褒めると良くない!?…彼との距離がすぐ縮まる「効率的な会話テク」 #110

文・おおしまりえ — 2021.2.25
相手のことをもっと知りたい。自分と合うのか判断したい。自然と盛り上がってそれが確認できたら良いですが、お互い緊張していたりすると、会話が深まるまでに時間や回数が必要だったりしますよね。効率的に相手を知り、そして自分を知ってもらうためには、会話にいくつかコツがあります。今すぐ試せるポイントを5つ、ご紹介します。

短時間で相手を知るために、話したほうがいいこと、聞いたほうがいいこと

会話 テク

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 110


春が近づいてくると、考えるのは新しい出会いかもしれません。今はコロナ禍ですが、春は例年、新しい出会いや恋が生まれやすい季節です(並行して別れも多い季節ではありますが)。

でも、新しく出会った人との会話って、どうしても親しくなるのに時間がかかる人もいるかもしれません。短時間で自分を知ってもらい、相手を知るためには、どんなところに気をつけていけば良いのか。今回は5つのポイントをご紹介します。

相手を知りたいならそのぶん自分の話を先にする

初対面での会話って、どうしても「深まらないなー」と感じることってありませんか。質問をすれば返ってはくるけど、どうしても突っ込んだ話には発展しない。

そんなときは、相手に話を求めるより前に、自分の“深い”話を先にするのが良いでしょう。「相手の話を聞きたいのに自分の話をするの?」と思われがちですが、人は誰しも、相手が見せた情報と同じくらいの情報を自分も出さないと…と思う性質があります。つまり、相手に「自分はここまで話しました」という姿勢を先に見せることが、コミュニケーションの始めでは大事です。

例えばちょっと気になる男性に、過去の恋愛ことを聞きたいときは、まず自分の恋愛傾向や失恋の話とかから始めてみるのが良いでしょう。「私はこんなだけど、あなたはどう?」と話を振れば、相手も自分のことを話しやすくなります。

「事実」より「気持ち」を話す&聞く

初対面の相手との会話では、仕事や趣味、普段のことなど、自分のいろいろな面を説明することも多いと思います。この時、相手と距離を縮めたいなら、「事実」ではなく「気持ち」を中心に話をしたり聞いてみたりすると、素早くお互いのことがわかっていきます。

例えば趣味の映画について話をする場合、「この映画はこうでああで面白い」と作品の説明をするのも良いですが、「この映画のこういうシーンに、ぐっと来る」とか「こういうキャラクターにいつも惹かれる」とか、事実より気持ちにフォーカスして話をしてみましょう。

相手に自分の価値観がより伝わりやすいし、相手としても、どんな話をされていても、気持ちという軸が話の中心のため、理解しやすく質問も返しやすくなります。

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共通点を見つける旅に出る

同じ出身地や同じような職業、はたまた同じ血液型やきょうだい構成をしている。こんな風に“同じ”がたくさんある人と出会うと、人は偶然とはいえ、相手とすごく親しい感覚を覚えたり、場合によっては特別な存在と思ったりしがちです。逆にいえば、初対面の会話は共通点を見つける旅だと考えると、相手への興味も湧きやすいし、質問もしやすいかもしれません。

ただ、この共通点から抱く好きという感覚には注意点もあります。それは、本当に相手を心から好きだと思えているかがわかる前に、共通点という事実が勢いをつけすぎてしまうことです。

「こんなに合う部分があるってことは、運命かも!」みたいに感じすぎてしまうのです。これって、恋愛とか結婚とか長い関係を見据えるなら、良さでもあり危険な部分でもあるのです。初対面では共通点を探す旅を楽しみながらも、最後の決断は少し冷静に相手を見ていきましょう。

名前を呼んでみる

名前を呼ぶって、当たり前すぎることですが、初対面でも慣れ親しんだ関係でも、相手との距離を縮めるにはとても有効です。まず、初対面で名前を呼ぶと、無意識に心理的な距離が縮まります。名字より下の名前のほうがその効果は高いのですが、まずは上の名前を積極的に会話に盛り込むところから始めましょう。

この名前を呼ぶ行為は、慣れ親しんだカップルや夫婦でも効果を発揮します。突然「ねえ」とか「あのさ」といった空気感のある呼び方ではなく、今までと違う呼び名で呼ばれると、意識していなかった自分と相手の距離が見えて、逆にドキッとします。呼ぶほうも勇気がいるのですが、この勇気が、2人の距離をドキドキしたものに変えてくれるのです。

褒めずにそのままを受け取る

「相手と良い関係を築くなら、褒めることが大事」と、よく言いますよね。それも正解ですが、できれば褒めるより前に、「相手が言ったことをそのまま受け取る」ということも意識してもらいたい部分です。人は誰しも、褒められるより、ただそのままを受け止めてもらえるだけで安心感が増し、相手に心を許しやすくなります。

そもそも、褒めるという行動には「受け取った側の評価」がセットです。この受け取った側の評価が褒め言葉に乗っかりすぎると、褒められたけど良い印象を残さないこともあります。

例えば毎日残業して仕事を頑張っている男性に対して、「毎日残業してすごい!」と褒めたとします。もちろん悪い印象にはならないのですが、実は当の本人は仕事を頑張っていることは認めてほしいけど、残業続きの毎日を良いことだと思っていなかったら、この褒め言葉は微妙に本人には響かないものになります。それだったら「毎日残業していて忙しいんだね」と、相手の言葉をそのまま受け取って返すほうが、話したほうは安心できるかもしれません。

テクニックとして褒め言葉は有効と言われていますが、無理して褒めるくらいなら、まず相手をありのまま受け入れるだけで、2人の心の距離も縮まりやすくなります。

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今回5つの初対面で使える会話のテクニックをご紹介しました。全てのテクニックをすぐ使いこなすのは難しいかもしれませんが、ぜひどれか1つから始めてみると、相手のことが短時間でわかってくるかもしれません。この春、素敵な出会いがありますように。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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