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妊娠中、彼に絶対不倫される…父親の浮気がトラウマで男性不信になった「27歳女性の苦悩」

文・安本由佳 — 2023.4.1
婚活サポート・結婚相談所を経営している、作家の安本由佳さん。ご自身のインスタグラムに届くお悩みを毎週掲載します。リアルな婚活市場を取材してきた知見を生かし、恋愛、仕事、夫婦、家族、友だちなどいろいろな悩みにお答えします!

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お悩み:父親の不倫がトラウマで、男性を信じられません…


安本由佳 お悩み 相談 恋愛 年の差

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さて、今回ご紹介したいお悩みはこちら。

お悩み:結婚前提でお付き合いしている彼がいるのですが、特に何があったわけでもないのに「いつか浮気するに違いない」と疑ってしまいます。理由には心当たりがあって…父親が不倫していたことによるトラウマです。

私の父は、母が私を妊娠中から不倫を繰り返していました。不倫相手からの嫌がらせ電話を私が受けたこともあります。そのせいで、男の人は浮気をするものだ、特に妊娠・育児中は絶対するに違いない、という考えが消えません。

彼はそんな人ではないと信じたい気持ちはあるのですが、癖のように浮気される未来を想像してしまうのです。彼は子どもが欲しいと言いますが、自分も母親と同じように不倫されるのではと思うと妊娠・育児期間が怖くてたまりません。(27歳・会社員)

男性は誰でも浮気する?

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あろうことか妻の妊娠中から不倫を繰り返し、実の娘に男性不信のトラウマを植え付けた。ーー他所様のご家族に失礼を承知で言いますが、相談者さんのお父様はあまりに身勝手で罪深い。不倫相手からかかってきた嫌がらせ電話の対応をしたこともあるなんて、思春期の相談者さんが受けた傷や嫌悪は計り知れないです。本当に辛い思いをしましたね。

相談者さんが、もっとも身近な異性である父親を見て「男の人はみな、浮気する生き物なんだ」と思うに至ったことも仕方のない話です。むしろそう思い込むことで気持ちの整理をつけていた部分もあるでしょうから。

しかし、きっと相談者さんもわかっていらっしゃる通り「男性は誰でも浮気する」とひとまとめに語るのは極論です。

「男はみな、機会さえあれば浮気するもんだ」などと訳知り顔で語る人は確かにいますが、これは自身の浮気心と自制心のなさを正当化しているだけ。自分がそういう種類の人間だという話であって、たとえ機会があっても自身の欲より家族の幸せを優先できる男性は存在します。

そうは言っても、ワイドショーやネット記事は連日不倫ネタで溢れているじゃないか! と思われるかもしれません。ただこれにも事情があります。不倫ネタは視聴率(PV)がとれるため重宝されていること、それから不倫バッシングをする人たちの声がやたら大きく拡散されやすい、という背景が大きく影響しています。

現実には、平穏な結婚生活を送っている夫婦もたくさんいます。けれどもそういう人たちはわざわざ自ら「幸せです」とアピールしません。拡散される要素もないからネット記事にもならず、存在が見えづらいだけなのです。

親子の人生は、まったくの別物

相談者さんは「自分も母親と同じように不倫されるに違いない」と、トラウマによるマイナス思考に取り憑かれてしまっていますが、この思い込みは、客観的に見れば、まるで根拠のない妄想です。

なぜなら相談者さんと母親はまったくの別人だからです。まったくの別人がまったく別の人生を生きているのだから、同じ結果になるわけがないのです。

もっと言えば、相談者さんの彼と相談者さんの父親は何の関係もない赤の他人です。無関係の別人格なのに、父親が不倫していた=彼も不倫する、なんて図式が成り立つわけないですよね。

前述のように、浮気や不倫を繰り返すのは、家族(パートナー)の幸せよりも自身の欲を優先してしまう、自制心の弱い人です。なので浮気する人は性懲りもなく何度も繰り返す一方で、しない人はしません。

相談者さんの彼は、パートナーを大切にできない、自制心の弱いタイプの男性なのでしょうか。「彼はそんな人ではないと信じたい」とおっしゃっているから、少なくともこれまでのお付き合いにおいては、信頼が破綻するような事件は起きていないのですよね。にもかかわらず、父親がそうだったからという理由で疑ってかかるのは、彼があまりに可哀想です。

ただトラウマはそう簡単に消えるものではありませんし、ふとしたタイミングで猜疑心を抱いてしまう、それは相談者さん自身にも止められない衝動だという言い分もわかります。

そこで提案ですが、互いに結婚を考えるくらい思い合っている相手ならば、父親の話を彼に打ち明けてみてはどうでしょうか。

父親の不倫がトラウマで男性不信に陥っている、と正直に伝えるんです。ただあなたのことは信じたいし、信じているから、決して裏切るようなことはしないでほしい。ーーそう言って釘を刺しておけば、たとえ万が一この先の未来で彼が浮気心に負けそうになるタイミングが訪れたとしても、一定の抑止力にはなるでしょうから。

筆者紹介

安本由佳 作家 / 婚活サポート・結婚相談所経営
慶應義塾大学法学部卒。2016年〜2020年まで東京カレンダーWEBで執筆し「二子玉川の妻たちは」「私、港区女子になれない」などのヒット小説を生み出す。著書に、婚活に悩む女子200名に取材して執筆した「不機嫌な婚活(講談社文庫)」、モテ商社マンと港区女子の恋愛模様を描いた「恋と友情のあいだで(集英社)」がある。リアルな婚活市場を取材してきた知見と、特技の四柱推命鑑定を取り入れた親身なアドバイスで婚活サポート・結婚相談所も経営している。

不機嫌な婚活(講談社文庫)
恋と友情のあいだで(集英社)


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