HYDEの涙がきらり「会えてよかった」有観客&生配信ライヴ始まる

取材、文・かわむらあみり — 2020.9.9
【音楽通信】第49回目は、ロックバンドのL’Arc~en~Ciel(ラルク アン シエル)、そしてロックユニットのVAMPS(ヴァンプス)のボーカリストでもある、HYDE さんのソロライヴのレポートをお届けします!

【音楽通信】vol.49

アコースティックアレンジで新たに魅了

1_U2A2552

カリスマボーカリストのHYDEが、9月5日に、Zepp Haneda(TOKYO)でワンマンライヴ「HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde」の初日公演を開催した。9月5日、6日、7日の前半3日間を「Acoustic Day」、9月11日、12日の後半2日間を「Rock Day」と題して、合計5日間の有観客かつ配信の両方で参加できる公演だ。今回、ライヴ配信プラットフォーム「SHOWROOM」より、生配信された。

コロナ禍において、ライヴの中止や延期を余儀なくされるアーティストは苦悩し、ファンも楽しみが遠のく状況にあるなか、配信ライヴを実行するのは簡単なことではないのかもしれない。そんななか、HYDEは有観客での配信ライヴを決断した。

ライヴ会場では、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底し、観客数は座席使用時の収容人数の50%以下、さらに東京都に在住のファンクラブ会員のみ。公演前日には、HYDEが自身のツイッターでPCR検査の結果を「スタッフ含め142人全員陰性で明日からライヴします」と万全の体制を報告していた。

開演時刻を知らせる数字がスクリーンに浮かび、ソーシャルディスタンスを保って座席に座るマスク姿の観客が配信画面に映し出されている。やがてステージの幕が開き、黒いフードをかぶったHYDEとバンドメンバーが登場。HYDEは、唇からはみ出す真っ赤なルージュに金髪姿、バンドメンバーはそれぞれが仮面をつけている。

2_B7A6094

退廃した街を背に、2019年6月にリリースされたHYDEの最新ソロアルバム『ANTI』の1曲目「WHO’S GONNA SAVE US」から、ライヴはスタート。

HYDEは最初のMCで、「こんな形で再会するとは思わなかったけど、会えてよかった」と語りかける。「困った世の中になったよね。よく頑張ったよね、みんなね。元気そうで」と、コロナ禍で不自由さを感じているであろうファンに、優しい眼差しを向けるたび、会場からは拍手が起こる。

『ANTI』からのナンバーを中心に、HYDE feat. YOSHIKI名義の「ZIPANG (Japanese Version)」、今年3月にリリースしたニューシングル「BELIEVING IN MYSELF」など、新旧織り交ぜたソロ名義の楽曲を披露。また、L’Arc~en~CielやVAMPSの曲、自身が作詞作曲とプロデュースをして中島美嘉に提供した「KISS OF DEATH」やニルヴァーナのカバー曲「Rape Me」を歌うなど、多彩なセットリストとなった。

3_B7A6204

アコースティックアレンジされた数々の楽曲は「まさかこの曲がこんなふうになるとは」「アコースティックのほうも好き!」と、配信画面上に次々と絶賛のコメントが入力され、新たな息吹を吹き込まれて、また別の名曲が誕生していた。クオリティの高いアコースティックバージョンの楽曲は、観客や視聴者に、驚きとときめきを与えたようだ。

終盤、「久しぶりにみんなに会って感情が高ぶっている」と話すHYDEは、歌いながら涙を流す場面もあった。有観客で生配信ライヴを行えたこと、目の前に待ってくれていたファンがいること、歌える喜び、音楽活動の未来……さまざまなことを乗り越えてきたこの日をひしひしと実感しているようだった。美しいその涙は、観る者すべてをさらに虜にし、HYDEの歌声は心の奥深くまで響いていく。

4_B7A6594

そして、この特別な空間がもうすぐ終わるという時間が迫ってきたが、ここで予定にはなかった楽曲を1曲、サプライズで演奏。みんなの気持ちがひとつになり、喜びと感動に包まれた。

MCでは「この半年は家にいました。スーパーに行くのが楽しみだった」と、コロナ禍における過ごし方を話し、さらに、実は以前まで配信ライヴに興味が持てなかったことを告白。しかし、音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)つながりで配信ライヴに出演した際、その考えは一変する。HYDEの前にファン200人が映るLEDスクリーンが置かれて、まるで「目の前にいるような感覚がして、感動した」と言う。「みんな僕を盛り上げてくれて、すごくいじらしくてね、コロッと気持ちが変わって」と、今回の公演を実現するまでの心情を吐露していた。

5_U2A2695

全17曲を歌い上げ、幸せそうな笑顔を見せたHYDE。「ありがとうございました」と言い、ステージをおりるときに、HYDEが観客と視聴者に贈ったたくさんの投げキッスは、配信画面に舞うハートマークとともに心のなかを熱くさせた。このライヴが成功したことは、エンターテインメント業界の未来へつながる大事な一歩へとなっていくだろう。

取材後記

さまざまなことを考慮し、コロナ禍においての有観客&生配信ライヴを5日間行う、HYDEさん。並々ならぬ決意のもと実施されたライヴは、HYDEさんの音楽やファンのみなさん、エンタメに関わる人たちへの愛情にあふれていました。そんなHYDEさんが作り上げていく音楽の世界をこれからも楽しみにしていたいと思います。

セットリスト

01.WHO’S GONNA SAVE US
02.AFTER LIGHT
03.UNDERWORLD
04.HORIZON
05.OUT
06.Rape Me ※Nirvana Cover
07.MAD QUALIA (Japanese Version)
08.ANOTHER MOMENT
09.ZIPANG (Japanese Version)
10.SET IN STONE
11.LION
12.BELIEVING IN MYSELF
13.KISS OF DEATH
14.I’m so happy
15.EVANESCENT
16.EVERGREEN
17.ORDINARY WORLD

Information

HYDE オフィシャルサイト
https://www.hyde.com/