会社を辞めて、こうなった。【第15話】 不運は幸せの入り口。
2015.5.10 — Page 2/2
失うものがない幸せ?
さらに図書館で見つけて借りた、ティク・ナット・ハンさんの『your true home』(あなたの本当の家)という本にもこんな話がありました。
ブッダがお弟子さんたちと森のなかで座っていると、ひとりの農民がやってました。「牛を見失ってしまったんです。見かけませんでしたか?」と。「いいえ」と返事した後、ブッダがお弟子さんたちに言うんです。「あなたたちは牛が居なくて本当に幸せですね。失う必要がありませんから」と。
これを読んで、何も持っていないというのは大きな自由があるということなんだと感じました。
こっちに来てからちょっと焦っていたような気がします。「早く大学に行かないと」「どこかに所属しないと」と。自分に制限をかけていました。それってせっかくバンジージャンプして自由を手にしたのに、今までの生き方と全然変わっていないということ。何をするか、どこに住むか。これからは自分を信じて、もっと思いのままに行動します。いろんな州や街をめぐって、いろんな人と出会うぞー!
となると、考えていた以上にアメリカ生活が長くなるかもしれないなぁ。
私のアメリカ生活は、まだまだ本で言うところのChapter 1 (第一章)の一段落目。これだけ日本とアメリカは違うわけだから、ふーん、なるほどねーと腑に落ちるまである程度時間が必要だろうなと思うワケです。でもせっかくなら、日本で生活できていたぐらいまでアメリカで暮らせるようになってみたい。小説だって、第2章の最後あたりから面白くなりますよね。いつかその場所から、アメリカという景色を見てみたいです。
SEE YOU!
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PROFILE
土居彩
編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。