会社を辞めて、こうなった。【第33話】 恋愛スタイルは生後12か月で決まってしまう!? 私の恋がうまく行かなかったワケ。
恋愛敗者になってしまう心理とは?
これは由々しき問題です。さらに分析を深めてまず思い当たったのは、私にとって男女関係は楽しい半面、正直すごく疲れるっていうこと。いつもキレイにしていなきゃいけないし、ケンカはしたくないし、夢中になると寝不足になるし、うまくいかないと不安になって仕事に集中できないし。とはいえ安定感も欲しいけど、ちょっと緊張もしていたい(どっちやねん!)。まぁこの時点で恋愛適性度0点ですが、そうとも言っていられず。だいたい自分の感情や思いはとりあえず6,7割出しぐらいで、残りは抑えて収めておくというのが私のスタイルでした。結果、恋愛=感情の抑圧=疲れる=忙しいときは、ムリ=仕事が好き=恋愛回避という恐ろしいスパイラルに…。
この思い込みがもう心理学的には完全にご法度! グロスとジョンソン(2003年)の研究によると感情を抑圧するとストレスが高まり、対人関係での争いが増え、社会関係すらも悪くなるといいます。さらに興味深いのは、感情を抑圧した本人だけではなく、そのパートナーも相手の反応の悪さにストレスを感じるあまりに血圧が高くなってしまうという研究結果も!(Butler et al.、2003年)
といったように、本日期末試験が終わったので「フムフム」と今学期学んだことをもとに論文を再読しながら自分の恋愛分析に勤しんでいると、まさかの徹夜(試験勉強より真剣にやったよ…)。すると、とてもタイムリーに友人から「恋愛だろうが親子関係だろうが、英語だろうが日本語だろうが “心を開き、自分の本当のニーズを適切な形で伝えること” が大事だね 」とのメッセージが。ごもっとも! やはりそこにカギが。では感情を抑圧せず、さらには暴走させることもなく円滑なコミュニケーションを図るためにはどうすれば良いのでしょう。安全型カムバック大作戦始動です!
安全型カムバック大作戦のカギ、”感情再評価”とは
感情コントロールには、抑圧以外に感情再評価といって、起こった否定的な出来事の解釈を頭のなかで置き換えてしまうという方法があります。皆さんにも覚えがあると思いますが “グワァー、ムカつく!” ではなく、“ちょっとムカついたけど、彼の言い分もわかるな。うん、そんなに大きな問題じゃない” といったような感じで。さきほどの研究でも感情再評価を行った人は、感情抑圧のケースのようには本人もそのパートナーもストレスを感じなかったといいます。とはいえどうしても楽観的に状況を捉えられない場合って山ほどありますよね。
そんなとき、研究結果に裏付けられた感情再評価法のテクニックとして、頭のなかで主語を第一人称(私)からそれ以外(土居彩という名前、もしくは彼女など)に置き換えてセルフトーク(“土居彩は今何を感じているんだろう?”、“では何が彼女にとって今最適な行動だろう?” 等)してみて、状況を冷静な視点で把握するという方法があります。
第一人称で自問自答した人は、ストレス要因となる状況を心理的に脅威と捉えてしまいがちないっぽうで、第一人称以外で自問自答した人はワクワクできる挑戦と捉えることができ、人前でのスピーチなどのタスクを課した場合にも高い能力を発揮できたという研究結果もあります。または “今から5年後の自分をイメージして、このストレスやトラウマの意味は何か?” と、起こっている出来事と自分との時間的距離感を変えてみるという方法も。こちらの方法では幸福度や健康の増加、ストレス減少を導くという結果があります( King & Miner, 2000)。
実はこの原稿を書き終えた後に、渡米以降、肌身離さず身につけていた大事なhumのピンキーリングを紛失……。中間試験も期末試験もこのリングとともに乗り切ってきた、お守り的な存在だったのに! そこで早速この2つの方法を試してみましたが、私には後者のほうが有効でした。まぁ未だ心はモヤモヤしていますが……(つい2時間前のことなので)。とはいえ期末試験やら中間試験やらでオロオロしている今の状況だって、10年後には教授の名前すら忘れている可能性大ですしね、笑。さて分析ばかりではなく、そんな私に健全なる実践の場はあるのでしょうか? またリポートしたいと思います!
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See You!
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「土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。」まとめ
編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。