JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! #4 祝ご帰還! 宇宙からのANSWER. 仕事関係その4

文:anan編集部 — 2016.11.1
大西卓哉宇宙飛行士、無事帰還おめでとうございます! 各所で話題の異色コラボ連載。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の全面協力の下、国際宇宙ステーションでミッション遂行中の大西宇宙飛行士にanan総研が人生相談をぶつけるという、壮大な企画です。地球を見下ろし、無重力で生活するうちに、それこそ俯瞰的なものの見方や生命・宇宙の起源に思いをはせた時、どんな人生観をお持ちになるか。そんな方にanan総研の仕事関係の相談はどのように映るのか?!乞うご期待!

【宇宙からのANSWER.】vol. 4

焚き火を設置する大西宇宙飛行士、冬期サバイバル訓練の様子。ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)にて
焚き火を設置する大西宇宙飛行士、冬期サバイバル訓練の様子。ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)にて。(C)JAXA/GCTC

anan総研メンバーが抱える仕事関係の悩みを、大西卓哉宇宙飛行士に答えていただくこの連載も、はや4回目。
そろそろ当たり前に思えてきたでしょうか。
QとAの間には、400㎞の宇宙空間がひろがっているのですけどね。どひゃあ!

今回は、いつもの国際宇宙ステーションの写真ではなく、地上での訓練の写真を公開しました。
宇宙飛行士になる訓練って、一体・・・?
というみなさんの(私の)疑問を、ちょっとだけ垣間見せてくれます。
冬期サバイバルって、なんで? 宇宙船の空調が壊れちゃった時のためじゃないですよね。地球に戻った時にうっかり南極大陸に着いちゃった時のために? 極寒の惑星で生活するために?! いや、妄想が止まらない!

落ち着け。もとへ。
anan総研メンバーの多くは、毎日一生懸命、仕事しています。
でもそこには、思い通りにいかないつらさや不安との闘いがあります。みんなそれをどうやって解消しているのか。
特に、かなりの訓練と努力を必要とする宇宙飛行士というお仕事をしている大西さんは、その大いなる壁をどうやって乗り越えているのか。知りたいところです。

大西宇宙飛行士、今回も回答、よろしくお願いします!

Q.
私は「これがやりたい」「これを仕事にしたい」と思っていても、いつも覚悟が中途半端でなかなかやり遂げられません。
パイロット、宇宙飛行士というとても簡単にはできない仕事や目標を掴むことは相当の努力をされたと思いますが、諦めずに夢をつかむためにはどのようにモチベーションをあげたのでしょうか。ぜひ参考にさせてください。(29歳・事務)

A.
「これがやりたい」というものがある時点で、とても良いことだと思いますよ。
何かを成し遂げようとする時、最初からしっかりとした覚悟が出来ている人の方がむしろ少ないのではないかと思います。
パイロットになった時も、宇宙飛行士に選ばれた時も、覚悟は厳しい試験や選抜を乗り越えていく過程で身についた気がします。
途中で諦めることになっても、挑戦したことは決して無駄にはなっていないと思いますよ。

うーーーん。どうですか。宇宙空間のように深いですよ。
夢や希望に向かって一歩踏み出したところから、少しずつ変化が始まるのかもしれません。
大西さんのように、ひとつひとつを乗り越えながらさらに覚悟を固めていければ、きっと満足いく結果が得られるのでしょう。
でもなかなかやり遂げられないというanan総研さんにとっても、チャレンジしたこと自体が実は大いなる結果。次のステージにつながると思えば、思うような結果が得られなかったとしても無駄はないようにも思えます。
救いのあるお答えです。

anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、まだまだ続きます。
次回をお楽しみに!

※ 10月30日に大西卓哉宇宙飛行士は無事地球に帰還なさいました。この人生相談は、大西宇宙飛行士が宇宙ステーションにいる期間にお答えいただいたものです。

115日間の宇宙滞在を終えて、10/30に帰還した大西さん
115日間の宇宙滞在を終えて、10/30に帰還した大西さん。おかえりなさい!(C) JAXA/NASA/Bill Ingalls

ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!

大西卓哉(おおにし たくや)

JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。


Information


JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html