ヘコんでた自分が復活!…毎朝するだけで幸せになる「開運歯磨き法」 #12

取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani — 2019.12.3
毎日に行き詰まりを感じるなら、朝の歯磨きを変えてみてはいかがでしょう? ものの1分もかかりませんし、とりあえずやってみて損はありません。1日のスタートに明るく気持ちがいい自分像を意識のうちに叩き込むことで、あなたの行動だけではなく、周りの現実も変わっていきます。世に言う引き寄せの法則、なぜ意識が現象を形作るのかという仕組みを心理学的に解説します。

【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 12

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生きてりゃ、消えたい気分の朝もある。

生きていれば当然のこと、最悪な気分で目覚める1日もあります。「もう、このまま消えちゃいたい」と。でも、そんなときも私が毎朝必ず行っているのは、鏡の前でニコニコと笑顔で歯磨きをすることです。ちょっとバカみたい? でも歯を磨くのはものの1分程度の話ですし、どのみち毎朝行うことなので余分な手間だってかかりません。試しにやってみたところで失うものは何もありませんよ。

当然笑えないぐらい落ち込んでいるときもありますよね。すごくわかります。そんなときは、口角の筋トレだと捉えましょう。腹筋みたいなものです。無理に笑顔を作ろうとするのではなく、歯を磨きやすくするためにイーーッと口角を引き上げるんです。そうして鏡の中の口角の上がった自分の顔を朝一番の意識のうちに叩き込みます。

スマイル歯磨きで朝イチの意識を変える!

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そんなスマイル歯磨きで1日をスタートすることをオススメしたいのは、意識には絶大な影響力があるため。ところで意識といえば、海に浮かぶ大きな氷山によく例えられます。「今日のプレゼン嫌だな」「太ったからダイエットしなきゃ」と、自分がこう考えていると意識しているのは顕在意識といって意識の氷山の1割にも至りません。

つまり、恐ろしいことに私たちの意識の大部分である9割を占めるのは、まったくの無意識。気づいていない無意識の領域で人生にかかわるような大事な物事を決断したり、価値判断をしているということです。そうだとすれば、私たちはまるでコントロールを失って踊る悲しい操り人形だともいえるでしょう。

そこで自分らしく生きるためには、顕在意識と無意識のパイプを太くして連携させていくことが重要です。そうすることで「私は損な役回りばかり!」「あの上司はヒドイ」とうまくいかないことをコントロールできない周囲の人や不当な状況のせいにして被害者意識にどっぷりとハマってしまうのではなく、「私はどうしたい?」「何が今できる?」と状況を課題中心的に見て作戦が立てられるようになります。

どうやったって手に負えないなら、きっぱりと手を放すということもアリなんですよ。無意識に振り回されずに決断をするためには、ビリーフといういらない自分の思い込みを外すということも有効ですし(※第9回参照)、毎日の行動の中で気づきをなるべく増やして、「今」と「自分」を肯定する作業も必要です(※第10回参照)。


※第9回 https://ananweb.jp/column/tamanabi/258575/
※第10回 https://ananweb.jp/column/tamanabi/260591/

笑顔があなたそのものになるプライミング効果。

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今回ご紹介しているスマイル歯磨きは、いわば鋳型に溶けた金属を流して固めてコインを作るようなもの。明るくて気持ちがいい「なりたい自分」をその日のデフォルトにして、まず顕在意識に叩き込むんです。

すると心理学ではプライミング効果と言いますが、一般的に人は無意識のうちにアクセスしやすい情報の影響を強く受けて、決断・行動すると考えられています。

つまり、プライミング効果を受けて笑っているあなたのほうが、ムッとしているあなたよりも自分の意識の引き出しから知らずうちに出やすくなることで、しだいに自分が笑顔でいられる選択を自然にとれるようになります。また、笑えない場面が続いたときには「何かがおかしいな」とチェック・インできるようにもなっていきます。

意識の鋳型で周りの人の判断も作り変える!

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そして笑顔の鋳型には自分の意識を形作るだけではなく、周りの人の意識と行動を変える力もあります。それは自己充足的予言(Self-fulfilling Prophecy)と言う、ロバート・K.マートンというアメリカの社会学者が提唱した、自分の思い込みが現実を創造するという考えに基づきます。

例えばあなたに「この上司はいつも私を叱る」と思い込みがあるとします。そこであなたは無意識ではありますが、なるべく上司との接触を避けようとしてホウレンソウを怠ってしまうかもしれません。また表情もどことなくぶっきらぼうだったり、逆にオドオドして円滑なコミュニケーションがはかれないかもしれません。

それは、結果的に怒られてしまうような行動をとっていることになり、予想通りに叱られてしまうという現実を招いてしまいます。自分が期待した筋書きに通りに無意識に行動してしまった結果、想定通りの物事が現実化するのです。まるで、世紀末を予言したノストラダムスのように!

逆に、地道なスマイル歯磨きで1日をスタートし続け、笑顔でいられるチョイスを何気なくとれるようになり、「あの上司はヒドイ!」という思い込みからも自由になって行動し、上司との関係性が改善されるということがあるのです。

実際にパワハラ上司に悩んでいた友人にこのように助言したところ、効果がありすぎて上司に好感を持たれて、ひっきりなしにカラオケに誘われるようになってしまったという結果に二人で苦笑いしたこともあります。

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そしてスマイル朝歯磨きの一番素晴らしい効果は、前より笑える時間が増えていくということ。「毎朝笑顔で歯磨きする」といった、どんな小さなことだったとしても、自分が決めたことを毎日粛々と続けられている私、と意識せずともセルフ・イメージが上がることで、少しづつ自分にOKが出せるようになるのです。

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土居彩

編集者、翻訳者。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にて、畏怖の念について研究するダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、13世紀の道元禅師を初めて英訳し欧米に伝えた禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。恩人たちに支えられ続けながら、会社を辞めて渡米奮闘したドタバタな当時の様子を綴ったananweb連載『会社を辞めて、こうなった』も。https://greenz.jp/author/doiaya/

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