“彼は家事育児できそう”で付き合っちゃダメ! 「長続きカップル」になる秘訣 #187

文・おおしまりえ — 2022.9.8
結婚がしたい、出産がしたい。焦る気持ちが高まると、ついいつもの自分では選ばないような相手を選んだり、しないような保守的な判断をしてしまったりすることってありませんか。それでうまくいけばいいのですが、なんだか違和感が日に日に大きくなることも…。ライフイベント重視で恋人を選ぶと、その後の人生で失敗するリスクが高まるときがあります。失敗とは、例えば離婚をしたり楽しくない生活を送ったりするということ。ではこうした失敗を回避する婚活の取り組み方について、お伝えします。

結婚や出産ばかり考えて恋人を選ぶと失敗するわけ

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【おおしまりえの恋愛道場】vol. 187


「結婚したい! 出産したい!」

そう思うものの、結婚や出産への気持ちが高まりすぎて、相手選びも「早く結婚して出産を叶えてくれる人」という視点“だけ”で見すぎていませんか。

条件をガチガチにして婚活を進めると、相手が見つかったとしても、その後の夫婦生活で失敗するリスクが高まります。今回は結婚や出産という夢を叶え、その先の人生も幸せを続けるための、相手選びの注意点についてご紹介します。

焦りから気持ちよりも条件優先! 誰しもあることだけど…

ちゃんと結婚願望があってしかも早くしたい人!
出産についても希望が一致していて協力的な男性がいい!

結婚や出産を焦る女性なら、こうしたことを考えるのは普通のことです。しかし、結婚や出産に条件を出しすぎてしまうと、視点が気持ちではなく条件優先になりがちです。

「この人は年収が高いから、安定した生活が送れそうだ」
「この人は一人暮らしが長いから、家事育児のレベルも高そうだ」
「この人は自営業だから、安定感がなくて結婚は無理そうだ」

気持ちは高まっていないのに、こんな判断をしたことはありませんか。

誰しも条件や希望をもつものですが、思考にとらわれて恋愛をすすめると、後になって大きな問題が出てきます。それは、“頭での判断と感情での判断のズレ”による苦しみです。

感情がともなっていない相手と人生を歩むのはハード

頭ではいい人だと思っていても、感情では「うーん、いまいち」という判断になっている。それでも、将来の希望や年収など諸条件がいいし、向こうも好意を寄せてくれている。だから断るに断れない。こうした矛盾を抱えたまま婚活をすすめると、いろんな判断が遅くなったりします。

判断が遅くなるだけならまだいいんです。
気持ちは冷めているのに「もっと長く付き合ったら私の気持ちも変わるかも」と考え、ダラダラと恋愛してしまう人も多いです。また最悪なケースは、「好きじゃないけど、相性も悪いわけじゃないし生活も安定しそうだから、この人と結婚しよう」と、気持ちが迷ったまま(冷めたまま)結婚まで進むケースも過去には聞いたことがあります。

この場合、物理的な安定はたしかに得られるかもしれません。しかし好意がそこまで伴っていませんから、共同生活という真正面からの付き合いが生まれたとき、我慢できないカベとなってしまう可能性が高まります。

ゴールは「結婚と出産」ではなく「幸せな人生」

過去に筆者が出会ったケースをひとつご紹介します。彼女はとにかく周りに自慢できる、安定した高学歴男性との結婚と妊娠を希望していました。そこでマッチングアプリで出会った公務員の男性と交際に至ったのですが、なんと彼への好意はゼロのまま結婚。ほどなくして結婚生活をスタートさせたのですが、気持ちがなさすぎるため、仕事を理由に一人暮らしからの引っ越しを先延ばし、共同生活の目処がいつまでも立たないそうです。

こうしたケースは極端ですが、もっとマイルドなケースであれば、結婚後に居心地が悪く、解消するエネルギーもなくて仲がギクシャクするとか、夫婦の営みに対して向き合えないといった問題がよくあがります。これら問題の根っこにあるのは、ひとつは「誤ったゴール設定」をすることにあります。

頭で考える人は「早く結婚すること」「結婚して子どもを産むこと」を何よりのゴールにすえて婚活をしています。しかし、本当は「幸せな人生をおくること」をゴールにおき、自分にとっての幸せに必要なモノを考え、努力をしていくのが健全です。

焦る気持ちもわかりますが、人は余裕がないときほど判断を焦って間違うことがあります。結婚や出産など年齢が関係する問題ほど、焦りがさらなる焦りを生み出します。
そういう時は直近のゴール(結婚するとか出産したいとか)から一歩視線を広げ、どういう生き方がしたいのかを考え、そこから結婚や出産を考えていきましょう。

頭での判断より気持ちの判断を振り返る習慣をもつ

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これと合わせて、もうひとつ普段から取り組むと効果的なことがあります。それは頭で考えた答えと心で感じる答え、それぞれに気づくということです。
「この人は公務員で次男で結婚願望も強いからいいな」といった頭での判断はすぐ理解できると思います。これと同時に「でもなんか別にドキドキワクワクしないな〜」といった心の感覚も、気づくようにしてほしいのです。

その後で、「気持ちはドキドキしてないけど、もう少しデートしたら変わるかも」という答えを出してもよし。その場でお断りするもよし。感覚や気持ちといった心の答えを無視しないということが、幸せな選択には大切です。

ゴールを幸せな人生をおくることに変え、気持ちがワクワク反応する方を選び、その上で努力や判断をする。結婚を見据えた婚活で失敗続きの女性は、こうしたシンプルな取り組みに、一度立ち返ってみてはいかがでしょう。
きっと見えてくる景色も、また変わっていくと思います。

おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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