「おトクに旅するライフハック」お金の教科書Vol.50 #節約
おトクに旅するライフハック
古屋江美子(ふるや・えみこ)さん All About 旅行ガイド、ライター。旅やグルメを中心にWebや雑誌などで執筆する。これまでに訪れた国は約50か国。出身地である山梨県の「やまなし大使」としても情報発信中。
散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。
国内旅も値上がり傾向。その理由とは?
好美:そろそろ暑さも収まりそうだし、どこかへ行きたくてリサーチ中です。気のせいだといいけど、前より値上がりしたような…?
古屋:実は、そうなんです。
好美:海外旅行が高いという話はよく聞くけど、まさか国内まで…。一体なぜなんでしょう?
古屋:割高感があるのは、宿泊費が高くなっているから。円安で海外からの観光客が増えて宿泊の需要が高まっていること、人手不足で人件費が上がっていること、物価高による諸コストの上昇など…、いくつもの要因が重なっています。
好美:そういうことか…。でもせっかく行くのに、あまり切り詰めた旅はイヤだし、悩ましいです。
古屋:大丈夫! 工夫次第で、コストはしっかり抑えて旅の満足度はキープできますよ。
好美:ぜひ教えてください!!
コスパよく旅するコツはリサーチと計画性にあり。
古屋:まず、人気の旅先や誰もが旅行しやすい連休などの繁忙期は需要が高いため、割高になりがち。たとえば外国人観光客に人気の観光地を避けたり、連休を外して旅程を組むだけで違います。
好美:なるほど!
古屋:それから旅の計画を立てる際は、早めに動くのがベスト。宿泊施設だけでなく、飛行機や新幹線などの交通機関も早割を実施しているので、割安になりますよ。
好美:計画性、大事ですね!
古屋:また、各サイトのセールもおすすめ。たとえば楽天トラベルならポイントの還元率が高い「楽天スーパーDEAL」というプランが、ANAなら毎月29日に「ANAにキュン!」というキャンペーンがあり、おトクです。
好美:チェックしてみます!
古屋:加えて比較したいのが、ダイナミックパッケージと呼ばれる交通機関と宿泊施設を自由に組み合わせできる旅行商品やフリープランのパッケージツアー。自由度は個人旅行と変わらないのに、個別で予約するより安くすむことが多いんです。
好美:勉強になります!!
古屋:あとは朝食付きプランかどうかなど、条件の確認も忘れずに。
好美:確かに、近くに行きたい店があればいいけど、食事込みの方がおトクな場合もありそうですね。
古屋:旅費というと宿泊費と交通費だけに目がいきがちですが、現地での滞在費までトータルで考える視点も大切です。
好美:これからの旅行は、メリハリをつけて楽しむのが賢いのかも。早速、今日教わったことを踏まえて旅の計画を練ってみます!
コスパよく国内旅するTIPSは?
・繁忙期を避けた旅程を組むと割安に
繁忙期や連休、週末は宿泊料金が高くなりがち。「コスパ面では平日に旅行するのがベストですが、難しい場合は休日+平日を組み合わせた旅程を検討してみて。1泊2日の場合、金・土曜の宿泊で休み前の平日とくっつけるより、日・月曜など休み明けの平日と組み合わせた方がよりおトクになる傾向が」
・予約も旅程も早めに確定が吉
宿泊施設や交通機関、パッケージツアーなどは早割プランを設定している場合が多く、早めに予約した方が割引率も高くリーズナブル。「30日前プラン、60日前プランなどがあるので、余裕をもって計画を立てるのがおすすめです。例外ですが、1週間前などに値下がりするケースも。直前に旅を決める際も、適用される割引プランがないかチェックしてみて」
・パッケージプランを活用&比較して
飛行機や鉄道などの交通手段と宿泊施設を自由に組み合わせることができるダイナミックパッケージやフリープランのパッケージツアーは、交通手段と宿泊施設を個別に手配するより割安傾向に。「ただし繁忙期は個別に手配した方が安くつく場合もあるので要注意。複数の旅行予約サイトのツアーを比較したければ『トラベルコ』『トラベルjp』などが便利です」
・ポイントを活用すればおトクに
「楽天トラベル」や「じゃらんnet」など、利用金額に応じたポイントがつく旅行予約サイトを活用すれば、ポイントを次回の旅費に充当したり、貯めているポイントと合算して有効活用することもできる。「『一休.com』はポイントを即時利用できるので、失効のリスクを防げます」
・宿泊施設のベストレート保証に注目
宿泊施設のみを予約する場合、ベストレート保証がある宿なら公式サイトから予約するのが基本的には最安値に。「泊まりたい宿泊施設が決まっていたり、予約サイトを比較するのが面倒な人は、覚えておくと便利です」
★次回は、2412号(9月4日発売)掲載予定です!
※『anan』2024年8月28日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美
(by anan編集部)