結果、ダメ男になります…! 彼女が絶対してはいけない「彼への支え方」 #183

文・おおしまりえ — 2022.8.11
彼が好きだからいろいろ応援しているのに、気づいたら全然良いことがない。何なら、付き合う前よりダメ男になっているかも。そんなジレンマを抱えている女性はいませんか。献身的な女性ほど、彼のために何かできることはないかと探すものですが、サポートの方法を間違えると、彼がダメ男になる可能性すらあるんです。どんな方法がよいのか、紹介していきます。

実は彼をダメにするサポート方法とは

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【おおしまりえの恋愛道場】vol. 183


彼のことが大好きだからもっともっと彼のしたいことを応援したい。優しい女性ほど、こう考える人も多いものです。しかし、彼のことをいろいろ応援してみると、気づいたら相手がなんだか前より横暴になってしまったり、ダメ男になってしまったりしているケースはありませんか。実はそれは、彼へのサポートの仕方が間違っているんです。
今回は彼をダメにする彼女の応援について、原因と対処法をご紹介します。

人間関係は無意識でパワーバランスを保とうとする

解説の前に、そもそも人間関係の特性について1つお伝えしておきます。それは、人と人には無意識にパワーバランスを取ろうとする性質があるということ。

相手がだらしなかったら自分がしっかり者になるとか、相手が何も知らなかったら自分が教える側に回るとか。こうした役回りを人は無意識に感じ取り、自分の役割を変化させバランスを取っています。
恋愛関係に置き換えると、気づくと彼氏がダメになっているケースとは、実は彼女であるあなたの行動に彼をダメにさせる要素があるかもしれません。

原因1. 頼まれていないサポートを先回り

最初にご紹介するのは、いわゆる「おせっかい女房」に例えられるケースです。相手のことを思って女性がいろいろしているのに男性がダメになっていく。このケースの場合、男性からすると、やりすぎやおせっかいになっていることがあります。

親子に置き換えて考えるとわかりやすいのですが、子どもが望んでいないことを親が先回りしてするのは過保護で良くないと言いますよね。その結果子どもは親に依存的になるとも言います。
これをカップルに置き換えたのが、このおせっかい女房のケースです。

今彼を応援している自覚がある女性は、今までの行動をちょっと振り返ってみてください。今までしたサポートは、彼が望んでいたからした行動でしょうか? それとも彼を思って自分が先回りして提案したことでしょうか。後者ならそれは彼の自立心を削ぎ、あなたに依存するようなダメな方向に向かわせているかもしれません。

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原因2. サポートのつもりが相手のご機嫌を取っている

「彼のためになりたい」その気持ちが時に歪み、「彼の邪魔になりたくない」「彼には嫌われたくない」といった弱気なものになっている女性がいます。
こうした気持ちを原動力に彼を支えていると、相手はもれなくどんどんワガママになっていきます。

先程お伝えした人間関係のパワーバランスに乗せて考えると、彼に嫌われたくないという気持ちは、彼の下に立つようなもの。つまり上下関係を作ることであり、男性側が横暴な態度になる要因を作り出しているのです。

こうなってしまったら、まずは今までしていた相手のための行動を一旦ストップした方がいいでしょう。そして自分の行動を1つ1つ見返し、「相手に嫌われない」ではなく「自分がしたいと思った行動」だけをするようにします。

目に見えないからわかりにくいかもしれませんが、相手に嫌われたくないからする行動というのは、言い方を変えれば相手に媚を売っているようなもの。
その意図が相手に伝わっていると、相手の役に立っていたとしても、受け手はどんどん横暴でワガママになっていくのです。

彼を応援したいと思うからこそ、少しだけ彼と距離を取る。勇気を出してチャレンジしてみてください。

原因3. 相手を高めるフリして自分を高める

最後は、相手のためを思ってしている応援が実は自分のためが原動力になっていたという話です。たとえば、彼を応援している自分が好きとか、自分の彼はもっと素敵な人になってほしい。こうした気持ちが強いまま相手を応援すると、それはもれなく、彼のためではなく彼を通した自分のためにしている行動になります。

この気持ちで彼をサポートすると、相手にとって本当は求めていない情報や手助けが増え、相手はあなたのことをうっとうしく思ったり、逆にコントロールされている感覚を覚え、やる気を失っていったりします。
あくまでも相手のペースと希望を考慮し、応援するときは相手の希望に寄り添うことが大切です。

行き過ぎたケースでは、相手を応援しながら自分を高めたいと思うあまり、結果として彼と自分の競争関係が生まれることがあります。彼を応援していたら仕事で成果を出し始め、なんだか彼女は嫉妬心が湧き出したといったケースがこれに当たります。どちらかと言えば、仕事を頑張る女性に多いかもしれません。

まず彼は彼、自分は自分と、どんなに仲が良くても別の存在であることを改めて自覚していきましょう。彼の成果は彼の成果。自分の評価にはつながらない。彼の頑張りの責任は彼にあるし、彼がしたいようにするべきこと。

こうした自分と彼を切り分けたスタンスが取れれば、恋人を自分の一部として見るような視点は働きにくくなります。その上で、純粋に相手を応援したいと思ったら、見返りを求めず、相手が必要としている行動をしてみましょう。

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彼を応援していたつもりが、気づいたら応援する前よりダメになっている。そんな悲しいケースを改善させる方法について、原因と解決方法をご紹介しました。人は好きだからこそ、頑張りすぎたり、相手に介入しすぎてしまうんですね。バランスが難しい部分もありますが、筆者は常々「風邪薬は本人が風邪を自覚し、欲しいと言うまで渡してはいけない」と例えてお伝えしています。

風邪薬を相手が風邪と気づく前に渡すと、本人は「これが風邪だ!」と知る機会を失います。
本人が風邪だと言ったから薬を渡すと、「風邪の対処法」を自分で探して解決する機会を失います。
本人が風邪だと言っただけで薬を渡しても、本当に求めていたものは暖かいお布団かもしれません。先回りすることで、ニーズの不一致を生み出してしまいます。

本人が「欲しい」という行動が出るまでは、できる限り見守ること。そのうえで、適切な要求があったら、適度に満たしてあげるところから応援は始めていけたらいいでしょう。

おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


©LaylaBird/Gettyimages
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