嫌われそう?…好きな人にだけ「自分を出せない」女性の特徴 #108

文・おおしまりえ — 2021.2.11
好きな人には嫌われたくない。それは誰しもが思うことですが、その結果相手の気持ちを過剰に察したり、気を遣いすぎたりしてしまうと、逆に恋愛がうまくいかないことがあります。こうした“嫌われたくない症候群”は、一体なぜ起きてしまうのか。その仕組と対処法をご紹介します。

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 108

好きな人にだけ本音を言えない! “嫌われたくない症候群”はなぜ起きる?

好きな人 本音 言えない

好きな人からは大事にされたい。それは誰しもが思うことです。しかしその気持ちが「嫌われないようにしなきゃ」といった行動になりすぎると、彼の前で本音が言えなくなる…ひどいと本音がわからなくなるといった問題に発展します。

例えば筆者が過去取材した女性は、好感を持った知人や友人男性には何でも言えるし自然体でいられるのに、好きという感情が芽生えたりすると、自分がどう感じているか、どうしたら良いかがわからなくなり、結果として変な対応になってしまうとか。

変な対応の代表は以下のようなこと。

  • 本音がわからない&言えない
  • 相手の都合を最優先しすぎてしまう
  • 彼の問いかけに何でもイエスと言ってしまう
  • 自分らしさがわからなくなってしまう
  • 自分がどうしたら良いか(どうしたいか)がわからない

こうしたプチパニックは、百害あって一利なし。とはいえ、どうしてこんな思考回路になってしまうのか、どうしたら脱出できるのかをまずはご紹介していきます。

「嫌われたくない」がこじれを生み出す根っこにある問題

好きな人 本音 言えない

最初にお伝えしておきたいのが、嫌われたくないと思う気持ちは誰しも持つものであり、適度に相手を気遣ったり合わせたりすること自体は問題ではありません。問題なのは、嫌われたくないと思った結果、過剰に自分を押し殺してしまうクセがついている点にあります。

過剰の度合いの目安としては、自分より相手を常に優先しすぎてしまっていたら、それはやりすぎと言えるでしょう。なかには相手を優先しすぎるあまり、自分の気持ちがわからなくなる人も多くいます。

こういったこじれた気持ちの根底にある問題は、「好かれるためには、嫌われないように振る舞わなくてはいけない」という強い思い込みです。つまり、私たちの頭の中に「好かれる振る舞いができる=嫌われない=愛される、大事にされる」という図式ができあがっているから、無意識に相手を優先するような対応をしすぎてしまうのです。

こうした思い込みは、小さい頃から親や周りの大人の顔色をうかがい察して動くタイプの子や、逆に親が条件付きの教育をしていた家庭で育つ子に多かったりします。「自分が自分でいるだけで愛されている」という状態を感じた経験がないから、大人になってもいろいろ相手のために気を回しすぎてしまうのです。

プチパニックが恋愛にもたらすデメリット

気を回しすぎた結果、自分の気持ちや個性を無意識に押し殺してしまうクセがついている女性たち。でもそれは、恋愛においてはいい人にはなれても、愛される人にはなりません。

なぜかというと、いい人と愛される人はイコールではないからです。いい人で居続けることは、感謝されても常に愛されることではありません。それと同時に、好きな人に合わせることでバランスを取る関係になじんでしまうと、合わせたほうは、同時に「合わせ続けないと相手から捨てられてしまうかも」という恐怖心の芽を自分の中で育て続けることになります。

その結果、相手を疑う気持ちがいつまでも収まらなくなると、だんだん自分も疲れてくるし、相手も面白みを感じなくなってしまいます。

プチパニックを今すぐ対処する3つの方法

好きな人 本音 言えない

一緒にいてもお互いが安心して幸せや面白さを味わえない恋愛って、続けていくのはちょっとシンドイですよね。ではこうした相手に合わせすぎてしまうモードになった際、どう対処したらいつもの自分に戻すことができるのでしょう。ここでは今すぐできる簡単な3つの方法をご紹介します。

友達や仕事の場面では同じ対応をするかを考える

相手に合わせすぎているなと感じた時、これが恋愛相手ではなく友達や仕事の場面だったら同じことを選ぶかを自分に問いかけてみましょう。だいたいが「友達だったらこう返す」とか「仕事だったらこんな無理は合わせ方はしない」といった、いつもの自分を感じられると思います。

あの子だったら、なんて言うかを想像する

例えば尊敬するあの人や、いつも恋愛相談に乗ってくれるあの子だったら、今の状況になんてアドバイスをくれるかな…。ある種の天の声を想像してみると、自分の歪みにスムーズに気づけるかもしれません。

ちなみに筆者の周りのある女性は、自分がプチパニックに陥ると、メンターとして参考にしている人物を想像するとか。するとだいたいが「それって妄想入ってない?」といった冷静な一言が聞こえてくる気がして、ふっといつもの自分に戻れるといいます。

恋愛以外の何かに集中してみる

こうしたプチパニックで大事なことは、一旦問題から距離を取ることです。彼が目の前にいたら難しいかもしれませんが、LINEなどのやり取りでパニックになった際は、少し別の何かに夢中になり、頭の中から彼の存在を一旦消してしまうのも有効です。仕事やゲーム、読書や友達とのおしゃべりでもOK。彼が頭の中から一旦消えたら、もう少し冷静な気持ちや答えが見えてくるかもしれません。

嫌われたくないって、誰しも好きな人には思うものです。そして恋愛スタート時には、大なり小なりみなさんが相手を気遣い、様子をうかがう期間があったりするものです。一般的には、そういった様子見の期間は3か月くらいで落ち着いていき、同時に自分らしくて安心できる恋愛の形が見えてくるものです。

しかし、今回ご紹介したプチパニックを起こしていると、3か月たっても1年たっても、どこか相手の顔色をうかがい続ける傾向があります。自然体に恋愛をしたいと思うなら、こうした自分の心のクセを見直してみると、また今までとは違った恋愛を楽しむことができるかもしれません。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


©zoranm/Gettyimages
©martin-dm/Gettyimages
©bymuratdeniz/Gettyimages