人気女優や韓流俳優の美の共通点…みんなに愛される「赤ちゃん顔」の簡単な作り方
進化心理学で、圧倒的美人顔は説明できる。
海外サッカー選手による日本人の容姿の印象発言が問題になりました。この件で、心を痛めた方も大勢いらっしゃると思います。
人が優しくしたり侮辱したりと行動をとる理由は、究極的には、“好き”“嫌い”、“したい”“したくない”という心の動きによるものです。進化心理学では、この心の動きをダーウィンの進化論で説明します。
私たちがある人を「可愛い」「キレイ」と思って、「近づきたい」「愛でたい」「お世話したい」と惹かれて行動をとるのは、進化論の「自然選択」によるものです。
「自然選択」とは、環境に適応しやすい特徴を持つ人や生物が選択されて、命が受け継がれるという種の保存の鉄則です。クジャクのオスが美しい羽根を持つのは、この「自然選択」によるもの。立派で美しい羽根をメスにアピールすることで選ばれ、自分の遺伝子を子孫に残すためです。
つまり、種の保存において、進化論では圧倒的な美しさが存在し、私たちがどんな姿形を「可愛い」「キレイ」と感じるのかを説明できます。
文化を超えて「可愛い」「守りたい」と思う顔は?
たとえば私たちが電車などで赤ちゃんを見たとき、自然に笑顔になって、「可愛い!」と感じるとしたら、この心の動きも、進化論の自然選択で説明することができます。
厳密にいえば、可愛いはキレイとは違うという意見もあるでしょう。しかし、どちらも、人に心地よいという感情を抱かせ、「愛でたい」「そばにいたい」「保護したい」と心理的に惹きつけて行動をとらせるという「美しさで惹きつける力」が働いています。
では、赤ちゃんにそんな美の力が働くのはなぜか。人間の赤ちゃんは、他の動物に比べて脳が体に対して大きく、重度の未熟児として生まれるためです。
例えば、子鹿は生まれたとたん立てますが、人間の赤ちゃんがつかまり立ちをするようになるのは、生後10か月前後からです。チンパンジーの赤ちゃんはすぐに自分で食事できますが、人間の赤ちゃんは、1歳を過ぎる頃までできません。
人間の赤ちゃんは、他の動物以上に周りの大人たちに世話をしてもらうことで成長し、命をつなぎます。私たちが赤ちゃんのことを自動的に「守りたい」「お世話したい」と思えるように、その顔を見れば、「可愛い」「美しい」と感じるように生物的に設定されているのです。
「圧倒的美人・赤ちゃん顔」を決める、3つのポイント。
つまり、私たち人間が時代や国境を超えて美しいと思うのは、赤ちゃんの顔です。圧倒的美人顔とも言える赤ちゃん顔を決定づける要素は、大きく3つあります。
顔全体に対して大きな目、小さなあご、すべすべで血色の良い肌です。
実際、顔写真を美人化できる加工アプリにも必ず、顔の肌色を整え、目を大きくし、小顔化する機能があります。これは「圧倒的美人・赤ちゃん顔」にする機能とも言えるでしょう。
人気女優は、一般人よりも顔の対称性が高い。
赤ちゃんが持つ3つの美の要素に補足するとしたら、顔の対称性も人が美しいと感じる要素です。
歪みのない顔は遺伝子の強さを現し、どんな国の男性も女性も対称性が高い顔を「キレイ!」と、生物的に判断するようになっています。たくさんの人の顔の画像を平均化しても、対称顔に近づきます。
私が以前anan編集部にいたときのことです。ある企画で、大変有名なヘアメイクさんに美しい読者さんをヘアメイクしていただきました。そのときにも、彼が「人気女優さんも読者さんもそれぞれに美しいです。しかし唯一違う点を挙げるとすれば、プロとしてお仕事される女優さんやモデルさんは、一般の方よりも、より顔が左右対称の場合が多いです」とお話しされていました。
つまり、たとえ人気の顔は時代や国で変化しても、赤ちゃん顔や左右対称の顔には、「ずっと見ていたい」「近づきたい」と人が惹かれる王道的な美しさがあるのです。
人気韓流男子メイクを参考に、高級感ある赤ちゃん顔に。
では具体的に、アジア系成人女性の私たちが、自分の顔を「圧倒的美人・赤ちゃん顔」に近づけるためには、どうしたらいいのでしょう?
赤ちゃん顔の特徴に高級感を持たせることで、美人度を上げることができます。そこでお手本にしたいのが、人気Kpopアーティストや韓流男優のメイク法。あえて女性ではなく男性を選ぶのは、彼らのメイクには、生まれたばかりの赤ちゃんのようなすっぴん風でキレイに見せるための工夫が詰まっているからです。
すっぴん風で印象的な目元とシャープなあごをつくる。
赤ちゃん顔をつくる第一の要素、大きな目から考察してみましょう。
「圧倒的美人・赤ちゃん顔」において、一重まぶたや二重まぶたという目の造形は関係ありません。たとえば、映画『SEOBOK/ソボク』主演の人気俳優のパク・ボゴムさん。つぶらな一重まぶたの彼は、黒目がちな目に赤ちゃんっぽさが現れます。似せるためには、自然なフチありカラコンを利用するのもいいでしょう。
ドラマ『梨泰院クラス』『キム秘書はいったい、なぜ?』などのヒット作が続く人気俳優のパク・ソジュンさんは、涼やかな一重です。彼は、隠しアイラインや陰影シャドーで、それとは感じさせずナチュラルに目を印象づけています。そして二人とも涙袋は、しっかりめです。
彼らはそもそも小さな顔に美肌ですが、ワークアウトを日課にし、シェーディングであごをキュッと尖らせています。フェイスラインがスッキリ見えると、顔に占める目の割合が大きくなって、目が強調されます。
BTSのリップメイクは、ぜひ真似したい。
肌荒れのときに挽回でき、参考にしたいのは、BTSメンバーの自然な血色が美しいリップです。口元は、普段マスクで隠れる部分だけに、オンラインや食事中に目がいく場所でもあります。唇の形と、血色という細部にこだわることで生まれつきのように見えて、1ランク上の美人顔がつくれます。
彼らの唇を再現するなら、コンシーラーで唇の外側を隠し、広角が上がるように品よくシェイプさせます。そして、自然なティントを唇の中央にのせて外側へとぼかし、ジュワッと内側からにじみでるように血色良く仕上げます。ここでカラーは必要以上に、強調しません。すると、まるで地色ピンクのような、ぷるっとした生まれたての赤ちゃん風リップが完成します。
「圧倒的美人・赤ちゃん顔」の美の力を味方に。
進化論をベースにした進化心理学では、時代や国境を超えた「圧倒的美人顔」が存在します。それは“理想の赤ちゃん顔”で、一重や二重という顔の造形には関係なく、肌荒れ時でも工夫することでつくることができます。「近づきたい」「お世話したい」とあの人を”Butterのように”惹きつけ行動をとらせる1ランク上の赤ちゃん顔、「圧倒的美人・赤ちゃん顔」の美の力を味方にしてみませんか。
土居彩
編集者。マガジンハウスに14年間勤務し、anan編集部に所属。退職後に渡米しカリフォルニア大学バークレー校心理学部ダチャー・ケトナー博士の研究室で幸福心理学を学ぶ。帰国した現在は『東京マキワリ日記』運営。冷え性のコーヒー好き、グルテンアレルギー気味の焼き菓子ラバーです。
『東京マキワリ日記、ときどき山伏つき。』
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