福原遥「みなさんに寄り添えるような歌を歌っていきたい」1stアルバムに込めた想い

取材、文・かわむらあみり — 2022.6.28 — Page 1/2
【音楽通信】第113回目に登場するのは、今回1stアルバムを発売し、朝ドラのヒロインも決まって、女優、声優、歌手活動までジャンルレスに大活躍中の、福原遥さん!

小さい頃は歌って踊れるアーティストに憧れた


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【音楽通信】vol.113

小学生の頃から子役として活動し、声優としてアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(2017〜18年)に出演するなど、ジャンルレスに活躍している福原遥さん。

近年ではドラマ『ゆるキャン△』(テレビ東京系)シリーズや『アンラッキーガール』(読売テレビ・日本テレビ系)で主演を務めるなど注目度が高まるなか、2022年度後期連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロイン役が決定し、これからもますますの飛躍が期待されています。

音楽活動としては、2019年に個人名義でソロ歌手としてデビューした福原さんが、2022年6月8日に1stアルバム『ハルカカナタヘ』をリリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。

――あらためて幼少時に音楽に触れたきっかけから教えてください。福原さんは幼児向け食育番組『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』(NHK Eテレ 2009〜13年)の柊まいん役として、主題歌を歌う姿も披露されていましたね。

そうですね、まいんのときぐらいからは歌の楽しさがわかってきましたが、実は小さい頃は歌うことはあまり得意ではなかったんです。でも音楽を聴く習慣はあって、車ではいつも音楽が流れていました。母が運転する車で習い事などへ移動していたのですが、母がよく安室奈美恵さんや倖田來未さんの曲をかけていて、わたしも聴きながら通っていました。

――歌うことはあまり得意ではなかったということは、お仕事で歌うまで、きっかけがなければ歌っていなかったのでしょうか。

すごい音痴ですし、自分の声もあまり好きではなかったから……(笑)。ひとりで歌うのは苦手でしたが、カラオケでみんなで賑やかに歌うのは楽しかったですね。

――では自発的によく聴いた音楽やアーティストはいたのでしょうか。

安室奈美恵さんやフェアリーズさんなど、見ているとダンスがやりたくなったので、歌って踊れるかっこいい方に憧れがありました。そうったこともきっかけで、『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』のときには歌ったり踊ったりすることがすごく楽しくなって。そこから歌うことの楽しさを感じるようになってきたと思います。

――歌手活動だけではなく女優や声優としてもご活躍されていますが、福原さんの中で音楽は、どのような存在でしょうか。

いまはなくてはならない存在です。歳を重ねるごとに歌う楽しさを感じていますし、歌手活動以外のお芝居のお仕事でも、音楽にとても支えられていますね。日々の生活で「この場面にはこの音楽が合いそうだな」と合う音楽を探すことも好きで、1日が始まる朝に音楽をかけて気持ちをリフレッシュさせたり、大事なシーンに向かうときに気持ちを高めるために音楽を聴いたり。気持ちを入れ替えたりするのに、音楽は大切です。

もっと上へいけるよう願いを込めた1stアルバム


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――2022年6月8日に1stアルバム『ハルカカナタヘ』をリリースされました。まずタイトルの意味からお聞かせください。

ハルカカナタへというタイトルは自分でつけました。名前が「遥」で、両親が「遥か彼方へ羽ばたけるように」という意味を込めてつけてくれたので、このアルバムも歌手活動でまた新たな一歩を踏み出すような気持ちで、遥か彼方へもっと上へのぼっていけるようにという思いを込めています。

――既発のシングル曲や新曲など全14曲が収録されていますが、今年4月に配信されたばかりの「道標 feat. Hiplin & Rin音(Prod. GeG)」は、ラッパーのHiplinさん、Rin音さんとのコラボ曲です。

プロデュースしてくださったGeGさんのおしゃれで優しくて心地良いメロディがすごく素敵で、HiplinさんやRin音さんとも、ご一緒させていただいてうれしかったですね。いままでは恋愛系の歌をあまり歌ったことがなかったので、今回はラブストーリーやバラードを歌ってみたい気持ちもあって、相談させていただいてアルバムが完成しました。

――「道標」では福原さんも作詞に参加していますね。

歌詞は自分で書いたことがなかったので、やってみたいなとずっと思っていて。今回作詞の機会をいただけて、全部ではなく自分が歌うパートのみの歌詞ですが、いろいろな方と相談させていただきながら、伝えたいメッセージを込めて書かせていただきました。

――初めての作詞作業は大変でしたか?

難しかったです。何もかもわからない状態からのスタートだったので、アーティストのみなさんが普段どんなふうに書いていらっしゃるんだろうと思いながら試行錯誤して。最終的に、いま自分が一番伝えたい思いを伝えることをテーマにして、いろいろな言葉を調べました。作詞は奥が深いと、少しやらせていただいただけでも感じたので、楽しいですがもっとたくさんの言葉を知っていけたら、いつかまたできたらいいなと思います。

――昨年末にリリースされたシングル「Lucky Days feat. OKAMOTO’S」も収録されていますが、福原さん主演ドラマ『アンラッキーガール』主題歌でバンドサウンドながらOKAMOTO’Sのオカモトショウさんと福原さんのデュエットが新鮮でした。

確かに、いままで歌ってきた曲と全然違うテイストの曲でもあったので、この曲も他の曲も素晴らしい方々に作っていただいているので、なじめるように頑張りながら、毎回歌っています。

――収録曲の「シャボンの人」は元ガールズバンド「ねごと」の蒼山幸子さん、「スキップサイダー」はシンガーソングライターのみゆはんさんのプロデュース曲で、いろいろな方に提供された多彩な曲があります。歌とお芝居では表現の仕方にも意識の違いはありますか。

歌は、お芝居で表現するのとは、全然違いますね。お芝居はキャラクターとして演じていますが、歌は自分として歌っている感覚が、ちょっと恥ずかしいような不思議な感覚(笑)。でもそんな歌で表現する楽しさを最近感じるようにもなってきて、歌い方ひとつ、息遣いや声の出し方だけで、伝わり方がまったく変わってくるんです。

今回、いろいろな方とご一緒させていただいて、そのことをすごく感じました。自分の心が動いて歌っていても、歌い方次第で全然伝わらないんだなとか、ささやくような感じで歌うと曲にのって伝わりやすいんだなということがわかって。まだできていないんですが、自分なりに考えながら、曲ごとにある物語に強弱をつけながら歌うのが、すごく楽しいです。

――そういったテクニカルな面でも、今回のアルバムは楽しんでやり遂げたんですね。

そうですね、小さい頃から歌も得意じゃなく自信もなかったので、いままでは正解を求めて「うまく歌わなくちゃ」と思っていました。でも、この間、わたしの音楽のほうのYouTubeチャンネルにHiplinさんに来ていただいたことがあって。一緒に歌うときに、緊張してますます自信がなくてと伝えたら、「歌に正解も何もないから楽しく気持ちを込めて歌えばいいんだよ」と言っていただいたんです。それで「ああ、その通りだな」と感じて、いまはどれだけ自分の気持ちを伝えて、いい気分でその1曲を歌えるかが大事だなって、楽しみたいなって思っています。

――そういう意味で一番挑戦しがいのあった曲はどの曲でしたか。

やっぱり「道標」ですね、音楽の楽しさをあらためて感じた曲でした。あと「シャボンの人」は、作っていただく前に蒼山さんにお会いさせていただいて、わたしの声質や、どういうことを歌いたいかを聴いてくださって、できた曲なんです。

だからなのかとても歌いやすくて、ありのままの自分というか、歌った瞬間すんなり曲に入っていく感覚がすごくあって。わたしに合わせて作ってくれた驚きと、感謝といいますか。蒼山さんの思いをこの1曲に詰め込んでいただいて、うれしかったですね。いままでで一番、自分らしく歌えたかもしれません。

――そういった曲作りの前から参加されて自然に歌われた曲がある一方で、男性シンガーRakeさんの曲『100万回の「I love you」』のカバーもあります。

音楽チームの方からのオススメ曲で、もともと男性が歌われている曲をいろいろな方がカバーされていて、人によって曲の印象がとても変わる感じがあったんです。女性が歌うと、可愛らしくて甘酸っぱい印象があるので、わたしも歌ってみたいなと思って収録しました。

――今後のライブのご予定はあるのでしょうか。

いつかしてみたいですね。アルバムの1曲目に流れるインストも作っていただいたんですが「この曲がライブの最初に流せたらいいね」という話も音楽チームのみなさんと話していたので、いつかはライブができたらいいなと思っています。

元気やパワーを届けられるように頑張りたい


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――お話は変わりますが、普段のご様子も教えてください。オフの日はどんなふうにお過ごしですか。

いまは毎日朝ドラ『舞いあがれ!』の撮影があるので、ご飯も気をつけないといけないと思って、スーパーに行っています。これまでは作品に入ったら自炊をしていなかったんですが、最近は作り置きおかずを作ったりして、忙しくてもレンジで温めればいいだけにしています。料理をするのもリフレッシュになるんですよね。

――お料理は得意なのですね?

一応いろいろとやっています(笑)。でも、一般的なおかずを何品かぐらいで、おしゃれなものは作らないんですよ。最近だと、豚汁とかチキンのトマト煮とか、タイ料理のカオマンガイを作りましたね。ご飯を冷凍しておいて、後から簡単におにぎりにできるようにしたりもしています。

――福原さんのYouTubeチャンネルでは、大阪アメリカ村でたこ焼きを食べていらっしゃいましたが、街を散策するお時間も少しはあるのでしょうか。

撮影のために大阪に滞在していて、あまり外に出られなかったりもするのですが、少しの時間に、たこ焼きを食べに行かせてもらって。しっかりと大阪を感じられました。

とはいえオフの日は、現地のカフェに入って店員さんと話すこともあります。台本を読んだりしたいので、ゆったりできるおしゃれなカフェを探したり、カフェ巡りをしたりしていますね。

――撮影中の『舞いあがれ!』のご様子はいかがでしょうか。町工場で生まれ育ったヒロインが飛行機に憧れ、旅客飛行機のパイロットを志すというストーリーのようですね。

毎日、青春を感じています。学生たちで人力飛行機を飛ばしたり、夢や目標に向かって頑張っていたりするシーンをいっぱい撮っているので、みんなで何かひとつのものを力を合わせて作ることが、撮影しながらもすごく楽しくて、学生気分ですね。

――お忙しいながらも充実されているご様子が伝わります。撮影中は不規則な生活になりそうですが、美容や食事面で気をつけていることはありますか。

ロケが多いと肌が焼けるので、日焼け止めをいっぱい塗っています。帰ってからは保湿のためにパックをしていたり、フルーツを食べたりしていますね。とくにパックをすることと湯船に浸かることは大事だと思っています。むくみが改善されますし、次の日の肌のトーンやスッキリ具合が全然違うように感じますね。湯船にはしっかりと浸かって、好きな入浴剤を入れて汗をいっぱいかいて毒素を全部出すことは、大事なお仕事の前日はしています。

――メイクやコスメのこだわりはありますか。

すごくコスメが好きなので、いっぱい集めています。薄づきのメイクが好きなので、ハイライトや肌に艶を出すようなアイテムを探して買っていますね。

――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、音楽活動や、お芝居などすべての活動においての、今後の抱負をお聞かせください。

音楽活動は、これからさらに上を目指して、みなさんにお届けしていけたらいいですね。アルバムは心を込めて歌わせていただいたので、たくさんの方に聴いていただいて、歌に込めたメッセージや思いを受け取っていただきたいです。みなさんに寄り添えるような、そっと背中を押せるような歌を歌っていきたいので、聴いてくださる方にとってのそういう存在やアルバムになれたらいいですね。

こういうお仕事をしていて、誰かの心を動かせたり、少しでも元気やパワーを届けられたらいいなと、日々思っています。今年は朝ドラでも、観ている方に少しでも笑顔になって「今日も頑張ろう」と思ってもらえるようなエネルギーを届けられるように頑張ります。

取材後記

小さい頃からキュートな姿をお茶の間に見せてくれている、福原遥さん。ananwebの取材では、朝ドラ撮影中のご多忙のなか、大阪からリモートインタビューをしてくださいました。福原さんといえば、わが家では子どもが大好きなプリキュアのひまりちゃん役でも親しませていただいていて、ほんわかとした愛らしい魅力にあふれた人柄にも癒されます。音楽活動での歌手としての歌声を聴くのはもちろん、朝ドラなどさまざまな今後のご活躍も楽しみ。そんな福原さんの1stアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。


取材、文・かわむらあみり

福原遥 PROFILE
幼児向け食育番組『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』(NHK Eテレ)のメインキャラクターである柊少まいん役を務め、一躍お茶の間の人気者となる。

2017年、女優として映画『チア☆ダン』に出演、「もしもツアーズ」3代目ガイトを務めるほか、声優としてアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(有栖川ひまり/キュアカスタード役)に出演するなど、ジャンルレスに活躍。

2019年は映画『4月の君スピカ』主演、2020年から2021年はドラマ『ゆるキャン△』シリーズ(テレビ東京系)、2021年『アンラッキーガール』(読売テレビ・日本テレビ系)主演を務めるなど注目度が高まるなか、2545人ものオーディションから勝ち抜き2022年度後期連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロイン岩倉舞役が決定。

音楽活動としては、『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』主題歌、2013年にはCVを務めた「なめこのうた」がYouTubeで話題に。2018年には声優の戸松遥と共演したドラマ『声ガール!』がきっかけとなり「福原遥×戸松遥」名義でCDをリリース。

2019年8月7日、「福原 遥」名義でテレビアニメ『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』(テレビ東京系 毎週日曜 午後5時30分)のエンディングテーマとなったシングル「未完成な光たち」をリリースし、ソロ歌手デビューを果たす。

2022年6月8日に1stアルバム『ハルカカナタヘ』をリリース。

Information


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New Release
『ハルカカナタヘ』

(収録曲)
01. Introduction
02. 透明クリア
03. 道標 feat. Hiplin & Rin音(Prod. GeG)
04. シャボンのひと
05. Lucky Days feat. OKAMOTO’S
06. In the park
07. スキップサイダー
08. 100万回の「I love you」
09. 未完成な光たち
10. 風に吹かれて
11. 君が好きだって言えたら
12. モノクローム
13. ハンドメイドセカイ
14. 箱庭のサマー

2022年6月8日発売
*収録曲は全形態共通。

(通常盤)
AICL-4245(CD)
¥3,300 (税込)

(初回生産限定盤)
CD+ビジュアルブック(B5変形版全64P)
AICL-4243~4
¥5,500 (税込)


福原遥 音楽サイト
https://fukuharaharuka-music.com/

福原遥 公式サイト
https://www.ken-on.co.jp/haruka/

福原遥 Instagram
https://www.instagram.com/haruka.f.official/