気遣っているのに…彼に尽くすほどフラれる「哀しい女性の特徴」 #92

文・おおしまりえ — 2020.10.22
彼に愛されたいから、彼のためを思っていろいろ気を遣う。でも、気を遣うほどなぜか彼の態度がそっけなくなることってありませんか? 実はそれは、気遣いの根底にある感情が透けているからかもしれません。

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 92

気を遣い、尽くしているのに振られる! 響く気遣いと雑に扱われる気遣いの違い

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彼が大好きでもっと彼に喜んでもらいたいと思う女性ほど、恋愛中は気遣いや尽くし行動をしがちです。相手の予定に合わせ、相手のやりたいことを一緒にやり、相手の好みに合わせていく……そうやって相手色に染まっていくと、恋愛はうまくいくかと思いきや、そうもいかないのが難しいところ。多くはなぜか、彼がだらしなくなっていったり、あなたに冷たくなっていったりすることが多いのではないでしょうか。

せっかく頑張って相手に合わせているのに、恋愛がうまくいかないのでは意味がありません。でもあまり意識することはありませんが、気を遣ったり尽くしたりといった相手を気遣う行動には、実は2つの性質があるんです。

「気を遣う」には2つの種類がある

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気を遣ったり尽くしたりする行動には2つの性質があり、どちらをしているかで相手に与える印象も無意識レベルで変わっていきます。ではその2つはいったい何かというと、自分が中心か、相手が中心かの違いです。

自分を守るための気遣い

「気遣いは相手のためにしている」多くの女性が自然と思っていることです。しかしその中のほとんどは、相手を気遣うふりをして自分を守るために行っているものがたくさんあります。

  • 相手に嫌われないために相手の行きたいところに行く
  • 相手に嫌われないために好みの女性になる
  • 相手に嫌われないために呼び出しにも応じる

例えばこんなことをした経験、誰しもがありませんか。これをすると、残念ながら相手には感謝はされることはあっても、愛されたり大切にされることはありません。

なぜなら、これら気遣いは「相手から嫌われること」から自分を守るために気遣いをしてるからです。一見相手のためと思いきや、裏側には好かれたい、嫌われたくないといった自分の要望が隠れています。

こういった自分のための気遣いをしていくと、悲しいことに相手には「好き」という気持ちは伝わっても、それに対して同じくらいの好きが返ってくることはありません。逆に「ここまでしてくれるなら、何もしなくていいや」と言わんばかりに、相手はあなたへの扱いが雑になっていきます。

相手のための気遣い

もう1つは、本当の意味での、相手のための気遣いです。自分が嫌われないためにしているか、相手を想ってしているか見分ける違いはたった1つ。それは「相手から何かを期待しているか」です。

例えば「嫌われないために相手に合わせる」は、嫌われないことを期待していますから、相手のための気遣いとは言えません。よくある「相手に喜んでほしいから身の回りのことをする」とか「相手に楽しんでほしいからデートを計画する」とかも、若干怪しいところなんです。

例えば何かした時、相手に喜んでもらえなかったことですごく悲しくなったり不機嫌になったりすることってないでしょうか。あのネガティブな気持ちが強く湧いた場合、それは相手のためではなく、自分の気持ちを満たすために行っている可能性があります。

ちゃんと相手のために自分がやりたいと感じた行動をした時、相手から期待どおりの返事がないと、多少落ち込んだとしても、すぐに「自分の気遣いは間違っていたのだな」という事実だけを受け止めることができるはずです。

相手のためか自分のためか、根本の気持ちが違うだけで、行動から漂う空気は少しずつ変わり、その結果相手伝わる感情も少しずつ変化していくものなのです。

なぜ彼は、あなたが尽くすほどだらしなくなっていくのか

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先程、相手に気を遣ったり尽くすほど相手があなたに対して雑になっていくとご説明しました。でもなぜ、表面的とはいえ相手のために行動すると、男性は比例するようにだらしなくなっていくのでしょう。1つは相手の中での甘えが大きいのですが、もう1つ理由があります。それは人間関係のバランスの性質です。

人間関係では、もともとあるその人の性格が発揮されるだけでなく、相手とのバランスを保って前に出る性格が変化する特徴があります。例えばしっかり者の彼と付き合うと、甘えん坊になる女性って多いですよね。これはしっかりした彼とのバランスを取るため、あなたの中の甘えん坊な性格が前に出てバランスを取ったから起きたことです。

気遣いの例でいうと、彼女であるあなたが相手のためにと行動するほど、彼はあなたの性格とバランスを取るため、だらしなく雑な彼になっていきます。彼女を頼る存在になることで、2人の間でのバランスを取っているともいえるのです。

その結果、あなたはさらに彼に気を遣い、彼は気を遣った分、さらにあなたに雑になっていき、あなたを愛さなくなる。こんな悲しいバランスってないですよね。

自分を好きになってもらおうと頑張ることを全部否定するわけではありませんが、嫌われないように頑張る気遣いは、裏目に出ることがほとんどです。ありのままで頑張ってとまではいいませんが、気遣うふりをして自分を守る行動は、少し見返してみると関係性も変わってくるかもしれません。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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