BTSジョングク、Stray Kidsも大注目! 男性アーティストimase「音楽を始めたのは20歳のとき」22歳の現在地

写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり — 2023.5.25 — Page 1/2
【音楽通信】第139回目に登場するのは、音楽を始めて1年でデビューし、飛ぶ鳥を落とす勢いでいまや国内外でティーンを中心に大人気の新世代アーティスト、imase(イマセ)さん!

趣味で始めた音楽がいまや韓国でも大人気に


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【音楽通信】vol.139

2020年11月、20歳のときから音楽活動をスタートした、新世代アーティストのimaseさん。2021年5月にはTikTokに初めてオリジナル曲を投稿してバイラルヒットし、約半年後の12月にはデジタルシングル「Have a nice day」でメジャーデビューを果たしました。

2022年には「ポカリスエット」や「JT」などのCM曲やドラマタイアップにも抜擢され、現在、TikTokでの総再生回数は20億回超えに。さらに、2022年8月に配信リリースした「NIGHT DANCER」は韓国のボーイズグループ「Stray Kids」などのアーティストがダンスチャレンジしたことからより浸透。最近ではBTSのジョングクさんも、公式ファンコミュニティサービスで歌を披露するなど、韓国をはじめとした世界各国へとバイラル中です。

そんなimaseさんが、2023年5月26日に、ニューシングル「Nagisa」を配信リリースされるということで、お話をうかがいました。

――20歳から音楽を始めたimaseさんですが、そもそもどのような音楽環境に育ったのでしょうか。

小さい頃は、歌うことが好きな子どもでしたね。とくに音楽に興味を持ったり、楽器をやったりしたこともなかったです。聴いていた音楽も、そのときに流行っているJ-POPだったと思いますね。岐阜県の田舎に住んでいたので、近くにカラオケ店もなかったですし、音楽に触れるといえば親が運転する車の中で聴くことがあったぐらいでした。小学校、中学校、高校とずっとサッカーをやっていたので、スポーツ少年でしたね。

――サッカーに打ち込まれてきて、その後、高校を卒業後は、一度就職されていたんですよね。音楽の道を志したのはいつぐらいだったんですか?

趣味で音楽をやり始めたのが20歳のときです。友達がギターを購入しているのを見て、もともと歌うことは好きだったので、「僕も弾き語りしてみたいな」と思ってギターを買って。それからTikTokを観ていると、ショート尺で投稿されている方がたくさんいらっしゃって、ショート尺の楽曲を投稿し始めました。

ーー友達の影響でギターを購入されて、弾き語りもお好きで、最初からオリジナル曲を投稿していたんですか。

まだフル尺は難しいけどショート尺だったら「僕もオリジナル曲が作れるかな」と、曲を作って投稿するようになりましたね。最初は簡単なコードで弾ける楽曲をネットで探して、弾き語りカバーをしてみたり。そのうち、自分の声に合った曲でやってみたいと考えて、オリジナル曲を作り始めました。


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――それからデビューまであっという間の印象がありますが、レコード会社の方からお声がけがあったのはいつ頃だったのでしょうか。

TikTokに2曲めの動画を投稿し始めたぐらいのときに、お話をいただきましたね。

――2021年12月にはテレビ東京系オーディション番組『Dreamer Z』に参加されて話題となりました。テレビ出演は、さらにimaseさんの認知度を高める契機のひとつにもなりましたね。

そうですね。いままでやったことがないことにチャレンジするきっかけにもなるかなと思って参加しました。でも、番組は、弾き語りのオーディション企画だったので、当初どう表現していいのか悩んで。僕はもともと楽器をやっていたわけではないですし、ギターも経験年数が浅くてまだ上手に弾けないので、そこでドラムパッドを使おうと。ドラムパッドは、ドラムを打ち込む機器ですが、好きな音をサンプリング(録音)して、パッドを叩くことでいろいろな音が出せるので、それで弾き語りをして歌って出演していました。

――いまやTikTokの総再生回数が20億回数など、急速にブレイクしている実感はありますか?

先月、上京してきたのですが、地元に戻ると友達から「imaseの曲をいろんなところで聴くよ」と言ってもらったり、最近は海外の方にも聴いていただけていたり。この間も韓国に行っていて、道を歩いていると「imaseさんですか?」と声をかけられて、本当に海外の方にも僕の音楽が届いてるんだな、ということを実感しました。

――代表曲の「NIGHT DANCER」は、日本だけでなく韓国でも「Stray Kids」などのボーイズグループや、「Kep1er」らガールズグループなどの数々の人気アーティストが踊ってみた動画を投稿していますね。さらに韓国の配信サイト“Melon”で J-POP初のTOP100(最高位17位)入りをしていて、とくに韓国の盛り上がりを感じます。

「NIGHT DANCER」は、勝負曲だと思って作った楽曲だったので、日本だけでなく韓国をはじめとした海外にも広がっていったのはうれしいですね。韓国のアーティストさんでは最初にStray Kidsさんが踊ってくださって、なかなか言語だけでは超えられない壁があっても、ダンスと音楽がSNSによって言語の壁を超えて楽曲が届くんだなと実感しましたし、日本語でも海外に挑戦できる可能性があるんだなと。


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――韓国のバラエティ番組や歌番組に出演されたYouTubeを拝見しました。一般の方もそうですが、韓国のメディアの取材もあるなど、注目されている現状を率直にどう感じますか。

本当に言語の壁を越えて知っていただけたことは、率直にうれしいですし、僕自身も韓国のいろいろなアーティストの楽曲をよく聴くので、同じように僕の楽曲が韓国の方に受け入れていただけて、すごくうれしいです。

――韓国で印象的だったことはありましたか。

やっぱり、韓国で声をかけてもらったことが一番印象的ですね。曲を聴いていただけていることはチャートやSNSなどを見てもわかりますが、顔まで覚えていただけているんだな、とそのときに実感できて、うれしかったです。韓国では、ショーケースイベントも実施して。会場に集まってくださった韓国のみなさんが、日本語の楽曲なのに歌ってくださっていて、さらに、みなさんがすごく上手な発音で感動しました。

――「NIGHT DANCER」は、3月にTeddyLoid Remixを配信され、5月15日には韓国のヒップホップアーティスト、BIG Naughtyさんとのコラボレーション作も配信されていますね。

はい、曲への反響が大きくて、それぞれ新しい「NIGHT DANCER」が生まれてよかったです。BIG Naughtyさんとのコラボ作のほうには、「NIGHT DANCER」の“Korean Ver.”として、僕が韓国語で歌っている楽曲も入っています。ありがたいことにコメントでも、「歌ってくださってうれしいです」と韓国の方にも言っていただけて、やってよかったなと思いますね。

80sのリバイバル的なものをテーマにした新曲


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――5月26日に爽やかなポップチューンのデジタルシングル「Nagisa」を配信リリースされます。作詞作曲はimaseさんが手掛けられていますが、どのようなことをテーマにして作ったのですか。

この楽曲は80sのリバイバル的なものをテーマにして、作りました。タイトルの「Nagisa」という言葉も、この楽曲を作るうえで80sのシティポップの曲を聴きあさっていたときに、80年代の曲の歌詞によく出てくる単語だなと思って、歌詞にも入れてタイトルにもしていて。あと「Nagisa」とローマ字表記にしたのは、海外でも“渚”は“Nagisa”と言われているようで、海外の方にも「Nagisa」というフレーズを覚えていただきたいなという思いを込めています。

――今回は80sを意識されたということですが、いつも曲作り自体はどのようにされているのですか。

そのときどきに作りたい系統の楽曲をたくさん聴いて、テイストをインプットしてから作っています。もともとこの楽曲のメロディは昨年の10月ぐらいにはできていて。そのときはパッと思いついたメロディだったので、そこに80sっぽいトラックにメロディをつけて、楽曲を作っていって、あとはインスピレーションで仕上げていきました。

――歌詞は女性目線のものになっていますね。女性アーティストが歌詞の一人称を「僕」にして歌う曲はありますが、男性アーティストが「私」として歌う曲はそれほど多くない印象です。

「Nagisa」は、男女ふたりの物語で、強気な女性をイメージしていまして。ただ、最後のサビの部分では、少し弱さが見える面も描いています。歌詞の中では「ネオンをまとい」ですとか、僕が思う80年代と、当時の強い女性をイメージして作りました。

――曲ごとにいろいろなチャレンジをされているんですね。

自分のなかにある、いろいろなバリエーションを出したいと思っていますし、そのなかでも今回はいままでやっていなかった女性目線の歌詞というところが挑戦した部分です。サウンドでは、シンセブラスの音もあって、いなたい雰囲気も持っていて。80年代に曲を聴いていた世代の方には、この曲を聴くと懐かしい気持ちにもなってもらえると思いますし、逆に僕ら世代の10代や20代の方には、真新しく聴こえるんじゃないかなと思います。


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――タイトルからなのか、どこか夏をイメージさせるようなところもありますね。

とくに夏を意識して作ったわけではないんですが、僕も夏を感じます(笑)。歌詞の最後に、「うつりぎな花の香り」と入れたんですが、それは紫陽花をイメージしていて。紫陽花って、土壌がアルカリ性か酸性かで色が変わる花なので、それを「生ぬるい肌も火照り 涼しげな青も赤に変わるの」という比喩にした歌詞にしたんです。

――紫陽花というと、夏の季語ですね。

そうですよね、夏の曲です(笑)。

――では、歌唱されるときに意識されているポイントはありますか。

この楽曲に限らず、リズムを立てるための歌い方を意識しています。あとは母音を柔らかく歌うことはすごく意識していますね。母音を柔らかくすることによって、個人的にはちょっと他言語に聴こえるのかなとすごく思っていて。歌っていて自分でそう気づいたり、日本のR&Bのアーティストの方の楽曲を聴いていても、けっこう母音が柔らかいイメージがあるんです。

日本語で歌うときも、基本的に英語の曲でも韓国語でも、みなさん母音が柔らかい印象。なので、日本語で歌っている部分も、母音を柔らかくして歌ったほうが、海外の方も聴き馴染みがあるのかな、と思い意識しています。

――驚くべきスピードで音楽の才能を開花していますが、ご自身ではどのように感じていますか。

音楽をやり始めた頃は、実はこういった楽曲の聴き方や作り方を全然していませんでした。最初から自分のできることを探っていって、いまに行き着いているところがあります。もともとは自分の歌声が好きではなくて、SNSに投稿していた楽曲も、いまのように裏声1本で作らず、裏声と地声を混ぜて自分の声がわからないようにしたりして。テレビ番組のオーディション企画のときもそうなんですが、どうやったら聴いてもらえるか、聴き心地がよくなるのかをひたすら探って、できることを探していまに至ります。そういった意味では、けっこう絞り出してきました(笑)。


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――きっと音楽の探求の旅みたいなところもあるんですね。音楽をやり始めて2年半というところで、imaseさんが音楽で大事にしているところはどこでしょうか。

どの楽曲も、メロディとキャッチーさをすごく大事にしています。自分でもそういうキャッチーな楽曲、耳に残るものが好きなんですよ。楽曲を作るときはキャッチーさを意識していますし、覚えやすいメロディで、クセなるリズム、口ずさんでしまうフレーズを念頭に置いて制作しています。

――この間はワンマンライブがソールドアウトしましたね。ライブパフォーマンスにおいても、研究しているんでしょうか。

どうしたら自分のパフォーマンスが映えるのかな、と探っています。パフォーマンスも、MCも、まだまだ拙いところがありますし、歌唱で見せるタイプのアーティストでもないなと思っていて。どういったパフォーマンスをするのが、自分のキャラクターにも合うのかな、ということはずっと探していますね。

――実際に、ライブでお客さんを目の前にして、どう感じましたか?

これまでSNS上でしか活動していなかったので、聴いてくださっている方と直接対面する機会がなくて、ライブで本当に直接会えて、まず率直にすごくうれしいなって。自分の楽曲を聴いてくださっている方が、さらにチケットまで購入してライブに来ていただけて、すごく幸せです。

――10月からは、初のツアー『imase 1st Live Tour』で東名阪をまわりますが、どのようなステージになりそうでしょうか。

いま考えている途中です。これまでのワンマンライブでは、そこでしかできない特別なことをしようと、これまでSNS上で発表したショート尺の楽曲をメドレーにして披露したり、弾き語りをやったり。今回のツアーでも、そういったライブならではの何かができたらなと思います。

国内外問わずたくさんの方に楽曲を届けたい


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――お話は変わりますが、最近ハマっていることや趣味はありますか。

コロナ禍も落ち着いてきて、外出できるようになってきたので、ご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりすることがあります。あとは、フットサルをやっていますね。

――好きなサッカーのチームはありますか?

(イングランド・プレミアリーグの)ブライトンというチームが好きです。日本代表の三笘薫選手が所属されているチームです。全試合観ることができないときもあるので、時間がないときは、よくハイライトを観たりしていますね。

――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。

日本の方はもちろん、いま海外の方にも曲を聴いていただいているので、これからも言語の壁を越えて聴いていただける曲を作っていきたいです。国内外問わず、これからもたくさんの方に楽曲を届けていきたいですね。

取材後記

瞬く間にJ-POPシーンを揺るがすニューカマーとして注目を浴びている、imaseさん。華奢でしなやかなスタイルと、表情豊かなルックスで、その場を明るくさせる存在です。朝の取材だったこともあり、すぐに腹ペコになるようで、インタビューの合間もおやつを美味しそうに食べていた無邪気な姿が印象的でした。そんな急成長中のimaseさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。


写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり

imase PROFILE
岐阜出身、22歳の新世代アーティスト。

音楽活動を開始してわずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にデジタルシングル「Have a nice day」でメジャーデビュー。2022年にはCM主題歌やドラマタイアップにも大抜擢されるなど、ティーンから圧倒的な人気を獲得。
2022年8月に配信リリースした「NIGHT DANCER」は、韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP100(最高位17位)入りを果たし、SpotiifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど、世界各国でもバイラル中。

2023年3月、初の有観客ライブを行い、追加公演もすべてチケットが即完売した。5月26日、デジタルシングル「Nagisa」をリリース。10月、自身初の東名阪ツアー「imase 1st Live Tour」を開催予定。

Information


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New Release
「Nagisa」

2023年5月26日 配信リリース


imase オフィシャルサイト
https://www.universal-music.co.jp/imase/

imase YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC4Kape5ARQ-konOZSw2yawA

imase Twitter
https://twitter.com/imase_1109