増えてますね。災害警報が出るほどの土砂降りで地盤がゆるみ、土砂災害の危険がせまる地域もあり、今年の梅雨も過ごしづらさを感じます。梅雨前線が停滞するのが特徴である今の時期には自然の摂理ではありますが、やるせない気分になります。雨で外に出られず、自粛で外に出られずでストレスが溜まり、今年は、食事が乱れて肌荒れしたり太ったりする人は増えてしまうと思います。

そして、食事の乱れが表面化しやすいものとして、口内炎や口角炎、舌炎、フェイスラインの吹き出物などお口周辺の悩みがあります。今、こういった悩みを感じている人は、食事の乱れがないか、最近太ってきていないかなど一度振り返ってみましょう。そこで、今週は食事が乱れていたり、胃腸に負担がかかっている人に起こりやすい、口内炎、口角炎、舌炎、吹き出物のための食薬習慣を紹介します。

自然の変化が体調に影響している

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

今週は、口内炎やフェイスラインの吹き出物のための食薬習慣

リモートワークや家の中で楽しく過ごすスキルが身につき、ステイホームも慣れてきましたよね。雨が続き家で過ごすことの快適さをより感じます。ただ、ステイホームのお供といえば、お菓子やパン、お酒などが多いのではないでしょうか。基本的にながら食いになり、袋に入っているお菓子は途中でやめられずにすべて食べきってしまうことが多いと、体に負荷をかけているかもしれません。

そして、胃腸に負担がかかると出てくるのが、口内炎、舌炎、口角炎、フェイスラインの吹き出物など。食べ過ぎ飲み過ぎた結果、太ってしまうだけではなく、肌荒れの原因になってしまっては、気分が下がりますよね。この栄養が偏り肌荒れをしてしまいそうな状態を漢方では、『脾胃湿熱』といいます。

そこで、今週は不摂生によるお肌の状態を整える食薬習慣を紹介します。今週食べると良い食材は『脾胃』を整え『湿熱』を取り除く【オクラ&納豆】です。

今週食べるとよい食材:オクラ&納豆

ネバネバ食材は、消化管の粘膜を強くしてくれるので不摂生が続くときにはおすすめの食材です。また、食物繊維と発酵食品は、腸内環境を整える最強の組み合わせです。善玉菌を含む発酵食品と善玉菌の餌となる食物繊維を同時に摂ることで整腸作用が高まると言われています。胃腸への負担を減らすことは、体の中から口内炎やフェイスラインの吹き出物などの対策をとっていることになります。

食べるとよい食材:オクラ

オクラは、体にこもっている熱や炎症を抑えながら、ネバネバの成分が胃腸の粘膜を強化し、腸内環境を整える働きをもっています。栄養素としては、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムなどを含んでいます。これから本格的に暑くなる夏には、夏バテを予防してくれる心強い野菜の一つです。

食べるとよい食材:納豆

納豆はタンパク質をはじめ多くの栄養素が含まれていることで知られていますが、オクラと一緒に摂ることで納豆のたんぱく質の吸収を促進すると言われています。栄養バランスが乱れている時には、とりあえず納豆をチョイスしておけば間違いありません。

ほかにネバネバ食品には、昆布、もずく、モロヘイヤなどありますが、どれにも共通して粘膜を強化し腸内環境を整える働きがあります。肌荒れ、胃腸の負担だけではなく、食欲がなくなりやすい夏には、ネバネバを率先して摂り入れていきましょう。

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大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

https://aika-inc.co.jp/

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著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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