酢ピーナッツ数粒でOK!…おこもり太りを防げる「お助けフード」

文・大久保愛 — 2020.5.5
おこもり疲れが出て、暴飲暴食していませんか? そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、ダイエットにいい食べ物をご紹介します!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 56

暴飲暴食していませんか?

大型連休なのに自粛モードは続き、おこもりライフにも飽きてくると、不平不満、現実逃避などネガティブな感情でいっぱいになり暴飲暴食に走ってしまうこともあるのではないでしょうか。

暴飲暴食をするときに選ばれやすい食べ物といえば、菓子パンやスナック菓子、ファーストフード、カップラーメンなどの食べ物になるのではないでしょうか。そういった食生活に一度はまってしまうと味覚が乱れ、どんどん濃い味の食べ物やアルコールなどがやめられなくなっていくことが多いです。

そうなると注意しなくてはならないのが、メンタルが落ち着かなくなること、免疫が低下することです。今一番避けたい体質の変化ですよね。そこで、今週は暴飲暴食する前にとるべき食薬習慣を紹介します。

自然の変化が体調に影響している

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

今週は、暴飲暴食する前にとるべき食薬習慣

長らく家の中にこもっていると家族と険悪な空気になったり、今後の予測不可能なことを悶々と考えすぎて不安になったり……。新しいこと楽しいこと好奇心がわくことなどが減って、メンタルがどんどん繊細になり、落ち込んでいきやすくなります。そうすると手軽なストレス発散としてやってしまうのが、暴飲暴食ではないでしょうか。

また、動かなさすぎることから消費エネルギーが減り、寝つきが悪くなることで寝酒の習慣をスタートさせてしまった人も多いのでは。そういった悪習慣が定着してしまうと、心と体のバランスはどんどん乱れていきます。

また、5月7日には満月が訪れますが、漢方医学では満月のタイミングにメンタルや体調が乱れやすくなると言われています。今、爽やかな日々と程遠い状況にいる人は、注意が必要です。この状況を漢方医学では、気の巡りが悪い「肝気鬱結(かんきうっけつ)」という状態であると考えます。

今週は、「気」の巡りを改善しストレスを軽減する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・料理は、【酢ピーナッツと水菜のサラダ】です。

今週食べるとよい食材・料理:酢ピーナッツと水菜のサラダ

突発的に何か食べたくなったら一呼吸置くことが大切です。ピーナッツを常備して、暴飲暴食をしたくなったらまずは一粒つまんで気持ちをセーブしてみましょう。

ピーナッツ

ピーナッツには、糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB群、腸を整える食物繊維が多く含まれています。食前にピーナッツを10~20粒程度食べると満腹感も得られ、血糖値の上昇も抑えるためダイエットにも効果的です。ピーナッツの食べ過ぎはいけませんが、一粒3キロカロリー程度なので少量であれば大丈夫です。

とくに、お酢につけたピーナッツは、お酢との相乗効果により、さらに血糖値のコントロールに役立ったり、唾液の分泌を促し消化吸収を助けたり、ピーナッツに含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収を上げたり、食物繊維とお酢が合わさることで腸内で善玉菌が増えたりと、美容ダイエットに非常に最適です。また、アーモンドなどナッツ類と比べてもポリフェノールなど抗酸化作用の高い成分が多く美容効果も高い食材です。

酢ピーナッツの作り方

皮つきの無塩ピーナッツを瓶に入れて、ひたひたになるまでお酢をいれます。ピーナッツは水分を吸って膨張するので、保存容器の半分程度になるようにピーナッツを準備しましょう。1日経ったら食べられますが、1週間くらいが食べごろです。1か月程度日持ちします。

水菜

水菜は、比較的安くサラダにもお鍋にも使えて便利ですよね。あまり栄養がないように思われがちですが、抗酸化作用の高いビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが豊富に含まれています。また、イソチオシアネートを含むため「気」の巡りを改善し、ストレスを軽減したり、肝臓や腸内の毒素の排泄をしたりするのに役立ちます。

おすすめ献立は、酢ピーナッツと水菜のサラダです。水菜に酢ピーナッツとジャコをかけて、好きなドレッシングで味を整えたら完成です。

今体調を崩してしまうと、しつこい五月病をスタートさせてしまうことになるかもしれません。暴飲暴食したくなったときには、まずはサラダを食べて気持ちを落ち着かせてみましょうね。

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大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

https://aika-inc.co.jp/

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著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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