長続きするコツ…彼との喧嘩で「絶対に言ってはいけない」NGワード #116

文・おおしまりえ — 2021.4.15
ケンカになると、彼がいつも黙ってどこかに行ってしまう。何を言っても反応がなく、イライラが募る。そんな悩みを抱えて恋愛している女性はいませんか。殻に籠もる男性は女性よりも多いと言われていますが、それを無理やりこじ開けようとすると喧嘩はさらにヒートアップすることに。今回は黙る人の心理と、正しい対応方法をご紹介します。

怒るとだんまりモードの彼氏! 何でそうなるの? 正しい接し方と解消方法

喧嘩 彼 黙る 解決

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 116


人によって怒った時の対応は異なるものですが、女性よりも男性のほうがよくやりがちなのが、怒ると黙ってしまうといった対応方法です。ムスッとして無視したり、ベッドや外に逃げてしまったり。建設的な解決とは真逆の行動のため、イラッとしたことのある女性も多いのではないでしょうか。

いったいなぜ、彼らはこのような対応方法を取ってしまうのか(男性に限らず、女性も怒ると黙るタイプはいますが)。今回はそんな心理と、解決へ向けた取り組みについて考えてみたいと思います。

だんまりモードの心の中はどうなってる?

男性に限ったことではありませんが、一般的に不機嫌さを「黙る」といった行動で示すことがあります。その際彼らの心の中はどうなっているのかというと、まず黙るといった行動で自分自身を守ろうとしています。

人がイラッとしている(怒りを覚えた)瞬間というのは、外部から自分への攻撃や身の危険を感じた反射行動を起こしている証拠です。つまりこの反射行動のひとつとして、状況や感情を受け止めきれるまで殻にこもる、といった行動に出ることで、一時的な安全を確保するのです。

なぜ女性よりも男性にばかり黙るタイプが多いのかというと、1つは男性の育った環境が、「男なんだから我慢しなさい」「男の子なんだから泣くな」といった、感情の押さえつけを習慣にして育っている傾向が強いからです。

感情を外に出すのは悪いことと考え、あまり出し慣れていない人は、イラッとしたらまず黙って状況をやり過ごそうとするのが習慣になっています。怒りを感じるとまず黙って自分を守ったり嵐が過ぎ去るのを待ったりするのです。

だんまり男性に怒りを増幅させる女性

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当人は殻にこもって待つという対応を取っているわけですが、それを目の当たりにした恋人としては、納得できないと思います。リアクションを取ってほしくて話しかけても無視。思っていることがあるのかと問いかけても無視。今後について話し合おうとしても無視。そんな対応をされると、相手はもともとあった怒りが増幅していきます。

そもそも言葉や感情を他の人に投げかけるのは、リアクションがほしいからです。それをスルーされたら、傷つき、不安を感じ、さらにその感情が高まるのは当然の流れです。こうしたすれ違いのやり取りの結果、黙る男性✕怒りを爆発させる女性という喧嘩の図式ができあがり、一向に前向きなやり取りができなくなるのです。

彼氏がだんまりモード、その時どうしたら良い?

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彼氏がだんまりで話し合いにならない。そんないら立ちムードの時は、「何で何も言わないの?」「言わないとわかんないじゃん」「いつもそうやって黙ってばっかりでさ」といった感情を出した誘い出しをしてはいけません。相手はさらに強く殻にこもっていくだけです。

ここでは適切な仲直りのステップを踏むために、3つのフェーズでやれることを紹介していきます。

1:自分の怒りや不満、リアクションが返ってこないことへの不安を受け止める

まず、ケンカのスタート時よりも相手が殻に閉じこもったことで、受け手の私たちはさらに怒りが増していることに気づきましょう。その怒りの正体は多分、彼からリアクションが来ないことへの悲しさや不安だと思います。こうしたネガティブな感情があって、それに振り回されそうになっている自分をしっかり感じてあげてください。

2:相手にきちんと呼びかける

振り回されそうな自分に気づいたら、今度は深呼吸しつつ彼にリアクションを取ってみましょう。この時大事なのは、強引に相手を殻から引っ張り出さないこと。イメージとしては、仕事の相手に呼びかけをするくらいの感覚で、相手の「殻にこもりたい」という都合を理解し、ノックします。

「ねえ、何で話さないの?」といった相手の状況を批判するような言葉ではなく、「私、何を話しても黙ってられるとすごく不安だから、少しでも話し合いがしたい」といった感じで、あくまでも自分が今どうで、何をしたいか、自分を主語にして希望を伝えましょう。

またこの呼びかけに彼が応じなくても、イラッとしないこと。大切なのは、呼びかけてこちらの気持ちや希望を共有するところまでです。

3:出てくるまで放っておく!

ここまでできたら、あとは殻から出てくるまで相手をそっと放置します。相手が出てくるのを「待つ」のではなく「放置」をするのがポイントです。なぜ待ってはいけないのかというと、「待つ」とは相手に主導権を握らせる行為だからです。待つ時間は相手への期待も高まるため、出てきた時に期待と違う行動をすると、また怒りが湧いてしまうかもしれません。

こうして正しく殻から出てきた相手と出会ったら、責めるのではなく自分がどう感じているか、どうしてほしかったのかなど、自分を主語にした話し合いができるといいでしょう。聞く側も責められている印象は感じず、いつもとは違う向き合い方ができるかもしれません。

男性と女性に区切って解説していきましたが、人は性格や育ってきた環境によってコミュニケーションの癖を持っています。そのひとつが、怒ったときの表現の仕方です。怒りが湧いたときは自分の感情を優先してしまいがちですが、相手の都合を考えて、少しずつ大人な対応、大人な関係づくりができると、より良い恋愛に発展するかもしれません。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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