夏の恋が「ひと夏」で終わるもの終わらないものの違い #30

文・おおしまりえ — 2019.8.22
夏の恋は終わりやすい。みなさんもそんな切ない恋の経験があるかもしれません。恋が始まった時は「運命かも」なんて思ったものの、夏の暑さとともに落ち着いてしまうこの恋。せっかく始めるのなら長続きさせたいものですが、一体どうしたら長く続く良い関係に育つのでしょう。そこには”夏”ならではの特別なポイントが関係しているんです。

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 30

夏の恋が「ひと夏」で終わるもの終わらないものの違い

夏といえば恋の季節。海に花火に夏祭りに……ほかにも夏はイベントが目白押しで、その勢いにあやかって恋愛が始まることも多いものです。でもちょっと困ったことも。それは、夏の恋は暑さの終わりとともにしぼみがちということです。終わってしまうものは仕方ないとはいえ、「ひと夏の恋」はなぜ長続きしないのか。また続く恋とは何が違うのでしょう。

なぜ夏は恋が生まれやすいのか

夏は恋が生まれやすい。そもそもみなさんの中に共通認識としてあると思いますが、その理由まで考えたことがあるでしょうか。実は3つの点が、恋を生み出しやすくしています。

イベントが多い

イベントが多いと、人は「行く人を探さなきゃ」という気持ちになります。またイベントを口実に人を誘いやすいため、夏は特に恋愛が生まれやすくなるといわれています。

休みがある

夏はお盆休みや夏休みがあります。また9月に入ればシルバーウィークが控えています。人間というのは面白いもので、暇になると恋愛をしだすといわれています。そのため長期休暇などの時間的な余裕は、恋愛を生み出してくれるのです。

暑い=人は活動的になる

人間の本能として、寒い時より暑い時のほうが、活動的になります。「暑くて家から出られない」なんて言いますが、本当に家から出られない人が多いのは寒い時期です。そのため、外に出る=恋愛に向く人も総合してみると増えるといわれています。

3点の理由を踏まえると、クリスマスなどがあるとはいえ、冬よりも断然夏のほうが恋は生まれやすいといえます。

ひと夏の恋で終わる恋愛に共通すること

でも夏の恋は、暑さの終わりとともに気持ちまで終わらせてしまうこともあります。謎めいたその仕組みは、「ハレの恋」というイレギュラーな状況です。
普段私たちの生活には「ケ」と「ハレ」の日があります。ケとは日常のこと。ハレとは非日常のことを指します。

夏の恋が始まるタイミングや、2人の関係がより親密になるのは、お祭りやBBQ、旅行やフェスなど、非日常の中で加速することが多いものです。当然ながら、外出先やイベント中というのは、男女どちらも普段とは違う一面を見せあいながら接しています。

その中で恋に落ちた場合、夏が終わり日常であるケに戻った際、「あれ? この人のこと好きじゃないかも」「実は合ってないかも」という夢から覚めた状態になりがちなのです。その結果、ひと夏の恋は終わりを迎えてしまうのです。

長く続く恋愛にするため、夏の恋が注目すること

せっかく結んだ恋愛関係、できる限り、長く続けていきたいものです。気持ちが途切れなければよいわけですが、途切れさせないためにも、視点を変えて夏の恋と付き合うのが良いでしょう。ここでは3つのポイントを紹介します。

相手の良い部分を客観的に把握する

夏は勢いで恋愛しがち。だからこそ、ちょっとだけ冷静さを保ち、相手の良い部分をたくさん意識的に拾い上げることが有効です。海やお祭りなどのシーンに偏った良い思い出は、日常に戻るとかすんでしまうものですが、その人の中にある良さを見いだせていれば、場面が変わっても変わらず好意を抱けるものです。

ハレの場はボーナス加算を意識

ハレの場は相手をいっそう良く見せるもの。相手の目に映る自分も、自分の目に映る相手も3割増しです。それを意識しているだけで、夏の恋は勢い任せではなく、地に根ざした恋愛へと変化するでしょう。どんな場所も、行く人が素敵だから良い思い出になる。だからこそ、彼そのものにもっと注目していきましょう。

いっそ夏の間は付き合わない

ハレの期間を思いっきり楽しみたいなら、いっそ夏の間は付き合わず、「吟味の期間」に当てるのも1つの手です。イベント中にロマンチックな雰囲気を楽しみ尽くし、心もカラダも落ち着いてきた秋口になって、正式に付き合うか決めるのです。

少し話は変わりますが、人間というのはそれぞれ基質があり、1年を通して活動のリズムがなんとなくあったりします。例えばある女性の場合ですが、彼女は寒さに極端に弱いため、冬は恋愛も仕事も内側にこもりがち。その反面夏はなんだか無償に活動的になり、良くも悪くも恋愛に花が咲いたり、仕事がめちゃくちゃ忙しくなったりするそうです。

今はそれを踏まえ、冬の体調管理の強化と、夏の勢いに任せた行動を控えるようにしているとか。こういった自分の特性を把握すると、「夏に恋愛のスタートは切らない」という選択もアリなのが、わかるかもしれません。

「この恋は勢いじゃない!」そう思いたくても、気持ちというのはある日突然途切れてしまうこともあります。でも途切れるには途切れるなりの理由があるもの。せっかくの始まった恋愛をより良くするためにできることはたくさんあります。夏のイベントを楽しみながら、ぜひ長く幸せが続く恋愛を2人で育てていきましょう。

おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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