ブスなのになぜ?…男が「浮気相手に可愛くない子を選ぶ」理由 #78

文・おおしまりえ — 2020.7.16
彼が浮気した! 気づいた瞬間怒りと悲しみで絶望しそうな問題ですが、「浮気相手って自分よりブスが多いな」なんて思う女子はいませんか? 実際これってどうなのか…実はそれ、あなたの認知の歪みが相手をブスと無理矢理思わせているのかもしれません。

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 78

なぜ浮気相手は彼女よりブスが多いのか問題

浮気はクセとよく言いますが、「浮気する男」も「浮気される女」も、実はどちらも無意識のクセだったりします。浮気する男は同じような女性とばかり付き合い、そして浮気を繰り返します。そして浮気されない女子というのは、何人付き合ってもされることはありません(別の問題に引っかかることはありますが)。

やっかいな浮気を経験した女子の中には、浮気相手と対面したり、相手の顔を見たりしたことがあるかもしれません。そして同時にこう思わなかったでしょうか? 「私より可愛くない…」と。

実はあるアンケートによると、「浮気相手は彼女(つまり自分)よりも可愛くない場合が多い」という質問に対し、約7割の女性がYESと答えたという例もあります。もちろんケースバイケースなので言い切ることはできませんが、多くの女子は心の中では「浮気相手は自分よりブスが選ばれがち」と思っている人が多いのかも。

果たしてそれは真実なのか。実はそれ、あなたの認知に原因があるかもしれません。

体の関係優先だと、かわいいは後回しになることも

とはいえ、傾向だけ先に1つお伝えすると、浮気相手が彼女よりも見た目に関して可愛くない場合はよくあります。その理由は、浮気という行動の動機が「セックス」だから。

彼女という存在なら、セックスだけでなく「好き・嫌い」といった感情が混ざり「一緒に過ごしていると嬉しいか楽しいか」「見た目が好みかどうか」など、長期的な関係を築くための条件がいろいろ入ります。その結果として、お互いが相手を選ぶわけです。

しかし浮気に関してはセックスしたいという欲求が先行していることが多く、欲望と欲望がタイミング良くぶつかった結果、浮気に発展していることが多かったりします。

欲望をぶつける相手であれば、当然長期的な関係を重視して選んでいませんから、容姿に関する条件もゆるくなる傾向があります。その結果として、浮気相手と長く関係を続けたとしても、「彼女より可愛くない浮気相手」といった印象になることがあるのです。

しかしこれは一般的に誰もが想像できる解釈でしょう。実はもう1つ、私たちは浮気相手を見るとき「可愛くない」と解釈する大きな心の落とし穴があります。

傷つく心を守るために「ブス」を見つけて安心する

あなたが「自分より浮気相手はブスだ!」と感じるとき、そこには「浮気された」という心の傷を守ろうとする働きが起きています。その結果「相手は自分よりブスだ!」と思える部分にあえて注目し、自分のプライドを守っている可能性があるんです。

浮気相手が自分より可愛くないと思えると、あなたは「浮気された私には何にも原因がない」と解釈することができます。つまり、自分の心が傷つかないよう守ることができるんです。これは心の防衛行動のひとつといわれており、心理学ではこれを「認知の歪み」と呼んでいます。

浮気に限らず、私たちは誰しも「自分ならではの物事の見方」という「認知の歪み」を持っています。つまり1つの個性なのですが、極端に歪んでしまうと物事を正しく捉えることができなくなります。その結果、問題に向き合い、改善させたり成長したりする機会を逃してしまうのです。

今回の浮気の話でいえば、「彼が性欲に負けて自分よりブスと浮気した」で片付けると、あなたの傷ついた心は守られるかもしれません。しかし、彼がなぜ浮気に走ったのか、原因と向き合い、関係を改善させるチャンスが流れてしまいます。

もちろん浮気されたことは辛いし、怒りしか湧かないとは思います。でも、そこで問題に蓋を閉じてしまうと、前に進むことができず、きっとあなたは浮気の怒りを抱え続け、また浮気されるのではと怯えてしまうのではないでしょうか。

「守る必要はない!」その気持ちをほぐすと前に進める

「浮気相手はブスだ!」

このような、歪んだ解釈が自分の中で出てきたら、どうしたら良いのでしょう。まず、ブスだと思う感覚を無理に打ち消す必要はありません。まずは「ブスだ!」と思えてならない自分のネガティブな感情に気づいてみてください。

多くの浮気された女子の心には、怒りや失望感があると思います。こういったネガティブな感情がこれ以上傷つきたくないとうずき、結果として「彼氏が全部悪い! 浮気相手はブスだ!」なんて結論を出させてしまうんです。

とにかく怒りや悲しみ、失望感を感じて出し切ると、状況が少し冷静に見えるようになっていきます。ちなみに感情を出し切る方法はいくつかありますが、ノートに思うままに言葉を殴り書きするのはひとつおすすめです。

感情がある程度消化できてくると、彼と浮気相手について、だんだん冷静に判断できるかもしれません。そうなれて初めて、浮気相手がどんな人か、なぜ浮気をされたのかを考えていくことができるのです。

「ピンチはチャンス」とよく言いますが、チャンスにするかどうかはあなた次第。冷静になった結果彼と別れてもいいし、続けてもいい。浮気相手を「やっぱりブスじゃん」と言ってもいいんです(笑)。大事なのは問題に蓋をしないこと。あなたがそこから、何を感じ取るかなんです。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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