会社を辞めて、こうなった。【第22話】 バークレー心理学部へ。 全てゼロからの出発。

2015.8.27 — Page 3/3

出来ない自分も至らない自分も私。

ロゼッタ ストーンばりに解読不可能な統計学の教科書。高校時代から数字がつくもの全般から逃げまくっていた私。まさかこの歳で、英語で数学と向き合うことになるとは! (更に授業では別の教科書を使うと本日判明)
ロゼッタ ストーンばりに解読不可能な統計学の教科書。高校時代から数字がつくもの全般から逃げまくっていた私。まさかこの歳で、英語で数学と向き合うことになるとは! (更に授業では別の教科書を使うと本日判明)

あまりにも意味がわからなさすぎて、ツアーで出会った50年以上サンフランシスコで食べ物を無料で配り続けているツリーさんに相談しました。「教科書が全然わかりません。そして私はバカだと思われることにすごい恐怖心を抱いているんです。でもこの感情と上手く向き合っていきたい。どうしたらいいですか?」と。するとツリーさんから「別に自分のことを好きにならなくても良い」との衝撃のアンサーが。えーーーーー!!!! つまりこういうことです。ツリーさんが言うには、自分のことを認めるか認めないか、好きになるか好きにならないかは、私たちの選択である。けれども私たちの存在は、私たちが自分のことを嫌いだとか好きだとかと判断する以上に尊いものである。なぜなら私たちは宇宙の一部で、愛するのか愛さないのかという以前にすでに愛なのだから、ということだったのです。

ひょっとすると私がこのプログラムで学ぶこととは心理学について以前に、それを腹に落とすことなのかもしれません。つまり、出来ない自分も至らない自分も私である。どんな自分もどんな事態も受け入れて味わい尽くす。恐れとともに生きながらも小さなステップを踏むということ、それが人生の醍醐味なのだと。究極的に言えば私はただ、自分の不完全さこそが完全だと腹に落ちるまで、ただ味わい尽くしたいだけなのかもしれません。そのトリガーのひとつが私にとっては、アメリカに来て心理学を学ぶということだったのかもしれません。もちろん、この人生が終わるまでにその境地にはなれないかもしれない。でも結果はともかくとして、ただそれを体験したいから行っているような気もします。

さてもうすぐオリエンテーションが始まります。どんな同級生なのでしょう? そして授業の内容は? 希望している研究室には入れるのでしょうか? またお伝えしたいと思います。

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テキサスの伯父夫婦宅で。訪問前の不安は杞憂に終わり、連日の大宴会。何者でもない私に無条件の愛をたくさん与えてくれました。
テキサスの伯父夫婦宅で。訪問前の不安は杞憂に終わり、連日の大宴会。何者でもない私に無条件の愛をたくさん与えてくれました。

 

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PROFILE
土居彩
編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。